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「巨悪に体を張る」と共産党〜ルポ・参院選０７（大阪） 2007/07/02
関西にも続々と政党の幹部クラスが訪れる予定だ。その口火を切って１日、共産党の書記局長、市田忠義・参議院議員が演説会に駆けつけた。隣には参院選大阪選挙区（改選数３）に出馬を予定している党公認予定候補の宮本岳志（４７）前参議院議員がいる。買い物客らでにぎわう大阪・梅田の富国生命ビル前は時折、小雨が降っていたが、聴衆はみるみるうちに増えていった。
手を携えて支持を訴える（向かって右が市田氏、左が宮本氏、大阪市北区で） 「安倍内閣の暴走ぶりは目に余るものがある。この内閣にはブレーキがない。ハンドルはついているが、右にしか回らない。昨日（３０日）の久間防衛相の発言は許せない。広島や長崎に原爆が落とされたことについて『しょうがない』と発言した。安倍首相はそれを擁護した」と市田氏は政府と久間氏の発言を強く批判した。
市田氏はネットカフェ難民にも触れた。
「働きたいのに働けない若者が１畳ほどの空間での生活を強いられている。これは労働者をモノ扱いする政策のせいだ。家賃補助をして若者が人間らしく生活できる支援をしなければならない」
このほか氏は「大企業優遇税制」「医療や介護の国民の負担増」「憲法を変えて戦争に突き進もうとする政府」などと与党の政策をやり玉にあげた。その上で「国民が安心して暮らすために児童の医療費無料化や、国民保険料の引き下げ、削減された生活保護の老齢・母子加算を元に戻しても１兆円あればいい。米軍基地建設に３兆円も出すなら、こちらに回すべきだ」と弱者保護を訴えた。
宮本氏も野党としての存在価値を訴えた。
「武富士やハンナン食肉事件に見られた同和利権などの問題に私は体を張って立ち向かってきた。政治が悪いときこそ確かな野党が必要だ。こうした巨悪と戦う私をどうか再び国会で働かせてほしい。自公の悪政の暴走を許さない日本共産党を支援してほしい。政治の流れが変わる」と支持を訴えた。
参議院議員時代に、総務委員会、その他、運輸、IT、郵政、地方自治、憲法などの分野を担当。食肉業界の黒幕だったハンナンを追及、同和利権に厳しく対処するとともに、イラクへの自衛隊派遣などで小泉内閣を追及してきた。
一方で高速道路建設など開発への巨額投資も鋭く批判してきた。この日も来月に供用が開始される関西国際空港の２本目の滑走路について「９２００億円もの無駄なお金が投入された」と批判した。
憲法問題では「アメリカと肩を並べて戦争もしようという憲法改悪は阻止する。ベトナム帰還兵が私に『９条を読んで足がふるえた。もしアメリカにもこのような憲法があれば』と話してくれたことがある。憲法９条は世界の宝だ。なんとしても守り抜かなければならない」と護憲の必要性を訴えた。久間氏の発言によりにわかに憲法問題も浮上してきた感があり、共産党にとっては訴求ポイントがまた明確になったようだ。
「巨悪と戦う男」。宮本氏は演説の最後にもそう繰り返し、「悪政をただす」と締めくくった。
ＪＡＮＪＡＮ
http://www.janjan.jp/election/0707/0707018160/1.php
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