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小沢騒動、2日で翻意「恥をさらすようだが」
2007年11月07日07時07分
自党を「力量不足」とまでけなして辞意を表明してから、わずか2日。同僚議員の必死の慰留を受けた小沢一郎・民主党代表が、「恥をさらすようだが」と言いながら翻意した。「壊し屋」といわれた政治手法は変わったのか。参院選を勝利に導いたパワーはなお維持できるのか。「剛腕政治家」の迷走が続く。
「小沢さんはみんなで頼むともろいところがある。新進党の党首就任の時もそうだった」。そう話すのは、細川元首相の秘書官を務め、小沢氏と共に政権を支えた成田憲彦・駿河台大学長だ。
もっとも成田氏は「小沢氏は戦略を変えた」ともみる。「『壊し屋』というのは時間的余裕があるときの話。政権交代可能な政治を作るという最後の目標のため、壊し屋にならない手法を選択したのでは」と指摘する。
小沢氏側近だった平野貞夫・元参院議員も「辞意を撤回しなかったら、今までの『頑固な小沢』だ。だが、恥をかき、批判を覚悟して代表にとどまる選択をした」。
一方、漫画家の倉田真由美さんは、一連の行動は党内への当てつけの色彩が濃いとみる。「関心が国民の方を向いていない表れだ。国民はお家騒動を見せられてうんざりと思うかも」と批判。「党内では、辞めて欲しいが当面は辞めて欲しくない、と思っている人は少なくないだろう。代表に対し、一層はれものに触るような対応になるのでは」と話した。
元・自民党幹事長室部長で、幹事長時代の小沢氏に仕えた奥島貞雄氏も「小沢氏は『自分以外に代表をできる人間はいない』という計算と、言うことをきかない人間は許せないという傲慢(ごうまん)さがないまぜになり、辞意を表明した。情けない民主党は小沢氏の計算通り必死に慰留し、彼のプライドも一定程度修復されたのだろう」と読み解く。
「大連立の話に乗ったところで、小沢氏の政治生命は終わった」と話すのは、山口二郎・北大教授(現代政治)。ここ数日の小沢氏は「ひ弱な印象で、自信がないように見えた」と言い、かつての「剛腕」ぶりからの様変わりに驚く。「民主党は、小沢代表を首相候補として政権を目指すと言っても、もう前向きな雰囲気やエネルギーは出てこないのでは。早く次のリーダーを決めて立て直しを図るべきだ」
一方、民主党内などには安堵(あんど)感も広がる。無所属ながら衆院の民主党会派に所属する田中真紀子議員は連立構想には反対だが、「小沢さんでなければ、次の総選挙で勝てない」と言う。こわもてで口べたの小沢氏を「昔の日本のお父さん」と評してきた田中氏。「党の支持者にはきちんと説明しないといけない」と苦言を呈した。
民主党の鳩山由紀夫幹事長は03年の自由党との「民由合併」の直前、同党首だった小沢氏から打ち明けられた。「『政策を実現させてやるから』という約束を信じて自民党との連立政権に加わったが、だまされた」
しかし、小沢氏は再び「連立」にかじを切ろうとし、またつまずいた。
「代表本人の口から、すべての経緯を話して頂きたい」。鳩山氏も6日夜、注文をつけた。
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