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参院選愛知・公開討論会開かれる 2007/07/02
12日公示、27日に投開票される参院選の愛知選挙区で、立候補予定者による公開討論会が6月30日(土)午後6時30分から、名古屋市中区役所ホールで、名古屋青年会議所、リンカーンフォーラム中部などの共催で実施された。入場は無料で、ほぼ満席の聴衆が詰めかけ、熱心に討論に聞き入った。参院選愛知選挙区には改選数3に対し、現在、9人が立候補を表明している。
参加を呼びかけた立候補予定者は「国会に議席を持つ政党が公認する選挙区候補者」で、大塚耕平(民主) 現/鈴木政二(自民) 現/谷岡郁子(民主) 新/八田ひろ子(共産) 元/平山良平(社民) 新/山本保(公明) 現/の6氏(50音順)が要請に応じて出席した。
討論会は各候補者が2分間ずつ政策などを説明し、その後12分間討論をする、これを1.憲法 2.教育 3.年金のテーマごとに繰り返すというスタイルで進められた。
各候補の主な発言を上記テーマ番号順に紹介するが、名前の前の漢字は「自分を表現する1字」として候補者がみずから選んだ漢字である。なお発言順はくじ引きで決めたものである。
「変」:谷岡郁子(53)民主・新人
1、憲法がきちんと守られているか、そこに疑問がある。現在の憲法をきちんと実現し輝かせることに力を入れたい。安保に合わせるために憲法を変えるというのは本末転倒である。安保を変えるべきである。
2、教育に対する親の負担が大き過ぎるのを是正したい。そのためにとにかく少ない教育予算を増加したい。行政主導ではなく現場の教師や親が教育の在り方を議論し、実権を取り戻し、人作りを進められる環境を作りたい。
3、申請主義の年金支給方式を廃止したい。まずなによりも早く、加入者全員に年金の加入状況を知らせるべきである。また将来の年金や医療費を作る若者たちが輝き、生きやすい社会を作りたい。そのための雇用をしっかりつくりたい。
「夢」:鈴木政二(59)自民・現職
1、憲法ができたときの背景がまだ(日本が)独立した状態になかった。今のこの憲法でいいのか、目をそらさないで、現実を直視し、議論し、合意して進むべきだ。
2、人間として大事な家族の絆(きづな)こそ、教育の原点である。経済の発展によって箱ものはできたから、今後は実際の運用や人材つくりのために重点的に予算を配分したい。
3、消えた年金といわれるが消えていない。社会保険庁で統合する前に3億件あったうち、いまは5000万件を精査しているところだ。政府が責任を持って、来年5月までには「誰に受給権があるのか」調べ、不公平が一人もないようにしたい。
「和」:八田ひろ子(61)共産・元職
1、憲法、特に9条は日本の宝、国民の宝です。国民の間でも9条を守れの声が高まっている。「海外で戦争をする。武力行使をする」は絶対に許さない。日本の最大の安全保障として、世界で生きていくために、9条の2項は絶対に守りぬきたい。
2、授業料の減免や学費の補助など、子どもたちが等しく教育を受けられるよう、親の負担を軽くすることに力を注ぎたい。また競争原理を学校に持ち込んだことが問題で、まずこれを是正することが必要だ。
3、「消えた年金」は社会保険庁の解体では解決できない。国の責任で解決すべきだと思う。今わかっている年金記録をすべての加入者に一刻も早く通知することが大事ですまた25年という最低加入期間を、たとえば10年以上というように短縮し、安心できる年金制度を実現したい。
「耕」:大塚耕平(47)民主・現職
1、変えるべき点があれば審議を尽くして変えればいい。特に財政条項について改正をはかるべきである。これ以上、財政赤字を野放図にさせないよう、憲法で制約をすべきだ。9条の1項、2項は残すが、自衛隊の位置づけは理想と現実を近付ける工夫が必要だ。
2、財源を確保して教育予算をとにかく増やす。学力だけではなく人とのかかわりなど、社会の基本的仕組みを教える教育を充実させる。この2つが大切だ。
3、政治を実行するにはまずなにより財源が大切だ。無駄遣いをやめさせることで、年間予算の5%を削減するだけで大きな財源を確保できる。また税方式の新しい年金制度に改正すべきで、生活保護の支給額と同じか、そのラインを上回る年金支給額にできるような財源に充てたい。
「平」:平山良平(59)社民・新人
1、今の憲法で日本は疲弊したり戦争を起こしただろうか。日本憲法がよいものであることの証明だ。9条第2項のたった13文字の存在が日本の平和をもたらしている。自衛隊の存在は認める。また海外への援助活動ならよいとしたい。ただし9条は変えないし絶対に守りたい。
2、両親がゆっくり子供の面倒をみられる労働条件を確立したい。派遣労働・超過勤務は貧困を生むシステムです。また学校の禁煙化を求めて20年間戦い、裁判で嫌煙権を認める判決を獲得できた。また教育予算が貧困そのものでとにかく予算を充実させたい。
3、年金が宙に浮いたという話を聞いたときいったい自分の年金はどうなっているのかと思った。消えた5000万件を1年で片づけるとすると、1日に17万件を処理することになり到底できない。老後の安心の要であるのが年金。掛け金が払えない若者もいるが、国民がみな、税金で老後の保障を得られる年金制度を考えたい。
「直」:山本保(58)公明・現職
1、もとの憲法の形はしっかり残し「戦争をしない」9条1項、2項は保持する。だが60年たって、そのほかは余地があり、現実に合うものにするよう議論を進めるべきである。
2、国が決めていっせいにやれという教育行政を変え、現場からの声を取り上げ、現状に合わせて現場主導で進める教育にしたい。
3、年金は何十年もの膿がでたもので、役人に責任を取ってもらう。安心してもらうため、まずお年寄りからの年金照合を大至急始める。申請主義だった年金支給については、方法を改め、すべての人に状況を提供するようにしたい。また5年前までだった年金請求権の時効もなくした。
最後に1人ずつ「自分を表わすとして選んだ漢字」を元に自己アピールをし閉会となった。人数が多いことから1テーマたった2分と持ち時間が制限されたため各候補とも時間ばかり気になるような討論会となった。ただ各候補とも事前にかなりの予行演習をしてきたようでもあった。
しかし逆にいえば少ない時間でも、候補者がもっとも主張したい事柄を、明確な言葉で、CM並の訴求力でしっかりとあやまたず聴衆に届けることができたかどうか。言論によって国政に携わる政治家としての資質が明確にあぶりだされるわけで、絶好の判定の機会となったともいえよう。
問題は「多くが動員された支援者からなる聴衆」のようで、各候補の人品、骨柄、発言を見比べ、これを参考にして「投票する候補を決めよう」という本来の趣旨から対象としていた有権者がどれだけ参加してくれたかが問われるところだろう。ただ主催者の趣旨は大いによしとしたい。
(上野数馬)
JANJAN
http://www.janjan.jp/election/0707/0707018165/1.php