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(回答先: Re: 国際金融資本のわずかな弱み−6か国協議が「まとまった」のは? 投稿者 こげぱん 日時 2007 年 2 月 19 日 00:42:00)
6カ国協議で,5カ国の結束が崩れなかったことは評価しますが,辛うじてそれぞれの面子を保ったという以上のものではありません.あえて言えば「八百長」です.日本は拉致問題にこだわって本質的な問題を見過ごしています.合意事項を読んでもらえば分かりますが,内容は2005年の共同声明に比較しても大幅に後退しています.
参考→http://exodus.exblog.jp/4601785/
2005年の第4回6カ国協議では以下が決まりました.
1.北朝鮮はすべての核兵器および既存の核計画を放棄して,NPT/IAEAへ復帰
2.米国は北朝鮮を攻撃・侵略する意図がないことを確認
3.北朝鮮の核の平和利用の権利を尊重し,適切な時期に軽水炉提供を議論
4.米朝は国交正常化への措置を取ると約束
5.日朝は平壌宣言に従い過去の清算と懸案の解決を基礎に国交正常化
今回は5つの作業部会を設けるなどそれなりの進捗があったような見せ掛けになっていますが,もっとも肝心な「すべての核兵器の放棄」という項目が抜けています.北朝鮮は,初期措置としての5万トンの重油どころか95万トンを受け取った後も,現在保有している「核兵器を廃棄する約束」をしていないのです.これは客観的に見て北朝鮮を(インド,パキスタン,イスラエルなどと同様の)『核保有国』として国際的に認知するということを意味します.とんでもない方向に進んでいます.
端的に言って日本の周辺国すべてが核保有し,日本だけが取り残されたのと同等の状態になります.日本が拉致問題にこだわり,初期段階の支援に参加しないというわがままが大目に見られたのもそのためと言えます「…いいよいいよ(なでなで)」※.日本政府がその辺りのことを知らないはずはありませんから,国民にはとぼけた振りをして<改憲>→<核保有>の路線を選択したと見て大筋間違いないのではないでしょうか?
※閉会式の記念撮影での並び方を見ると,この間の変化が見える.
第4回のときはヒル国務次官補(米国)と武大偉外務次官(中国)の間にいた日本
首席代表の佐々江局長は,今回は左端に移った(隣は千英宇韓国代表).
アジア金融危機(1997)でIMFの強制的構造改革を経験した韓国では民衆の間に強い反米感情が拡がり,それを背景に在韓米軍の撤退・戦闘指揮権の韓国軍への委譲などがスケジュールに登っていますが,どうも私の見るところここに来て韓国は完全に国際金融支配層に取り込まれたように思われます.(潘基文が国連事務総長に選出されたことがそれを裏書する.そう考えると韓国盧武鉉政権の分かり辛い動きも理解できる.)
今回6カ国協議共同文書の骨子:
1.北朝鮮は60日以内に寧辺の各施設を停止・封印
2.北朝鮮に60日以内に重油5万トン相当のエネルギー支援,1を履行後の第2段階で95万トン相当の支援追加
3.日朝,米朝は国交正常化に向けて協議開始
4.5つの作業部会を設置:@朝鮮半島の非核化,A米朝国交正常化,B日朝国交正常化,経済・エネルギー支援,D北東アジアの平和・安全メカニズム