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介護職賃上げ、民主党が衆院に法案提出
深刻な介護人材の不足の解消を目指して、民主党は1月9日、今年4月に緊急の介護報酬改定を行い、平均賃金を一定額以上支給すると認定した事業所に介護報酬を3%加算する「介護労働者の人材確保に関する特別措置法案」を衆議院に提出した。成立すれば、現時点で全国の半数の事業所が対象になり、約40万人の労働者の賃金が2万円増える見込み。
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高齢社会のさら進行するにもかかわらず、高齢者を支える介護人材の不足が深刻な社会問題となっている。その最大の原因として指摘されるのは介護労働者の低賃金。調査では、介護労働者の月収は全産業と比較して約10万円下回っており、「生活ができない」と止むをえず職場を去ってしまう人もあとを立たない。
このような現状を受けて、民主党は「介護労働者の待遇改善・賃金引上げが早急に必要」と判断。法案の提出に至った。提出したのは、同党が設置する「医療介護作業チーム」の三井辨雄・山田正彦・山井和則・菊田真紀子衆議院議員。
同法案では、地域別・サービス別に平均的賃金水準を決めたうえ、その基準を上回る事業所を「認定事業所」として、介護報酬を3%加算するよう明記。今年4月に介護報酬の緊急改定を行うことを求めている。全事業所が認定を受けた場合、約1,800億円の報酬の増額となり、介護労働者約80万人の月額2万円程度の賃金引上げが可能になる。
現時点では、約半数の事業所が認定され、40万人ほどが対象になる見通しで、財源規模は約900億円と推計。2008年度予算での対応を求めており、介護保険料の引き上げはせず、また認定事業所の加算分として利用者負担が変わることもない。
法案作成には、NPO法人「高齢社会をよくする女性の会」(樋口恵子理事長)の活動の影響がある。同会は昨年9月、賃金に1人月額3万円を上乗せする「介護人材確保緊急措置法(3万円法)」の制定を柱とする緊急提言を各政党代表宛てに実施。同年12月には、この提言に即した15万筆におよぶ署名を提出していた。このような声に民主党が応えた形だ。
民主党関係者は「法案が目指すのはあくまで緊急措置であり、介護保険制度の抜本的な見直しについては通常国会で対応していく」と話している。
更新:2008/01/10 キャリアブレイン