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(回答先: NHK新会長に福地茂雄氏(NHK) 投稿者 クマのプーさん 日時 2007 年 12 月 25 日 23:40:28)
http://mainichi.jp/select/opinion/closeup/news/20071226ddm003020017000c.html
NHKの次期会長に25日、アサヒビール相談役、福地茂雄氏(73)が選任された。任命機関である経営委員会の古森重隆委員長(68)と同じ財界人で、20年来の付き合い。視聴者代表としてNHKを監視、監督する経営委のトップと、執行部トップの密接な間柄に、正常な緊張関係が保てるのか疑問視する声も出ている。古森氏主導で行われた新会長選びを検証し、受信料値下げ問題など今後の課題を探った。【臺宏士、丸山進、広瀬登】
◇「視聴者への配慮不足」
●独壇場
「古森氏の掲げるNHK改革とは、視聴者を退けた密室審議の横行だったのか」。放送界の第三者機関「放送倫理・番組向上機構」の服部孝章・放送倫理検証委員会委員(立教大教授)は、古森氏の独壇場で進められた新会長選任の過程を振り返り不信感を示した。
古森氏は25日、指名委員会を前に会合を開き、出席した福地氏が経営委員からの質疑に応じた。この会合は「経営委事務局は関与せず、会合場所も知らない」という非公式な色合いが濃く、議事録作成の予定もない。実は21日にも今回と同様の会合が開かれるはずだったが「事前に情報が漏れたため流れた」(菅原明子委員)という。
服部氏は「古森氏の運営手法は、重要事項は非公式に委員を集めて意思形成してきたことが特徴」と指摘する。経営委は9月に執行部提出の中期経営計画案を承認しなかったが、関係者によるとこの際も、非公式会合で事実上不承認の方針が固まっていたという。
●水面下
候補者選びでも古森氏は水面下で動いた。自身も参加する安倍晋三前首相を囲む経済人の集まり「四季の会」メンバーらに次々と打診。「2けた以上の人に会った」という。与党議員からは「お友達選び」とやゆする声も出た。13日の経営委では、菅原委員らの求めに対し自ら推す候補者名を明かさず、記者団にも口をつぐんだ。
●調整
古森氏が福地氏を軸に最終調整するという情報が永田町や霞が関に流れたのは20日。経営委メンバーもこの前後にようやく古森氏の福地氏推薦を知ることになるが、実は11月初めから既に3、4回接触していたという。
経営委に24日、「慎重な審議を」と求めた長谷部恭男・東京大大学院教授らは、申し入れ書で「視聴者に対する配慮も説明責任を果たす努力もうかがえない」と指摘した。
◇「強権」古森氏に賛否 復権うかがう海老沢派
放送法は、首相が国会同意を得て任命する12人の経営委員について、教育、文化、科学、産業など各分野から公平に選出するよう求めている。この規定は経営委員会を執行部に対する監督機関とし、委員を視聴者代表者と位置づけているためだと考えられている。
古森氏の委員長就任後、5カ年経営計画案の不承認など、執行部は強権的な手法に揺さぶられ続けた。執行部との緊張感を高めた古森氏の手法を評価する意見もある。
ところが今回、古森氏は改革を錦の御旗(みはた)に“盟友”をNHKナンバーワンに据えた。04年発行の経済誌への古森氏の寄稿によると、福地氏との出会いは87年。日本能率協会の米国視察団一員となったことがきっかけという。ともに九州出身で、アサヒビールがアメリカンフットボールチームのスポンサーをしていたことから、東大アメフト部出身の古森氏と話が合ったという。
ジャーナリストの田原総一朗さんは「経済界には視聴者に評判の良かった『ワーキングプア』などの番組を暗いと反発する声が強い。財界出身の古森氏はその代表で、この上仲間を会長に据えるのは、視聴者にとって偏った番組づくりにならないか。大変危うい」と批判する。古森氏は「仲間を据えるほど、会長は生やさしい立場ではない」と反論する。
一方、「古森支配」に乗じ、海老沢勝二前会長に近い元NHK幹部たちが復権を目指す動きを見せている。橋本元一現会長と同時に任期切れを迎える永井多恵子副会長の後任は、福地氏に任命権がある。放送事業者としての実績がないため、次期副会長はNHK内部やOBからの起用が有力視され、早くも海老沢氏に近い人物の名前が挙がっている。NHK関係者は「福地氏の次をうかがう布石として、新執行部に入り込もうという狙いだろう」とまゆを曇らせる。
◇今後の焦点は受信料−−2けた値下げ現実味
福地氏の新会長就任によって、受信料の10%以上の値下げが現実味を帯びてきそうだ。
NHK執行部は7月、(1)一律月額100円値下げ(2)一律月額50円値下げのうえ、口座振替利用者はさらに50円引き(3)口座振替利用者のみ一律100円値下げ−−の3案を含む5カ年中期経営計画案を経営委に提示した。だが、経営委は最高で約7%にしかならない値下げ幅を不満として、9月の会合で執行部提案不承認を決定した。
古森氏は就任時の“後ろ盾”である菅義偉前総務相の意向を踏襲、2けた以上の値下げを主張している。組織改革と子会社削減などに取り組めば大幅な値下げが可能として、来年9月までに新計画案を策定し直すよう要求。経営委のメンバーを中心にステアリングチームを発足、今年度中に執行部側へ「2けた値下げ」実現へ向けた方向性を示す構えだ。
NHK内部では「1割以上の値下げは不可能で、実施すれば番組内容の低下は避けられない」という意見が大半だ。だが、福地新会長誕生で、執行部、経営委からそろって2けた値下げを迫られることは避けられず、動揺が広がっている。
◇「さらなる改革願う」−−橋本会長コメント
NHKの橋本元一会長は25日、福地氏が新会長に選任されたことを受けて「編集権の独立を深く認識した事業運営を行い、自主自律の立場で、視聴者に信頼される公共放送とするための改革をさらに進めてもらうよう願う」とのコメントを出した。
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■NHK経営委員会メンバーと福地氏選任の賛否■
○古森重隆(富士フイルムホールディングス社長)=委員長
○多賀谷一照(千葉大法経学部教授)=委員長代行
○井原理代(香川大大学院地域マネジメント研究科長)
○岩崎芳史(三井不動産販売会長)
○大滝精一(東北大大学院経済学研究科教授)
○小林英明(弁護士)
○小丸成洋(福山通運社長)
×菅原明子(菅原研究所所長)
×保ゆかり(オフィスピュア代表)
○飛田稔章(北海道農協中央会副会長)
○野間光輪子(望月代表、1級建築士)
○深谷紘一(デンソー社長)
(○は賛成、×は反対)
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■新会長決定までの経過■
6月26日 古森氏が経営委員長に就任
9月11日 経営委で、選挙期間中の歴史番組などの放送に注意するよう古森委員長がNHK執行部に注文
25日 NHK執行部作成の08〜12年度中期経営計画案を経営委員会が承認せず
11月13日 経営委、海老沢前会長派を次期会長候補から除外する方針決定
12月 6日 橋本会長が定例会見で続投意欲を表明
13日 古森委員長が、橋本会長と現執行部を会長候補としないことを表明
19日 菅原明子、保ゆかり両委員が会見。古森委員長の議事運営を批判
20日 古森委員長が福地氏推薦で最終調整していることが表面化
21日 改正放送法成立。古森氏の発言を機に、経営委による個別番組編集への介入を禁じる条文が盛り込まれる
25日 新会長に福地氏選任
毎日新聞 2007年12月26日 東京朝刊
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