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(回答先: 市民の手でNHK会長を――その可能性は消えていない――(醍醐聡のブログ) 投稿者 クマのプーさん 日時 2007 年 12 月 17 日 13:54:49)
http://mainichi.jp/select/biz/news/20071217ddm012020089000c.html
来年1月に任期満了を迎える橋本元一・NHK会長の後任選びが混とんとしている。任命権を持つ経営委員会は、基本的に現執行部を候補対象から除外する方針を打ち出した。外部からの人材登用を目指すが、組織のかじ取り役選びは曲折が予想される。【丸山進】
◇人選作業のめど−−委員長発言で離れる候補者
「情報を総動員し、適当な人を探してお願いした。少なくとも2けたの人には会った」
13日の経営委終了後、古森重隆委員長(富士フイルムホールディングス社長)は報道陣にそう語った。「2けた」にのぼる相手は、財界人が中心。元東芝会長で東京証券取引所の西室泰三会長や、伊藤忠商事の丹羽宇一郎会長、全日空の大橋洋治会長の3人は難色を示したとされる。
NHK会長の年酬は約3200万円と、大企業経営者に比べて高いとはいえず、兼職は禁止。国会答弁で緊張感を強いられ、04年の不祥事発覚以来、世論の批判を浴び続ける組織は戦後初めての受信料値下げという局面を迎えている。NHK幹部は「次期会長は四重苦を背負うようなもの」と話す。
さらに、古森委員長の言動も人選作業に微妙な影を落としている。
「選挙期間中の放送については、歴史ものなど微妙な政治問題に結びつく可能性もあるため、いつも以上にご注意願いたい」(9月11日の経営委で)「NHKの番組はあまり見ていない」(10月9日の経営委終了後、報道陣に対して)
放送局の意思決定機関の長として配慮を欠いた発言は波紋を呼び、今国会で成立する見込みの放送法改正案に、経営委がNHKの個別番組編集に介入することを禁じる条項が盛り込まれた。ある関係者は「あの発言ですべて台無し。誰も古森さんの下で会長をやろうという気にはならないはずだ」と、まゆをひそめた。
13日の経営委で具体的な候補者を公表し、25日に決定するという古森委員長の青写真は崩れたが、古森委員長は年内決着に自信をのぞかせている。記者会見で「就任を打診した人は全員断られたのか」と問われた古森委員長は、「もしそうなら大変なことだ」と意味深に答えた。また、橋本氏と現執行部メンバーを対象からはずす議決をしたのは「既に意中の人がいるから」と見る関係者もいる。
◇生え抜きの動き−−「返り咲き」に強い拒絶反応
経営委の後任会長選びが本格化するなかで、海老沢勝二・前会長体制下で、海老沢氏の側近だった元理事らが活発な動きを見せた。外部からは敬遠されても、生え抜きの職員出身者にとって会長の座は最高ポスト。次期外部会長のご意見番として執行部内の実権を握り、あわよくば“その次”をうかがおうとするものだ。
この動きを巡って、12人の経営委員の間に不協和音が生じた。一部委員が「(海老沢氏側近の元理事の)返り咲きを許したら、また不払いが増える」と拒絶反応を示した。
その結果、先月13日、経営委員のうち古森氏ら7人から成る「指名委員会」で旧海老沢派の除外を決定。しかし、同日の委員会終了後、多賀谷一照委員長代行は、この決定事項を記者に公表しなかった。
27日の指名委で、古森、多賀谷両氏は「なぜ公表しなかったのか」などと批判を浴びた。「古森委員長中心の議事進行に不満が爆発。あきらかに潮目が変わった」と、求心力低下を指摘する声も出ている。
さらに今月13日の経営委員会では、委員から「非公開となっている指名委のやりとりの議事録を公表すべきだ」との要求が出され、不信感が残っていることを印象づけた。
会長の任命には、経営委員12人中9人以上の議決を経なければならない。古森委員長の“意中の人”が選ばれるまでには、委員との関係修復も求められそうだ。
◇唯一の対象理事−−金田氏は担保的な色彩
現執行部中、ただ一人対象者として残った金田新(しん)理事は、元トヨタ自動車専務。NHKが打ち出した「新生プラン」の目玉である外部理事として、06年9月に就任した。5カ年経営計画案に盛り込まれた一律100円割引など三つの受信料値下げ案に、現執行部でただ一人反対するなど、存在感を示している。財界とのつながりもある。
ただ、金田氏は外部の人材登用がすべて消えた場合の「担保」的な色彩がいなめない。
古森委員長は現執行部を対象外にした理由として、9月に示された経営計画案が抜本的改革にほど遠いと批判。そのうえで、執行部中唯一の反対者である金田氏は「一応考えていいと思う」と、消去法で残したことを示唆した。
◇外部起用にアレルギーも
放送法では、NHK会長は経営委員会が任命すると規定されているが、実際はNHK執行部と自民党の逓信族が決めてきた歴史がある。戦後就任したNHK会長は橋本氏で15人目。大橋八郎氏から8代目の小野吉郎氏までは、逓信、郵政省(現総務省)など外部組織から登用されている。64年7月から9年間務めた前田義徳氏は、朝日新聞社からNHK入りし、副会長などを経て就任した。
生え抜き職員として初めて会長に就いたのは坂本朝一氏で、その後はNHK出身者が大半を占める。
橋本会長の後任が外部から選ばれれば、88年に三井物産相談役から就任した池田芳蔵氏以来、20年ぶりとなる。
坂本氏以後、橋本氏を除く歴代会長6人のうち、1期目で退任したのは2人。池田氏とNHK生え抜きの島桂次氏。池田氏は英語で国会答弁を行うなどして不適格と判断され、島氏は虚偽の国会答弁で辞任に追い込まれた。不祥事発覚とその後の対応が問題化した海老沢前会長は、3期目の途中で辞めている。
NHK内では、池田氏の例から外部会長にアレルギーを示す空気がある。また「ここしばらく、よほどの不祥事がない限り2期以上務めなかった例はない」として、橋本氏が1期で退くことへの反発もくすぶっている。
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◇NHK経営委員会メンバー
※古森重隆 (富士フイルムホールディングス社長)
多賀谷一照(千葉大法経学部教授)
※井原理代 (香川大大学院地域マネジメント研究科長)
岩崎芳史 (三井不動産販売会長)
※大滝精一 (東北大大学院経済学研究科教授)
※小林英明 (弁護士)
小丸成洋 (福山通運社長)
菅原明子 (菅原研究所所長)
※保ゆかり (オフィスピュア代表)
※飛田稔章 (北海道農協中央会副会長)
※野間光輪子(望月代表、1級建築士)
深谷紘一 (デンソー社長)
(注)※は指名委員会委員
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◇戦後の歴代NHK会長
氏名 出身団体 在任期間
大橋八郎 (逓信省) 1945年 4月〜1946年 2月
高野岩三郎 (経済学者) 1946年 4月〜1949年 4月
古垣鉄郎 (朝日新聞) 1949年 5月〜1956年 6月
永田清 (日新製糖) 1956年 6月〜1957年11月
野村秀雄 (朝日新聞) 1958年 1月〜1960年10月
阿部真之助 (毎日新聞) 1960年10月〜1964年 7月
前田義徳 (朝日新聞) 1964年 7月〜1973年 7月
小野吉郎 (郵政省) 1973年 7月〜1976年 9月
坂本朝一 (NHK) 1976年 9月〜1982年 7月
川原正人 (NHK) 1982年 7月〜1988年 7月
池田芳蔵 (三井物産) 1988年 7月〜1989年 4月
島桂次 (NHK) 1989年 4月〜1991年 7月
川口幹夫 (NHK) 1991年 7月〜1997年 7月
海老沢勝二 (NHK) 1997年 7月〜2005年 1月
橋本元一 (NHK) 2005年 1月〜
毎日新聞 2007年12月17日 東京朝刊
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