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http://news.livedoor.com/article/detail/3156984/
【PJ 2007年05月14日】− 先日も強制わいせつ容疑で男性アナウンサーが逮捕されるなど、一連の不祥事とは言っても「どこから、どこまでが一連なのか」さえも判然としなくなってきたNHKのモラルの低下。危機感を強めるNHKの経営陣は綱紀粛正を目指して、近く「内部統制委員会」という名称の組織を発足させる計画であることが明らかになった。
PJがNHKの複数の経営幹部に取材したところによると、「内部統制委員会」はNHKの橋本元一会長をトップに据え、全組織を横断的に監視するもので、法律上の問題から内部規律・職員倫理の問題までを幅広く精査し、組織の綱紀粛正を目指すものだという。報道局などでは、14日にも部局長クラスの幹部職員を緊急召集し、「委員会」の制度趣旨と活動概要の説明が行われる見通しだ。あわせて、説明会では、当面の活動として、NHKの全国の組織の各部局ごとに、その職場が抱えるリスク、具体的には外部の派遣職員やスタッフらとの契約関係やパワハラ・セクハラ問題が起きる可能性などの洗い出しと職場ごとの報告書の提出が指示されるものと見られる。
確かに、NHKの相次ぐ不祥事には「この期に及んで」と言いたくなるぐらい、うんざりさせられる。公共放送として存在する組織であることを考えれば、ほかのマスコミにも増してNHKに強い職業倫理が求められるのは当然であり、一個人の犯罪であっても組織としての社会的な責任が厳しく問われるのも道理である。だが、「内部統制」という古色蒼然とした響きを持つ新組織はいったい何なのか。現代社会において、民主主義を実現する大前提となる「言論の自由」。その「言論の自由」を担う責務(権利ではなく責任である)を負うべき報道機関の内部に「内部統制」を明確に標榜する機関が存在することに、危機感を覚えざるを得ない。
“放送法改正”という立法からの縛り、“放送命令”という行政からの圧力。そして、番組の自主規制や今回の「内部統制」という組織内部からの監理強化。こうした状況下で、良心的な放送ジャーナリストが萎縮することなく自由な取材活動や番組制作を行えるのだろうか。取材に協力してくれたNHKの幹部職員の一人は「まるで戦時体制の時代に逆戻りだな。秘密警察が怖くて、隣組が相互監視するような職場になりつつある」と話している。
誤解を恐れずにいえば、モラルの低下はNHKだけではない。ほかの民放テレビ局も、新聞社も、食品メーカーや家電メーカー、証券会社から生保・損保に至るまで、最近の日本の企業倫理はとてもおかしくなっている。うやむやになっている政治家の事務所費問題を見れば、政界のモラルだって低下している。問題の根本治癒のためには、社会全体のモラルの低下を招いた要因を探る作業こそが必要ではないか。みずから率先して萎縮の道に踏み出そうとしている言論機関NHKには、建設的な問題解決の方向性を感じ取ることができない。まさに、権力介入の口実作りに寄与するワナばかりが目につくのである。【了】
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