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---がんになっても、あわてない から転載----------------------------------
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2008/1/22
「高齢者虐待防止法違反で初逮捕」
85歳の父親の世話を放棄したとして、娘(43)が逮捕された。私は高齢者虐待防止法という法律があることも知らなかったが、こんな法律作っちゃって、国は自分の首を締めるのではないか?
記事は次の通り。
「高齢者虐待防止法」違反で初逮捕、調査に抵抗の43歳女
2008年1月21日13時16分 【読売新聞】
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080121-OYT1T00381.htm
85歳の父親の世話を放棄しているという情報に基づき、東京都西東京市職員らが実施した立ち入り調査に抵抗したとして、警視庁田無署は21日、同市柳沢3、無職岸田澄江容疑者(43)を高齢者虐待防止法違反の現行犯で逮捕したと発表した。
警視庁によると、2006年4月に施行された同法違反の逮捕は全国初という。
調べによると、岸田容疑者は今月18日午後0時45分ごろ、同市職員や同署員ら約20人が、父親の無事を確認しようと、自宅に立ち入り調査に訪れた際、玄関ドアを開けず、窓から「人権侵害だ。家に入るなら令状を見せろ」などと叫んで抵抗。
いったんは職員らと話をしたが、「家の中には誰も入れない」と言って、玄関の鍵を閉めようとしたところを取り押さえられた。
市によると、岸田容疑者は父親と二人暮らしで、05年2月、大阪府内に住む弟(40)から、地元の保健所に「姉が父親の面倒を見ない」と相談が寄せられた。
市は昨年8月までに10回ほど、岸田容疑者宅を訪れ、父親と窓越しに話をして無事を確認していたが、今月4日、訪問しても会えなかったため、立ち入り調査に踏み切った。
父親は38度の熱があり、同市内の特養施設に保護されたが、肺の病気の疑いがあるという。岸田容疑者宅では大量のごみが放置されており、近隣から苦情が出ていたという。
同法は、「身体的虐待」「介護・世話の放棄・放任」などの5行為を虐待と定義。虐待を受けたとみられる高齢者に重大な危険がある場合、市町村に家庭への立ち入りの調査の権限を与えている。正当な理由がなく調査を拒否するなどした人に対し、30万円以下の罰金を科すと規定している。
(記事ここまで)
さて、国はこの「高齢者虐待防止法」という法律を作って、介護や世話が必要な高齢者を放置することを禁止した。一方では「後期高齢者保険」を今年の4月から開始して、ある一定以上の医療費を使えないようにするらしい。
複数の病気を抱えていても、75歳以上の「後期高齢者」(この呼び方も失礼だなあ)は一人の開業医が診るというのが基本方針だ。そのような人たちを診る総合的な能力を持つ開業医を、4日ぐらいの講習で養成するらしい。そんなことできるのだろうか。必要な人数を養成するあてがあるのだろうか。
そして、後期高齢者医療保険では、検査などをしても診療報酬が増えない「定額制」を導入する見込みといわれている(残り2カ月しかないのに、現場の医師も住民も、後期高齢者保険制度や住民検診についてほとんど何も知らないというのは、どうなっているんだ?)。定額制というのは、たくさんの医療を必要とする人が来た時に、その需要に応えていたら医療機関が赤字になって潰れる制度だ。
需要には医学的な需要もあれば、患者側の要望としての需要もある。定額制で不十分な診療報酬の値札がついていたら、その需要には極力応えないようにしないと、医療機関の経営が成り立たなくなる。優しい医療を提供していたら、診療所はすぐに潰れる。
抱えている病気によって決められた一定金額を支払うという制度らしいが、同じ病気でも必要な医療は大きな幅を持っている。大変な人を多く診る診療所ほど、経営は苦しくなる。診療所が潰れそうだからという理由で、医療が必要な人に医療を提供できないような事態が生じたら、診療所の医師は「高齢者虐待防止法違反」に問われるのだろうか。
もしそのような事態になるのであれば、その診療所の医師や高齢者本人や家族は「このような状況に至ったのは国の制度設計の間違いが原因である」と、迷うことなく国を訴えて欲しい。日本中の“後期”高齢者が集団訴訟を起こして、団塊の世代が「これは他人事じゃない、すぐに自分たちの問題だ」と応援したりすれば、国をあげての大騒ぎになるだろう。
今のところ後期高齢者保険制度について大きな反対の声が上がっていないのは、みんなまだこの制度の異常さに気付いていないだけなのではないかと思う。厚生労働省は最近、何をやっても不十分。4月に本当に導入できるのか?
投稿者: hirakata
コメント
投稿者:れい
2008/1/22 16:32
「高齢者虐待防止法」で逮捕したり処罰したりすることで虐待という問題が解決するとは思えませんが、プライバシーの壁を取り払い、家の中に強制的に入ることができる場合が増えることで、実態を明らかにし、家族や親族の協力体制、必要であれば行政の支援で保護や援助が速やかに行われるようになって欲しいと思います。
同じように「後期高齢者保険制度」によって、過度な医療、無駄な医療が改められ、高齢者にとって適切な医療が受けられるようにして、結果として医療費削減が出来ればいいんですが、お役人が目指すのは自分たちの業績に関わる医療費削減という果実だけなんでしょうね。そして高齢者は切り捨てられて行く。これが美しい国なんでしょうか。情けない。
投稿者:hirakata
2008/1/22 17:06
れいさま、こんにちは。
ことばは悪いですが、ヨボヨボの前期高齢者もいれば、殺しても死なないような後期高齢者もいます。この病気を治せばあと20年は生きられるだろうという後期高齢者にも、一律に医療を制限しよう(お金持ちに対しては自由診療など別制度ができるかもしれません)という浅はかな制度設計で保険医療福祉を運営していこうという厚生労働省のバカさ加減には、溜息しか出ません。