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まさか自分が『週刊金曜日』の編集委員になるとは思わなかった。なぜなら、私は今から10年ほど前、右翼団体に所属していたからである。それが今や、『週刊金曜日』編集委員としてこの原稿を書いているのだから、人生は本当にわからない。
しかし、右翼団体に所属していた頃も、私は『週刊金曜日』を読んでいた。と言ったら驚かれるだろうか。ただただ、政治や社会についての情報に飢えていた。今のこの国で一体何が起こっているのか、それを知りたかった。しかし、書店に並んでいる政治や社会について論じた本はやたらと高い。平気で2000円くらいする。その点、『週刊金曜日』は500円。貧乏フリーターだった私にも買える金額だった。それ以外に読んでいたのは当時『SPA!』で連載していた「ゴーマニズム宣言」だ。まだ『戦争論』が出る前で、薬害エイズやオウム事件などを取り上げる「ゴー宣」の、私は熱心な読者だった。熱心な読者であり続けられた背景には、やはり『SPA!』が370円だったという理由もある。
そもそも、右翼や左翼の違いすらわかっていなかった。わからないながらも何か政治や社会について考えたい、と思った時に右翼団体を紹介されたから入っただけの話だったのだ。その前には左翼と言われる人たちの集会にも行った。が、言葉が難しすぎて言ってる意味が全然わからない。そこで「物質主義と拝金主義」を批判する右翼団体に入ったのだ。団体名で「愛国パンクバンド」を組み、都内のライヴハウスによく出演した。そのバンドも不思議だった。第2期のギタリストが、いわゆる「左」な考えを持つ大学生だったのだ。彼は大学生でありながら『週刊金曜日』の読者会に参加している上、辻元清美さんのボランティア秘書もしていた。同世代の「右」と「左」の若者に、対立はまったくなかった。それどころか、同世代の若者たちがまったく政治などに無関心な中、この国のあり方に疑問を持っている、という一点で、私たちはすぐに仲良くなれたのだ。当時、そのバンドはライヴ前に「君が代」斉唱をしていた(……)。が、もちろん「左」な彼は「君が代」斉唱を拒否。私たちは当り前に彼の意見を尊重していた。あれから10年。遠い県に移住して農業をしている彼は、今も『週刊金曜日』を読んでいるだろうか。
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