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-----東京日和@元勤務医の日々 から転載-----------------------------------
http://skyteam.iza.ne.jp/blog/entry/451489/
[日本の地域医療未来?]カナダのへき地医療と姿が重なる・・・
2008/01/16 22:30
OECD加盟国でありながら、カナダについてはほとんど情報が入ってこないのでしょうが・・・ここでも医師不足による医療崩壊に直面しつつあります。
いくつかご紹介しておきます。
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カナダ:多くの医師が労働時間短縮か退職を思案中・・・
Many doctors planning to cut hours or quit
多数のカナダの医師が、労働時間を短くするか、または診療を止めるのを計画中
カナダ ナショナルポスト 2008年1月10日
オタワ発-カナダの医師のうち、2年以内に労働時間を短縮するか、完全に退職することを考えているのは、2万人近くにのぼることが新しい調査により判明しました。
調査では、4000人以上の医師が2年以内に診療をするのをやめる計画であることが判明し、深刻化している医師不足の警告をさらに強めるようにみえます。
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カナダ:医師の高齢化と女性医師の増加
Average age of doctors in Canada on the rise
カナダの医師の平均年齢は上昇中です。
CTV.ca 2007/10/25
最新の報告によれば、カナダ国内での医師数は増加中ですが、医師の平均年齢も上昇中です。このことは、カナダの高齢化した医師たちが退職しだした時に、医師不足になるのではないかという不安を生じています。
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カナダ:新人類?の若手医師のために医師不足が深刻化
Younger MDs reject boomers' workaholism
若手の医師たちはベビーブーマーのような働き過ぎを拒絶します
The Ottawa Citizen 2007年10月3日水曜日
Sarah Boesveld
オタワの研究者によれば、長時間労働の受け入れ拒否で、医師不足が深刻化しているそうです。オタワの精神科医によると、ベビーブーマー世代の医師たちは、一生懸命に長時間労働をしていますが、早く燃え尽きています。
この週末、ウィニペグで王立内科・外科医協会(Royal College of Physicians and Surgeons)の年次総会でDerek Puddester医師が「医師たちの疲労は医療過誤を生み、医療の質を悪化させます」と講演しました。
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前提条件として、広大な国土(日本の26倍以上)、人口の偏在も相当なものです。
http://jafm.org/journal/pdf/vol12no2/12_2_06.pdf
カナダのプライマリケア〜カナダの家庭医学の歴史と現状分析〜
浜田久之( 国立病院機構長崎医療センター 教育研修部)
[家庭医療]
より興味深い記述を引用させていただきます。
「日本の26倍の面積(世界第2位)に日本の3分の1の人が住む,カナダの僻地の医療問題は深刻である.近年,都市化が進みアメリカとの国境から100キロ内に人口の約90%が住んでいるが,各州とも広大な僻地を抱えている21).全国平均では国民1981名あたり1名の医師であるが,僻地では1201名に1名の医師である.家庭医の16%,専門医の2.4%のみが僻地に住んでいる.北の地域へ行くほど住民の寿命は短くなり,医療格差も指摘されている22).」
この文献よりデータを紹介しておきます。日本の地域医療の未来は、今、地域で働く医師の数を増やさないと、あまり輝かしいものにはならないように思います。
また、医療費も、乳児死亡率も日本がこの4カ国でも一番良いのを知っておくといいでしょう。残念ながら医療崩壊は弱いところから深刻化しています。この順位を保つための医師の献身的な働きを「たらい回し」だの「受け入れ拒否」だという「マスコミによる魔女狩り報道」によって、いずれ崩壊するのは目に見えています。輝かしい記録とともに「昔は良かったんだよ・・・」と子供たちに話をしなければならない日も来るのでしょうか?
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