★阿修羅♪ > マスコミ・電通批評7 > 363.html ★阿修羅♪ |
Tweet |
http://www.tokyo-np.co.jp/article/entertainment/news/CK2008011102078604.html
2008年1月11日 朝刊
二十四日に任期満了で退任するNHKの橋本元一会長が十日、在任中最後の定例記者会見に臨んだ。この中で次期会長の福地茂雄氏(アサヒビール相談役)を補佐する副会長人事などに関し、NHK内部からの起用が望ましいとの考えを示した。また自らの在任三年間を振り返り、受信料の不払い者に対する法的措置に踏み切るかどうかで「大変、悩んだ」などと述べ、経営者としての心境を“告白”。新会長には「NHK人になりきってほしい」と注文をつけた。 (小田克也)
橋本会長は、副会長をはじめとする新執行部の顔触れについて、「二〇〇八年度は重要な年。五輪やサミットがあり、総選挙もあるかもしれない。また放送法改正で、NHKの定款や規程を変え、場合によっては組織改正までやらないといけない。NHKを分かった人でないといけない」と持論を披露。外部からの起用は避けるべきだとの意向を示すとともに、こうした考えを福地新会長に直接、伝えたことを明らかにした。
その上で、「(福地氏に)昨年十二月に初めて会ったが、しっかり聞く姿勢を持った方だと思った」などと述べ、新年度の局内事情を考慮して人事に着手するよう、やんわりとけん制した。
NHKは、次期会長と経営委員長(古森重隆・富士フイルムホールディングス社長)が、いずれも民間出身。いわゆる「民・民」主導となるが、この点について橋本会長は「それぞれの役割を心得て、NHKを良くすべく努力してほしい」などと語り、経営委に対し執行部の権限まで踏み込まないよう暗に求めた。橋本会長と同時に任期満了となる永井多恵子副会長も「なんとも申し上げようがない」と苦渋の表情を見せた。
◇
橋本会長は二〇〇五年一月、不祥事で引責辞任した海老沢勝二前会長の後を継ぎ、会長に就任した。在任中、最も苦しんだのは不祥事の影響で落ち込んだ受信料収入の回復。〇六年十一月には滞納者に対する簡易裁判所を通じた支払い督促の申し立てに踏み切ったが、その際は「大変迷った。ただ、普通の会社なら倒産する事態だった」などと振り返り、世論の批判の中での苦渋の決断だったことを明らかにした。
また同年十一月、総務相からNHKラジオ国際放送で北朝鮮の拉致問題を重点的に取り上げるよう命令され、世論からは「政治介入」との批判も起きた。「政治との距離」はNHKの最重要課題といえるが、職員に対し永井副会長は「理屈に合わないことを言われたら戦ってほしい」と求め、橋本会長も「自主自立は与えられるものではない。自分で持ってほしい」などと呼びかけた。
昨年十二月、町村信孝官房長官がNHKの会長交代に関し「実績を挙げていなかったのではないか」などと指摘したことについても、橋本会長は「番組には自信を持っている」などと不快感を示した。
橋本会長は在任中、海老沢前会長に対する退職金の支払いを見合わせてきた。任期満了(24日)に伴い支払うかと記者団に尋ねられ、「その用意はない」と否定。また自らの退職金については「私が決められない」と述べ、経営委の評価報酬部会などの判断に委ねる考えを示した。
◇
確執が取りざたされる経営委との関係について「互いに理解し合うなどの努力を双方が行うべきだった」と述べるなど、異例の一期で職を去る無念さを時ににじませながら会見した橋本会長。退任後は「一視聴者に戻って番組を楽しみたい」と語った。
▲このページのTOPへ HOME > マスコミ・電通批評7掲示板
フォローアップ: