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http://www.ohmynews.co.jp/news/20070620/12363
岡田 克敏(2007-06-24 11:30)
ウォルフォウィッツ元世銀総裁とブッシュ大統領 元世界銀行総裁ウルフォウィッツ氏は自分の愛人に「情実人事」を行っていたことが発覚し、辞任表明に追い込まれた。愛情あふれる総裁の配慮によって、この愛人が得ていた年収は約19万ドル(約2200万円。この2年間のおよその中央値、1ドル=115円で換算表記する。以下同じ)であり、それはライス国務長官の年収(18万ドル超)を上回るという。これによって図らずもライス長官の年収が世界に知られることになった。
米国の高級公務員の年収は意外に低い。ブッシュ大統領は約40万ドル(約4600万円)、日銀総裁に相当するバーナンキ連邦準備制度理事会(FRB)議長は約18万ドル(約2070万円)だそうだ。
それに対してわが国の場合はどうだろうか。
総理大臣、最高裁長官の年収は4169万円、衆参議長は3678万円、日銀総裁は3578万円、省庁大臣は3044万円、衆参両院の事務総長は2979万円、事務次官は2100万円となっている。(「ムネオ日記」から引用)
日本の総理大臣と米国大統領はあまり差がない。激務と責任の重さからみてそれは高すぎるとは思えない。日銀総裁の年収3578万円は、FRB議長の年収約2070万円の約1.73倍に達する。FRB議長は世界の経済に大きな影響を与える重職であり、日銀総裁の報酬の高さが際立つ。
ライス国務長官(ロイター) 衆参議長と国務長官の仕事を並置するのは適当でないことは承知しているが、ほかに資料がないのであえて比較すると、衆参議長の3678万円は、ライス長官の約1.7倍になる。かつて土井たか子氏が、現在扇千景氏がお勤めになっている議長の仕事がいかに大変なものとしても、それは世界を左右するライス長官の仕事には遠く及ばないのではないだろうか。しかもライス長官は27歳でスタンフォード大学の教授に就任した大変な逸材だと言われている。
首相と最高裁長官、衆参議長の所得に大差がないというのは、仕事の量や責任の重さを考えると合理性があるとは思えない。司法、立法、行政の三権を同格に扱うためと思われるが、いくらなんでも建前や形式を重視しすぎではないだろうか。
余人をもって代え難い優れた能力、仕事の困難さ、責任の重さが十分大きければ、高給に異議を唱えるものはいないだろう。
わが国が公務員天国と言われて久しい。金持ち国家アメリカを上回る高給公務員の待遇はその象徴とも言える。大阪市の交通局職員の高給などが明らかになり、官民の待遇の格差が問題になった。また一方で、わが国政府は約700兆円の巨額の財政赤字を抱えている。これはGDP比では先進国のなかでトップである。いやワーストワンと言った方がよいだろう。
この高給公務員の給与水準からは、政府の国家財政に対する危機感を見出すことはできない。財政赤字解消のための削減を行うなら、せめて米国並みの水準を目標にして、まず巨額の赤字に責任を負うべき上層から手をつけるべきだと思う。上から範を示すという意味もある。
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