★阿修羅♪ > マスコミ・電通批評7 > 177.html ★阿修羅♪ |
Tweet |
http://www.jcj.gr.jp/massinfo.html#20071203
福田首相と民主党の小沢代表の党首会談で「大連立」が話し合われ、小沢代表の辞意表明から撤回と政界は大混乱、民主党は決定的なダメージを受けた。この一連の動きの仕掛け人は、読売新聞主筆の渡辺恒雄氏だったといわれる。読売新聞を除くほとんどすべてのメディアがそう報じているのだから、間違いあるまい。
報道を総合すると、渡辺氏と中曽根康弘、与謝野馨氏との会食の席で「大連立」の話が出て、渡辺氏が仕掛け人となり、まず小沢氏と会談、次いで福田首相の代理人として森喜朗・元首相と会い、小沢・森会談をセットして、党首会談を実現させたという。
その後のドタバタ劇は省略するとして、この渡辺氏の行動は、どう考えたらいいのか。かねてから政界のフィクサーとして名高い渡辺氏のことだから、「ああ、またか」と思う人が多いかもしれないが、「またか」で済ませていいものかどうか。渡辺氏の行動は、明らかに「あらゆる権力から独立した新聞」をうたう新聞倫理綱領に違反する行為ではないか。
とくに、読売新聞の記者に問いたい。主筆といえば、新聞記者の代表であり、新聞社の「筆政を司る」人である。読売新聞の記者なら守るべき新聞倫理綱領や記者行動規範があるはずだ。それに明らかに違反する行為があった場合は、社内でしかるべき調査がおこなわれ、しかるべき処分がなされるはずである。
それとも読売新聞社では、記者の中でも主筆だけは倫理規範を守らなくともいいという特別の決まりでもあるのだろうか。もし、ないのなら、社内で調査を要求すべきだろう。
さらに、読売新聞の政治部の記者に問いたい。今回の党首会談と「大連立」の仕掛け人が渡辺氏だったという記事が、いくら探しても読売新聞に見当たらないのである。これは「真実を追究する公正な報道により読者の信頼にこたえる」という『読売信条』に反しないのかどうか。
もう一つ、読売新聞の政治部長にもさらに問いたい。読売新聞は11月4日の一面トップで「『大連立』小沢氏が提案」と報じた。それに対して小沢氏が記者会見で「全く事実無根だ」と激しく抗議したのを受け、翌5日の一面で「事実無根などと批判されるいわれは全くない。自ら真実を語れ」という政治部長の論文を掲載したのである。
「大連立」の提案者が小沢氏ではなく渡辺氏だったという事実を全く知らなかったわけでもなかろうに、小沢氏の抗議を激しい言葉で切り返した部長論文をわざわざ載せた「真意」は、どこにあったのか。
新聞協会が2000年6月に定めた「新聞倫理綱領」は、実は、渡辺氏が新聞協会長を務めていた時に制定したものだ。その一節に「新聞は歴史の記録者であり、記者の任務は真実の追究である」とあるが、渡辺氏のやったことは、「歴史の記録者」ではなく「歴史の操作・創作者」だろう。
また「あらゆる勢力からの干渉を排するとともに、利用されないよう自戒しなければならない」とあるが、渡辺氏のやったことは、政府・自民党に利用されたことは明白だ。
渡辺氏は今年の新聞大会で「新聞文化賞」を受賞した。その授賞理由の一つに、この倫理綱領の制定もあったといわれ、渡辺氏も受賞のあいさつでそのことに触れていた。もし、そうだとすれば、自ら制定した倫理綱領に自ら違反した渡辺氏の受賞は、取り消されなくてもいいのかどうか。新聞協会にも、そのことを問いたい。
柴田 鉄治
▲このページのTOPへ HOME > マスコミ・電通批評7掲示板
フォローアップ: