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□時評:「人気者」に依存するマスコミ、政治の愚かさ [JANJAN]
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時評:「人気者」に依存するマスコミ、政治の愚かさ 2007/06/13
「はにかみ王子」石川遼がラウンドするときの声を拾いたいと、盗聴マイクを仕掛けるよう依頼する……。あきれるほど破廉恥な行動だが、これをTBSのスタッフがやった。
石川は5月23日、史上最年少優勝(15歳8か月)でツアー優勝を果たした。その後、初めて出場したのが4日から千葉県野田市で行われた「関東アマチュア選手権」。TBSの情報番組「ピンポン!」のスタッフが一緒にラウンドする選手に、盗聴マイクを付けてほしいと電話で依頼。当然断られ、TBSが陳謝した。
TBSの過剰取材はそれだけではない。報道番組「イブニング5」は4日と5日の2回にわたり、無断でコース上空にヘリを飛ばして撮影していた。ゴルフのパットのときは「お静かに」が常識。へりの爆音は、妨害行為にほかならない。
こんな馬鹿げたことをやる背景には、異常なほど強まった石川人気がある。誰かが強めたから、強まるのである。その「誰か」は、現代社会ではおおむねメディアなのである。
メディアは情報を発信することによって商売している。情報の価値が高ければ高いほど、メディアの商売は順調に行く。スポーツなどでは、人気者をつくり出すことが、情報の価値を高めることにつながる。だからこそメディアは人気をあおる。その対象は韓流ドラマでも、アニメでも、お笑いタレントでも何でもいい。人気ものの追っかけばかりやっている主婦こそ、メディアの商売を支える、もっとも愚かな消費者だろう。
「はにかみ王子」の場合、スポーツ紙やテレビが過剰報道を繰り広げただけではない。朝日の天声人語、毎日の余録、読売の編集手帳といった一般紙の朝刊一面コラムが、そろって石川遼をとりあげた。
毎日の夕刊一面コラム「近事片々」は、5月21日、
【わずか一五歳、高校一年生の石川遼君が男子プロゴルフツアーを制覇。あらゆる若年優勝記録を塗り替える。若いけれど、すでに大きい。そして、どこまで大きくなるのか、見当がつかない。】
と書いている。これこそ15歳の少年を英雄に祭り上げる、大人の分別に欠けた愚かな文章の典型だ。
東京6大学で「ハンカチ王子」斎藤佑樹が活躍し、早稲田が優勝する時期とも重なった。メディアによって英雄に祭り上げられた若者の姿が重複していた。こんな時期だからこそTBSが暴走したのだろう。自らつくり出した「人気」に振り回されて、ルール違反にまで突っ走ってしまったのは、愚かの極みだ。
メディア本体以上に、人気に振り回されているのが「政治」ではないか。首相・安倍晋三は優勝の翌5月24日、石川を官邸に招いた。次の25日は埼玉県知事・上田清司が続いた。さらに居住地の埼玉県松伏町長、高校所在地の東京都杉並区長が、ともに石川を表彰した。石川人気にあやかりたいという卑しい根性が透けて見える。
一方民主党は7月参院選比例区で、女子プロゴルファー横峯さくらの父良郎を公認する。「さくらパパ」はテレビにひんぴんと出演しているそうだ。人気を意識するあまり、政治はテレビのバラエティー番組になってしまった観がある。こんな政治には、少なくとも教育を語る資格だけはない。
【寸評】
▼ハイリゲンダム・サミット=安倍晋三が温室効果ガス規制で点数を稼いだ? 京都会議の目標達成が不可能なのに、国際会議での「約束」だけエスカレートさせて、首相の責任は果たせるのだろうか。「グローバル化がすべてを破壊する」と主張するサミット粉砕デモがないのは日本だけ、ということがはっきりしたことは収穫だろう。
▼コムスン騒ぎ=デタラメばかり露呈している厚労省が、この問題だけ「厳しい対応」で点数を稼いでいる。メディアが甘いからだ。コムスンが「金儲け本位」であることなど、分かりきったこと。そういう企業も含めて、介護システムを構築するというのが、厚労省の政策だったはず。それは成り立たないと分かったのが、現状なのだ。「コムスンを叱りつける」だけではすまない。これからの介護システムはどうするのか? がほんとうの課題だ。
(藪螺亭晋介)
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