★阿修羅♪ > マスコミ・電通批評6 > 302.html ★阿修羅♪ |
Tweet |
□新東京タワー [池田信夫 blog]
・新東京タワー―地デジとボクらと、ドキドキ電磁波 (単行本)
網代 太郎 (著)
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4846107116%3ftag=asyuracom-22
http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/eacdc6a464ae250595bf1ba8320f5e7a
新東京タワー
2007-08-16 / Books
東京タワーに代わる「新東京タワー」が来年着工され、2011年までに完成する予定だ。著者は、新タワーの予定地から1kmほどのところに住む人で、以前から何度も相談を受けた。彼の最大の心配は、強い電波を毎日あびることによって、健康被害が出るのではないかということだった。
電波の健康被害については、携帯電話についてかなり詳細な調査が行なわれており、問題はないという結果が出ているが、東京タワーから出る電波の強さは、それとは桁違いである。現在の50kWという出力は、展望台の電子機器はすべて使い物にならないぐらいの強烈な電波で、近所の住人にも頭痛や手足のしびれを訴える人がいる。特に懸念されるのは遺伝子への影響だが、今のところ「不明」という結論しか出ていない。
さらに根本的な問題は、新タワーが必要なのか、ということだ。今でも地デジは東京タワーから放送されており、特に不都合はない。「新タワーは高いので遠くまで電波が飛ばせ、エリアが広がる」というのも嘘である。関東で電波の飛ばせるエリアは決まっており、それ以上に飛ばすことはできない。難視聴世帯にはケーブルテレビなどで送信しており、そのカバー率はほぼ100%である。これ以上カバー率を上げることはできない。
要するに、新タワーの目的はワンセグの視聴範囲を広げるためなのだ。ワンセグのアンテナ(携帯電話)は地上近くにあるため、タワーが高いほうが受信しやすくなる。しかし、ワンセグはテレビ局の収入源にならない。NHKは受信料を取れないし、視聴率も出ないからだ。番組もサイマル放送だが、総務省は、来年からは別内容の放送を認める方針だという。これはなし崩しに既存テレビ局にもう1波与える不公正な電波割当だ。
しかも実は、新タワーの建設は、まだ正式に決まっていない。肝心のテレビ局が新タワーに移るかどうか「検討中」だからだ。500億円の経費をかけてタワーを建てるのは東武鉄道で、テレビ局はそれを借りるだけだ。店子が建設の決定権をもっているのも奇妙な状況だが、事務局のフジテレビがほとんど単独で交渉を進めている状態で、テレビ東京の菅谷社長は「今の東京タワーを高くするほうが現実的だ」と発言している。
タワーの位置を変えると、中継局やケーブルテレビの共聴アンテナもすべて変更しなければならない。その総工費は、タワーの建設費より高いという。この期に及んでもテレビ局が意思決定をしないのも、予想以上に経費がふくらむことが判明したからだ。
つきつめると、著者もいうように「そもそも地デジって必要なのか」という問いにたどりつく。通信衛星を使えば200億円でできる放送を1兆円以上かけて進め、貴重なUHF帯を300MHzも浪費して行なわれる地デジって、いったいだれのためのプロジェクトなのか。停波するなら、地デジを止めてUHF帯を無線インターネットに開放したほうがいいのではないか。
▲このページのTOPへ HOME > マスコミ・電通批評6掲示板
フォローアップ: