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やすきには流れない=与良正男(論説室)
大阪・毎日放送の「ちちんぷいぷい」という生活情報番組にコメント役で時々出ている。平日午後に4時間弱。その名の通り、ゆるい番組だ。
でも、この番組がユニークなのは身近な情報や芸能、スポーツなどに交じって例えば最近では従軍慰安婦問題といった話を延々、あーだ、こーだと出演者が語り合ってしまうことだ。
05年の郵政選挙の時には「刺客だけが焦点ではない」と当時誰も話題にしていなかった格差問題などを連日取り上げた。最近の議員宿舎問題も「豪華・格安」と声高に非難するのでなく、「こんなことで騒いでいるより議員はちゃんと仕事を」という話になった。それでも高い視聴率を維持しているそうだ。
私たちメディアは今、自らやすきに流れていると思う。読者・視聴者のレベルに合わせるといいながら、実は自分のレベルが低いから面倒な話を避けているのではなかろうか。ややこしい話を分かりやすく説明するには一段と深い取材、勉強が必要だからだ。
で、物事の複雑さに目をつぶり、すぐ白か黒か、敵か味方かを決めつける。結果、過激で勇ましい方が勝ちとばかりに、世には攻撃的な言葉があふれる。
長崎市長射殺事件は一義的には闇社会をどうするかの問題だろう。しかし、あまりに短絡的な風潮が広がっていることを、どこか象徴しているように私には思えてならないのだ。
重い空気の中で統一地方選と参院補選が終わった。次は政治決戦となる参院選。何が問われる選挙か。「こんな時こそ新聞」の気概で私も少し踏ん張りたい。
毎日新聞 2007年4月23日 1時44分
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