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【政論探求】あえて小沢代表を擁護する
11月6日8時0分配信 産経新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071106-00000065-san-pol
民主党代表の辞任表明は小沢一郎氏の政治スタイルの集大成であり、その真骨頂といえるものだ。長い間、小沢氏の政治行動を見てきたが、直感的にそう思った。「壊し屋」とか「自爆」などといった俗論は当たらない。
福田康夫首相との党首会談で大連立を打診され、これを党の役員会にはかったら全面拒否された。これは不信任と同じだから、誠意を示してくれた福田首相へのけじめをつける意味からも辞任する…。
この辞任理由は完璧(かんぺき)にスジが通っている。中日の落合監督は完全試合目前の山井を降ろして、最終回を守護神・岩瀬に託したが、これをコーチ陣から非難されたようなものだ。野球も政党も指導者論の観点から見ると、共通する側面がある。
小沢氏の記者会見を聞いていて、「やはり…」と得心できたのは、民主党は力量不足で政権担当能力に疑念が持たれ、次期衆院選もきわめて厳しい情勢にある、という現状認識だ。
民主党内には参院選圧勝の勢いで衆院選も勝ち抜き、一気に政権奪取を、という声が満ちているが、そんな容易なものではないと冷や水を浴びせたのである。党内にはぎくっとした向きも多かったのではないか。
現に、衆院選では自民党は現職を50人落としても過半数を維持できるが、民主党は倍増させても過半数に届かない。参院選は、年金、政治とカネ、閣僚失言などの「敵失」による勝利だった。その厳粛な事実を党内では直視できないままだ。
「衆参ねじれ」によって国民に約束した政策が実現できない、であるならば実現できる体制をつくろう、政策を実現するのが政治だ…これもスジが通っている。国会を大混乱に陥れて福田政権を追い込みバンザイさせる戦略を取るのかと思っていたが、この大転換には脱帽せざるを得ない。
この局面で大連立に参画することと政権交代可能な2大政党時代をつくる目標は矛盾しない、という指摘も小沢氏ならではだ。大連立でまず政権担当能力を示し、その上で2大政党時代を目指した決戦に臨む。この目線の違いを民主党の幹部陣は理解できなかったのであろう。
傍目には「異次元」的に映るところが、小沢氏の政治手法であり、われわれはそれを何度も見せられてきたはずだ。
参院選後、日本政治は新しいステージ、「衆参ねじれ」という未知の領域に移行したのである。ねじれ解消にはいったん大連立をという発想。それも自衛隊の海外派遣をめぐる政策転換を軸にするというのだから、なるほど、これはダイナミズムを秘めている。(客員編集委員花岡信昭)
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