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知性のない「週刊新潮」と八木秀次高崎経済大学教授 「パッチギ! LOVE&PEACE」へのいわれのない攻撃
差出人 : Yuichi Mizutani
送信日時 : 2007/06/28 22:17
水谷@奈良です。
井筒和幸監督が心血を注いで製作した「パッチギ! LOVE&PEACE」に対し、
右翼的論客やマスメディアから根拠のない攻撃がかけられている。
こういう知性のないマスメディアと人物は、事実に基づいた議論によって徹底的に
世論から退場させるしかない、と心から思う。
「しんぶん赤旗」6月20日付記事から転載します。
(転載ここから)
映画時評 山田和夫
自国の犯罪的過去を許さない 「パッチギ! LOVE&PEACE」などのたたかい
やはり井筒和幸監督の「パッチギ! LOVE&PEACE」に「反日映画」という
攻撃があらわれた。『週刊新潮』6月7日号は「どうみても『反日映画』なのに
文化庁支援『パッチギ!』」を取り上げ、産経新聞社発行の月刊誌『正論』7月号には
高崎経済大学の八木秀次(「日本教育再生機構」などの右派論客)の「文化庁支援の
反日・差別映画」が登場。「パッチギ!〜」を攻撃している。
「世界が支持した英国告発の映画」
「反日映画」という言葉を見たとき、私は昨年公開されたケン・ローチ監督の英国映画
「麦の穂を揺らす風」を想起した。1920年前後のアイルランド独立闘争を描き、
英国の植民地支配を鋭く告発したので、英本国では「反英映画」という非難が
聞かれた。もちろんローチ監督は自国の過去を厳しく反省する正当性を主張、
世界映画界もその作品を支持した。日本の場合も、これまで中国や韓国で
日本政府の過去を認めない態度に抗議する運動が起き、日本国内で過去の
あやまちを二度とくり返すまいとする正当な歴史認識が主張されると、右派勢力から
きまって「反日」的とレッテルを張られた。
「パッチギ!〜」は在日コリアンの苦難を戦中、戦後にわたって追い、彼らにたいする
いわれなき迫害と屈辱を痛烈に批判している。主人公のアンソンと妹のキョンジャは、
難病をかかえる幼いアンソンの息子のため、必死に努力する。キョンジャは在日の
出身をかくして芸能界に入り、戦争映画「太平洋のサムライ」のヒロイン役を獲得する。
特攻隊員の彼氏を「お国のためにりっぱに戦ってください」と送り出す役、キョンジャは
作品の完成披露会で壇上からついに自分の真情を吐露する。
「歪んだ価値観で『公的支援』攻撃」
アンソンとキョンジャの父は、1944年故郷の済州島で兵隊にとられようとしたとき、
仲間とともに船で脱出、南洋のヤップ島に逃れ、最後まで生き残る。キョンジャは
「戦争から逃げてきた父がいたから、今の私がいます」と言い切る。済州島のシーンでは、
日本の景観が朝鮮人の女学生を強制連行するし、ヤップ島では日本軍が現地住民に
神社詣でをさせ、子どもたちに天皇への忠誠を教える。
映画の攻撃者たちは言う。「週刊新潮」では「既に実証的に否定されているにも
かかわらず(だれが否定した?−筆者)、慰安婦狩りを連想させるシーンを映し出す」
と非難、『正論』の八木教授も同じシーンを問題とするとともに、「当時は朝鮮半島では
志願制だったはず」と、アンソンの父たちの徴兵を否定(実は戦争末期、徴兵制に)、
さらに「太平洋のサムライ」のくだりでは、その設定が石原慎太郎総指揮の映画
「俺は、君のために死ににいく」のパロディーで、石原氏を「コケにするのがこの映画の
目的」と怒りをあらわにする。私などは逆に「パッチギ!〜」が大胆にも公開されたばかりの
石原特攻映画を「コケ」にした不敵さに快哉を叫びたいぐらい。
つまり「パッチギ!〜」は、日本の過去(そして現在)の犯罪的なあやまりを情け容赦なく
えぐり出し、俎上にのせ、これでもか、と告発し続ける。日本映画にめったになかった勇敢さ
であり、その刺激と衝撃は、『週刊新潮』や八木教授をして「反日映画」と呼ばせるに十分であった。
一言付け加えれば、二つの「パッチギ!〜」攻撃が異口同音に、「文化庁支援」に
毒づいていること。文化庁の「日本映画振興プラン」にもとづく製作助成は、
長編1作品2000万円前後、実質制作費の10分の1にも満たないけれど、
真摯な作品を目指すプロダクションには貴重な公的支援で、その際第三者の
シナリオ審査機関が公平中立に選定する建前である。そこに「反日映画」なる
特定の歪んだ価値観を持ち込み、思想的規制を加え、「公的支援」の「公平中立」を
危うくするものである。この「攻撃」の見逃せぬ一面だ。
「『反日映画』攻撃 一歩もひかずに」
2007年の日本は安倍政権の改憲への暴走を基軸に、つい先日暴露されたばかりの
陸上自衛隊情報保全隊の国民監視活動まで飛び出している。「従軍慰安婦」や沖縄の
「集団自決」に国家や軍の関与はなかったと、教科書から削除し、今年70周年を迎える
南京大虐殺はなかったと、「南京の真実」と題する記録映画の製作準備が進んでいる。
石原映画「俺は、君のために死ににいく」は、あの戦争を「アジア解放の正義の戦争」と
位置づけ、若者たちの死を尊い犠牲とほめたたえた。いずれも日本が犯したあやまれる
過去をすべて正しかったと言いくるめ、歴史への認識を大きくゆがめ、逆転させようと
する動き、間違いなく改憲に直結する。
しかし日本映画は「パッチギ!〜」だけではない。長編記録映画「ひめゆり」
(監督柴田昌平)は、沖縄のひめゆり学徒たちが悲惨な戦場で10代の少女の身で、
手榴弾自決に追い込まれた現実を生存者の証言で再現する。これが軍の強制による
「集団自決」でなくてなんであろうか?「パッチギ!〜」や「ひめゆり」など、
一連の日本映画はその良心の力で、「反日映画」攻撃に奔走する右派ジャーナリズムと、
一歩もひかず対決しているのである。
(転載終わり)
八木秀次の講義を受けている高崎経済大学の学生たちよ、こんな下劣な男の講義は
聴いてはいけない。『週刊新潮』や『正論』(このネーミング自体がエゴイストの固まり
だと思うが)とこれを発行している産経新聞は買わないことを強く勧める。
他にも日本の民主主義に有害なマスメディアや論客は多数いる。
自分の頭でしっかりと考えるという思想様式を身につけなければ、
「世界から尊敬されない日本」への道を進むことになるであろう。
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