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□NHKの大誤報:参院選「現・前・新」の使い分け [JANJAN]
http://www.janjan.jp/media/0707/0707290067/1.php
NHKの大誤報:参院選「現・前・新」の使い分け 2007/07/30
参院選挙開票速報一色だった29日夜のテレビで、「みなさまのNHK」がとんでもない大誤報を犯した。「前職」の候補者を「現職」と報道し続けたのである。マスメディアの選挙報道では前代未聞の大失態。信じられない初歩的ミスを犯したNHKはアマチュア以下の報道機関といわざるをえない。
「前議員」を「現」と報道
今回の参院選挙に立候補した改選議員(01年当選組)は84人いた。参議院議員の任期は憲法46条で「6年」と決められていて、今回、改選対象だった議員の任期は7月28日で満了した。このことは全マスコミが報じていたし、確認はしていないが当然、NHKも報道したはずだ。29日時点では現職参議院議員は非改選議員の121人しかいない。
つまり今回の参院選挙に立候補した改選議員は28日までは「現職」だったが、投開票日の29日零時からは憲法の規定で「前」になる。その瞬間、それまで「前」と報道してきた落選・再立候補者12人は「元」となるのだ。私はそのことを29日付の「今日のマスコミ」で【改選議員は28日に任期満了を迎えたため、これまでの「現職」表記は「前議員」と変わる(各紙)】と書いておいた。 ところがNHKが午後8時から放送した「参院選2007開票速報」は、「前」をすべて「現」と報じたのである。念のため民放キー局の「選挙特番」をチェックしてみたが、前職を「現」と報じるような誤報局は皆無だ。「現・前・新」の使い分けは「政治記事のイロハのイ」だから当たり前の話だろう。しかし、NHKはいつまでたっても「現」と報じていた。
「選挙本部の考えがあってのことと思う」とNHK
午後8時半過ぎ、思い余ってNHKに電話をした。「選挙速報本部の方をお願いします」と言うと1分ほど待たされた。電話に出た男性(名前は名乗らない)に「きのうで任期満了しているので立候補している現職の参院議員はいない。“現”は間違いで“前”です。すぐに訂正して、正確に報道してください」と伝えた。
電話に出たNHKの男性は、「ああそうですか。分かりました。選挙本部の考えがあってのことだと思いますが、そういう意見があったことは選挙本部に伝えます」と答えた。この答えにむかついた。「何が分かったのですか」「そんな基本的なことも知らないのですか」「現職の改選議員なんていませんよ」「意見じゃなくて間違いだということが分からないのですか」と言ったが電話の向こうはまったく分かっていないようだった。
その後もNHKテレビもラジオも「○○現、当選確実」と報じ、テロップも「現」と出る。経歴詐称は議員辞職にもつながることだ。報道する側は最新の注意を払う。こんな根本的な不正確報道を、選挙本部のスタッフ、政治部、報道局幹部の誰も気がつかないのだろうか。気がついても途中で変更する技術・システムがないのだろうか。深夜まで「前」を「現」と報じ続けたた公共放送はあまりにオソマツだ。いつ訂正放送をするつもりなのか、NHK会長に聞いてみたい。
こんな虚偽報道に受信料を払えるか
投開票日が予定通り7月22日だったら何も問題はなかった。22日投開票ならば改選議員は任期中だから「現」でよかった。安倍首相が強引に通常国会を延長し投開票日が29日になったため「22日投開票」を前提に用意したシステムのボロが出た。その意味ではNHKは安倍首相を恨んだ方がいい。
それにしてもひどすぎる。公共放送だろうがなんだろうが、こんな基本的なことができないのでは報道機関としては完全に失格だ。NHKの犬猿の仲である朝日新聞も29日朝刊で【任期満了に伴い、候補者の新旧別について現職を前職に、前職を元職にし、略歴の一部を変更します】との「おことわり」を出している。
おそらくコンピュータのデータ「一括変換」機能を使って「現」を「前」に、「前」を「現」に直したのだろう。こんな簡単なことがどうしてNHKにはできないのだろう。候補者の経歴すら正確に報道できないNHK、虚偽報道を続けたNHKに誰が受信料を払うだろう。
※筆者注:『読売』30日朝刊1面左下で、「立候補した参院議員については、28日で任期が切れましたが、現職と表記します」との「おことわり」を入れた。NHKの放送では、そうしたおことわりもなかった。
(松尾信之)
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