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2008年1月24日 (木)
NHK執行部の「地上げ」を意味する理事の連帯責任論
このところインサイダー取引をめぐるNHK追及記事が紙面をにぎわしている。22日、自民党の電気通信調査部会は橋本会長を呼び、理事全員の辞任を迫ったと伝えられている。昨日(23日)は経営委員長代行の多賀谷氏が民主党の総務部門会議に呼ばれ、経営委員会の監督責任を追及されたと伝えられている。また、その場では古森経営委員長の辞任を求める意見も出たという。
こういう状況を見て、私は(今回に限らないが)日本のマスコミ、世論の理性の底の浅さを痛感する。誤解を恐れずに言うと、NHKほどの規模の職員を擁する組織では「確率的に」今回のような「不祥事」が起こるのを防ぐこは大変難しい。もちろん、約5,000人もの職員が放送前のニュース原稿にアクセスできるという仕組みはルーズすぎる。もっとアクセスを制限すれば、「確率」を下げることはできたはずだ。
しかし、不正行為をゼロにするのは不可能に近い。この場合にNHK執行部としてなすべきことは、
1.不正行為の可能性はあっても(あるからこそ)、それを抑制する倫理を育み、インサイダー情報の範囲、取り扱いに関する基礎知識を日頃から職員に周知徹底すること
2.不正が起こった場合、厳正に対処するとともに、不正が行われた仕組みを解明し、再発防止策の一助にすること、
である。これらは当然のことであるが、逆に言うと、これ以上の何かができるはずだという想定のもとに、NHKの対応が生ぬるいという世論の心情をかきたてるかのような報道を連日繰り返すのは、NHK批判をエスカレートさせても世間に受けるという大衆迎合的な心理が働いているからではないかと考えられる。
今、視聴者、市民がなすべきことは、NHKの再発防止策が身内意識から腰の引けたヌエ的なもので終わらないよう厳正に監視すること、それとは独自に、上記のようなマスコミ発の状況づくりに便乗する形で、政治が、そして経営委員会がNHKの人事に越権的に介入してくるのを許さない世論の喚起である。
任期半ばの今の理事を、「連帯責任」を名目に一掃するのは、正確さよりもわかりやすさを優先していうと、NHKという建物に新たな意中の住人(副会長以下、理事)を送り込むための「地上げ」を仕掛けるに等しい。
経営委員会が2名以外の理事の進退伺いを福地新会長の判断にゆだねたのは放送法からいえば当然のことである。しかし、重要なことは、経営委員会内に理事全員の責任を問う動きがあるかのような情報操作をして、理事の連帯責任を問うムードがあおられた点である。それは政治の側から理事の連帯責任を追及する動きが出たのと符節を合わせている。
NHK職員や理事の資質を問うことは、もちろん重要であるが、問題の全体像に目配りをした大局的な言論が強く求められる。
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