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http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000056023,20347298,00.htm
icantread01という名で知られるブロガーが、米国時間4月16日にバージニア工科大学で発生した銃乱射事件で犯人に撃たれて負傷したガールフレンドの談話を自身のブログに掲載した。すると、同ブログにicantread01との接触を希望するジャーナリストらの書き込みが殺到した。
icantread01氏が運営するLiveJournalと呼ばれるブログのコメント欄には、CBC Newsworld、NPR、MTV Newsなど、複数の報道機関の記者らが、同氏と直接会って、同氏がガールフレンドのKateさんと話した時の様子について話がしたいという内容の書き込みを行った。icantread01氏によると、Kateさんは腕を撃たれた後、搬送先の病院から同氏に電話をかけてきたという。
ブログエントリーがマスコミの関心を呼んだ今回のケースは、まさにWeb 2.0の持つ力の例証といえる。すなわち、ブロガーやその他の人々が自分の経験を自ら管理するサイトやFlickr、Digg、YouTubeといった他のサイトに掲載することにより、その投稿された記事や映像がニュースの主要な情報源となるだけでなく、ジャーナリストらが、情報を入手し、事件の内容を把握するための手段としてそれらを利用しているのだ。
「ウェブの登場により、基本的に仲介者が排除され、現場にいる一般の人々が、自分の情報を世界中の視聴者に向けて直接発信できるようになった」と語るのは、Online Journalism Reviewの編集者、Robert Niles氏だ。同氏はさらに次のように続けた。「無論、ジャーナリストたちは、それらの情報を徹底的に取材し、実際に情報を発信した目撃者や潜在的な目撃者を探し出してインタビューを行い、より詳細な情報を引き出してニュースの完成度を高めることが可能だ。これにより、ニュース収集プロセス全体の大幅な迅速化が可能になる」
実際、ジャーナリストやブロガー、さらにカメラやビデオカメラを内蔵する携帯電話のユーザーが貴重な生の情報を提供者となるケースが増えている。この事実が真実であることを証明する事例は数多く存在する。例えば、2005年にロンドンで発生した爆弾テロ事件では、最初に発表された最も優れた記事や写真の一部は、たまたま現場に居合わせたカメラ機能付き携帯電話を所有する一般人から提供されたものだった。
しかし、今では、ビデオカメラ内蔵の携帯電話の利用者がこれまで以上に増えているため、情報もこれまで以上に豊富に供給されている。
例えば、CNNはバージニア工科大学での銃乱射事件の発生時に同大学の学生が撮影した映像を放送した。その映像からは、銃声のような音が聞き取れる。
しかし、確かにジャーナリストたちは、カメラやビデオカメラ内蔵携帯電話の所有者やブロガーたちの記事や映像を信じ、それらを読者や視聴者に伝えたいという気持ちになるだろうが、そこには1つの危険が存在する。それは、それらの情報が真実と異なる可能性があるという点だ。
つい3月にも、米大統領候補のJohn Edwards氏が、婦人が癌を患っているとの理由で大統領選から撤退するというニュースがウェブ上で流れ、瞬時にマスコミにも広がったが、結局そのニュースは誤報であることが判明した。
しかしNiles氏は、そのような話はこれまでも常に存在したと語る。
Niles氏は、「報道記者がニュース速報の詳細な内容について、誤って事実と異なる内容を報じるというケースはこれまでも常に存在した」と語り、一例として、1981年に報道機関数社がRonald Reagan元大統領が銃撃された後に心臓切開手術を受けたと報じたが、その報道が誤りだったケースを挙げた。
「現在の状況の良い点は、従来よりもはるかに早く誤りを訂正できることだ。現場に居合わせた人々は、これまでよりもはるかに早く正確な情報を発表できる」(Niles氏)
そのような理由から、Niles氏は、メディアがニュース速報で使用する目撃談の情報源としてウェブを頼ることは、たしかに潜在的な欠点もあるが、良いことだと考えている。
「より多くの情報源から得た情報を基に報道がなされることは、無条件に前向きな動きといえる」(Niles氏)
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