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(2007-07-21 18:40)
新潟県中越沖地震によって、柏崎刈羽原子力発電所は50カ所を超える被害を受けた。しかし、想定の2.5倍の地震加速度にもかかわらず、運転中の3基、起動中の1基の原子炉は自動停止し、中枢部の安全性は確保された。
格納容器など、主要機器の状態は今後の調査を待たなければならないが、ひとまず、安全が確保されたことは評価されてもよい。想定の2.5倍の揺れに耐えられたのは、安全率をみた設計のおかげであろう。
地震によって亀裂が入った柏崎刈羽原子力発電所周辺の道路=7月18日、ロイター この原発被害に関する報道で目立つのは、建設の事前調査で活断層を見落とし、想定加速度を低く見積もったこと、放射能漏れがあったこと、変圧器火災の消火に手間取ったことなどである。その原因である設計や管理上の問題を問う姿勢も共通していた。
これらを繰返し聞かされれば、原発の安全性に対する不安が増幅されるのは自然なことである。原発反対運動は今後活発になるかもしれない。
もちろん、メディアが指摘するような活断層の調査など、問題点を今後十分に検討し、解決すべきであることは言うまでもない。
だが、これは原発が偶然、地震によって試されたケースである。50カ所以上の被害データと共に、原発としては過去最大の地震加速度680ガルに中枢部が耐え、安全が確保されたということであれば、それは世界の原発に貴重なデータを提供することになるだろう。
中枢部の安全が確保され、重大な事態に至らなかったというポジティブな側面を評価したのは、私の知る限りでは読売と産経の社説、NHKビジネス展望での寺島実郎氏の談話だけである。朝日、毎日の社説は責任追及と改善策への言及が目立ったが、さすがに、廃止せよという無責任な態度はなかった。
このような大きな地震に対して、原発といえども被害をゼロにすることは恐らく不可能だろう。原発のような複雑な装置に完全性を求めることは無理である。最重要なのは重大事故を起こさないことである。そのためには少しずつ改善を重ね、危険をゼロに近づけるだけだろう。
メディアは怖さを強調し、糾弾することを仕事と心得ているような印象があるが、全体を冷静に評価できる見識を持っていただきたいと思う。
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