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http://it.nikkei.co.jp/business/news/index.aspx?n=MMITaj000021012008
若い世代を中心に幅広い年齢層に利用される「YouTube」――「ニコニコ動画」は20〜30歳代、「GyaO」は50歳代
「YouTube」や「ニコニコ動画」などの動画共有サイトの登場によって、ネットワークを通じた動画コンテンツ視聴が急速に増えた。視聴者はどのようなサイトをどのように利用しているのか。人気サイトに集まる人はどのようなコンテンツを視聴しているのか。また、携帯電話機ではどのような動画サイトを利用しているのか。年齢によって使い方はどのように異なるのか―――。(日経マーケット・アクセス)
このような視聴の現状を明らかにするために、日経マーケット・アクセスはネットワークによる動画コンテンツの視聴実態とビジネスの可能性を探る「ネット動画ビジネス市場調査」を2007年11月に実施した。その結果の一部を今号から連載する。1回目は動画サイト/動画サービスの全般的な利用状況として、(1)視聴者の多い動画サイト/サービス、(2)年代別の視聴コンテンツの種類、(3)年代別に見た今後も利用したい動画サイト/サービス ―― を報告する。
「YouTube」と「ニコニコ動画」の視聴実態は異なる
まず、ネット動画を視聴したことのある人が実際にどの動画サイトや動画サービスを視聴したのかを調べるため、パソコンやテレビ受像機向けの36サイト/サービスについて尋ねた結果は年代別に図1のようになった。視聴経験者が多かったサイトの上位には同じような動画サイトが並ぶが、利用者の年齢層によって視聴したいコンテンツの傾向が異なり、順位はその傾向を反映したものとなっている。
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図1 視聴したことがある動画サイト/サービスの年代別ランキング(2007年11月調査)
視聴したことがある動画サイト/サービスとして若い世代を中心に最も多くの人が挙げたのは「YouTube」だった。20歳〜40歳代の各年代で視聴者比率(動画サイト利用者全体に占める視聴経験者の比率)によるランキングのトップとなった。50歳代では2位に、60歳代では3位へと下がるが、それでも上位を維持し、年代を問わずに視聴されていることが分かる。
「YouTube」に次いで20歳代で2位となったのは「Yahoo! 動画」である。30歳代〜50歳代では3位で、「YouTube」と同様に幅広い年代で視聴される動画サイトと言える。特に60歳代では視聴経験者が最も多かった。
一方、幅広い年代で利用されながらも、年齢の高い層からの支持が厚いのが「GyaO」と「BIGLOBEストリーム」である。「GyaO」は50 歳代では視聴者率1位だった。60歳代では2位に下がるものの、50歳代までは若い世代よりも年齢の高い世代の方が視聴者の比率が高い。
50歳代と60歳代の視聴コンテンツで最も多かったのは「映画、テレビなどの番組(1本分)」だった。「GyaO」については、映画が充実していると評価する人が多く、50〜60歳代のニーズに合致していると言えるだろう。
新興サイトは20歳代の利用者率が圧倒的に大きい
「GyaO」は20歳代での視聴ランキングでも3番目と視聴が多かった。しかし、4位に「ニコニコ動画」、5位にはコミュニティー系の「mixi 動画」が入り、このあたりから若者の特徴が出てくる。9位には画質で評価が高い「DivX Stage 6」、10位にはサイバーエージェントが運営する「AmebaVision」、さらに11位には「DailyMotion」など話題のサイトが次々と登場する。いずれにしても、これらの新興サイトは若い世代の利用が中心で、年齢が上がるとともに順位が低下する。
30歳代以降になると、GyaO以外にも映画コンテンツに特徴があるサイトが上位に入る。「ShowTime」は30歳〜60歳代で8〜10位に入った。40歳代と50歳代では「Google Video」に次ぐ順位である。10位以内には入っていないが、「So-net」も映画コンテンツのサイトとして10位近くに挙がった。テレビ局系動画サイトでは「第2日本テレビ」が上位に食い込んだ。「第2日本テレビ」は、40歳代から60歳代の各世代で9〜10位となっており、安定感がある。
YouTube以外のサイトは認知と視聴が大きく乖離
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図2 30歳代による動画サイト/サービス上位サイトの認知率と視聴経験者比率(2007年11月調査)
各動画サイト/サービスの認知者の比率(認知率)と視聴経験のある人の比率(視聴者比率)を対比させると、最も視聴者率が高かったのは「YouTube」である。20歳代による視聴者比率は87.9%と9割近かった。30歳代では約4ポイント下がるが、それでも84.0%と高い水準を維持する(図2)。認知率はいずれの年代も90%を超え、認知率と視聴者比率の差は20歳代でわずか5.8ポイントだった。
認知率と視聴経験者の比率を動画サイト/サービスごとに比べると、20歳代と30歳代では「YouTube」に視聴が集中しているが、認知率2位以降は認知率と視聴者比率の差が急速に大きくなる。認知率で2位の「Yahoo! 動画」は、認知率が20歳代、30歳代ともに約82%なのに対して視聴経験者はいずれも55%前後である。3位以降も同様に、認知率と視聴者比率の差が大きい。40歳代以降の利用では、認知率1位の動画サイト/サービスでも認知率と視聴者比率に差が出てくる。全般的に認知率と視聴者率の差は若い世代よりも大きくなる。
今後も利用したいサイト、40歳代以外で「mixi動画」が上昇
各動画サイト/サービスを視聴した経験のある人に,今後も利用したいと思うかどうかを尋ねた結果をスコア化した結果は図3の通りである。
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図3 今後も利用したい動画サイト/サービスの年齢別上位5サイト(2007年11月調査)
今後も利用したいと思うかという点でも,幅広い年齢層から支持されたのは「YouTube」だった。特に20歳代,40歳代,50歳代で最もスコアが高かった。ただし,30歳代では「ニコニコ動画」がトップとなり,YouTubeは2位に低下した。また60歳代では5位だった。60歳代では「GyaO」の利用意向スコアが高く,次いで「BIGLOBEストリーム」だった。映画コンテンツが豊富と評価されるサイトが上位を占めた点が注目される。
もう一つの注目点は「mixi動画」である。「mixi動画」は図1に示した視聴ランキングと比べて、図3の利用意向スコアによる順位が大きく伸びた。同サイトの利用意向スコア順位は,20歳代と30歳代で5位,50歳代と60歳代で4位といずれも上位5サイトに入った。20歳代では視聴ランキング順位と変わらなかったが,30歳代と50歳代,60歳代では順位が大きく上昇。これらの年齢層ではコミュニティー・サイトという特性を生かしつつ,動画視聴という面からの利用が増える可能性がありそうだ。
調査結果の詳細は,『日経マーケット・アクセス』が特別報告書「ネット動画ビジネス市場調査2008」として発行した。
(日経マーケット・アクセス/永沼 成子)
日経マーケット・アクセスのサイトはこちら
調査方法:実施期間は2007年11月12日〜19日。日経BPコンサルティングの調査モニター、懸賞やアンケートなどの情報提供サイト「Chance It!」の30歳代未満の利用者に告知してアンケート回答者を募った。有効回答数8225。
[2008年1月21日]
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