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ネット=時間泥棒説
2007-7-27 7:11:00 by atutake
視聴理由のナンバーワンはひまつぶしで全体の56%。動画共有サイトについてのアンケート結果である。YouTubeに代表されるこの手のサイトを利用した経験のある人は回答者の6割に上り、男性の34%は毎週視聴しているという。
アクセスする理由は何か。一位が「ひまつぶし」、続いて「様々な動画を検索できて面白い」「過去のテレビ番組や映画などの秘蔵映像を見られる」がいずれも40%台で続いた。
ネットは知らず知らずのうちに人の時間を奪っているのではないか。
正確を期すなら、ネットが主体的に奪っているのではない。自分が勝手にネットによって奪われているに過ぎない。だからネットは時間泥棒というよりも、むしろ強力な誘惑者と考えるべきなのかもしれない。ただ感覚的には、奪われているという思いが強くするようになってきた。
たとえば原稿を書くときは、基本的にGoogleを開いている。何かあったらすぐに調べるために。で、一つキーワードを打ち込んで検索をかける。検索結果をいくつか見ていくことになる。そこで思考がワープしがちだ。検索結果を見て、そこからのリンクをたどっていったりした場合は、特にそうなる。
検索するということは、その言葉、事柄に関心を持ったが故にの行動である。当然、それに関連する情報があれば「どれどれ」とリンクをたどっていき、「なるほどなあ」と感心することもあるし、「それは違うやろ」とツッコミを入れることもある。10分、15分ぐらいはあっという間に経っている。
そのプロセス自体がおもしろいことは確かなのだが、当初書いていた原稿仕事に役立っているのかどうかは極めて疑問だ。ここは判断が微妙に分かれるところだから一概には言えないが、少なくとも原稿を進める上では効率が低下しているとはいえないか。逆の視点で考えるなら、その原稿に関連するキーワードについての背景知識を得ることができている可能性もあり、それは最終的には書かれたテキストに何らかの滋味を与える結果につながっているかもしれないけれど。
メールチェックにしても同じである。
仕事用のメール、メルマガ、ジャンクメールなどをある程度フィルタリングはしている。だからメールを見るときは、重要なものから読んでいくようにはしている。メールを見るのは一日四回ぐらいと決めてもいる。が、この場合はメルマガくせ者である。
見出しだけをざっと見て、読む/読まないを決めてはいるのだが、いざ読んでみると、やはりそこからのリンクについつい誘い込まれてしまう。RSSリーダーで配信されるブログ更新情報も同じだ。
もちろんメルマガも、ブログにしても「これは参考になりそう」とか「これは目を通しておく必要があるな」と思ったからこそ登録したものばかりだ。だから、それらを読むことがまったくのムダだとは思わない。少なくとも、自分が関心を持っているテーマについて、なにがしか新しい情報を得られる。これはいずれどこかで役に立つかどうかはともかくとして、おもしろいことには間違いがない。
恐らく問題はこの「おもしろさ」なんだろう。
ネットのおかげで、自分にとって「おもしろい」情報があまりにも多く、しかも手軽に手に入るようになった。だから、ちょっと時間が空いたら、おもしろそうなことがありそうなサイトにすぐアクセスしてしまう。ここでネットの恐いところはリンクである。
自分が関心を持っているテーマについての記事には、たいてい、さらに「何やろな? おもろそうやな」と思わせるリンクが張ってある。あると見てしまうのが人情というものではないか。しかも、そうすることで何らかの料金を支払わなければならないということはない。おまけにブロードバンド常時接続とあれば、アクセスするのも一瞬である。以前のように表示されるまでに時間がかかって、イライラしているうちに「もうええわ」とシャットダウンすることもない。
そうした10分、15分が積み重なって、いったい一日のうちでどれぐらいの時間をボーッと過ごしていることだろう。これもただボヤッと眺めていたり、テキストを流し読みするのではなく、そこからメモでもとるぐらいの覚悟できっちり何かを得てやろうじゃないの、ぐらいの意気込みを持っていれば、もう少し有意義に時間を過ごせるのかもしれないが。
ただ、それならネットを眺めているより、読みたい・読まなければならない本が山ほどあるわけだから、ネットぼや〜ん時間をやめて、それに使っていた時間をまとめて、本をしっかり読んだ方がよほどいいのではないか。特に50を目前に控えた余命短いおじさんとしては。
竹林篤実 / コミュニケ−ション研究所
http://com-lab.com/
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