★阿修羅♪ > マスコミ・電通批評5 > 309.html ★阿修羅♪ |
Tweet |
□「動画等著作権の過保護」と日本ITベンチャー企業の不甲斐無さ [FPNニュースコミュニティ]
http://www.future-planning.net/x/modules/news/article.php?storyid=2241
2007-4-13 7:25:00 by borg7of9
2007年4月12日付け日経新聞によれば、YAHOO!JapanがYouTube型動画共有サービスを開始するそうです。
やはりテレビ放送業界などに配慮した「著作権の過保護」が特徴のようです。
同様に「著作権の過剰保護」を掲げる動画共有サービスの日本ITベンチャー企業群を尻目にYouTubeは月に1,000万人を日本から集めています。
日本ITベンチャー企業は動画共有サービスでは、一社もmixi型の成功はしておらず、不甲斐無さが目立っています。
へー!!YAHOO!JapanはYouTube型動画共有サービスをまだ始めていなかったのかと改めて考えた筆者ですが、yahooは今、動画で溢れかえっているため、もうすっかりYouTube型サービスは始まったものと思っていました。
日経によれば「映像の無断使用に神経を尖らせる放送業界に配慮、・・・24時間の監視体制を引く」となっています。
さて著作権問題においても放送法改正と言論の自由の議論においても、広い意味での日本のITベンチャーの世界、更にブログ世界の特徴は、あまり本質論に迫るアプローチを避ける傾向があるんですよね。
● 著作権の過保護の持つ意味
既にYouTubeの利用者数は、一ヶ月に1,000万人を超えています。
▼ CGMの強い誘導力 YouTubeが史上最速で利用者1000万に
http://www.atmarkit.co.jp/news/200703/22/youtube.html
引用
引用:
民間調査会社のネットレイティングスが3月22日に発表した2007年2月のインターネット利用動向調査で、動画共有サービスの「YouTube」の国内家庭からの利用者が1000万人を超えたことが分かった。2005年12月に開設したYouTubeは、わずか14カ月で利用者1000万人を超えたことになり、ネットレイティングスの調査によると史上最速。同社は「記録的な急成長はCGMの誘導力の強さを証明している」としている。
引用終り
2006年初頭に日本でもYouTube型動画共有サービスが大流行を開始して以降、PeeVeeTVの登場から始まって、フジテレビ系のワッチミーTV(http://www.watchme.tv/)ASKビデオ(http://video.ask.jp/index.do)など色々なITベンチャー企業が市場に参入してきました。そう言えばmixiもミクシィビデオを始めてましたよね。
今回はYAHOO!Japanが、サービスに参入した訳ですが、各社さん、放送業界や音楽業界に気を使って「著作権違反に対する24時間の監視体制」をとっています。
筆者はこれを「著作権の過保護」と呼んでいます。もっとも放送業界、音楽業界から見れば、ITベンチャー企業の対応はこれでもまだ「著作権の過小保護」だと言う事かもしれませんが。
結局のところ日本のITベンチャー企業は放送業界、音楽業界などの体制派の怒りを買いたくないと言うのが本音なんでしょう。この日本のITベンチャー企業の萎縮した傾向は、今回のホリエモンさんの事件で加速されたと筆者は見ています。
● YouTubeが何故伸びたのか?
YouTubeが生活者大衆に支持された理由は、インターネット上に登場した新しい傾向「大量のボランティアと広告費のインターネットシフト」に見事に対応したからでした。(広告モデルによる儲けはこれからですが)
ビデオの投稿の際、グーグルビデオは、著作権のチェックが先、公開が後と言うアプローチを取り、YouTubeは投稿動画の公開が先、著作権へのクレーム対処が後と言う規制緩和型の事後チェック・アプローチをとったと言われています。そしてこれが両サービスの明暗を分けました。ほとんどサービス内容が変わらないにも係わらずYouTubeが圧倒的に支持されました。
確かに20世紀型の古い著作権の考え方では「グーグルの対応が正しい」と考えられます。日本の放送業界、音楽業界そしてITベンチャー企業群もこの線に沿った動きをしています。
一方、21世紀のWeb2.0のパラダイムそれを支える「コモンズ」と呼ばれるインターネット上での大衆表現社会(CGM,UGM)においては、「投稿情報は無料」と言うパラダイムを持っています。
著作権保護と言う視点からは公開後のチェックで十分と言う「規制緩和」の発想がここから出てきます。
これまでインターネット上では、既存の古い収益モデルを守ろうとする放送業界、音楽業界などのメーカー側の著作権の過剰防衛意識が強く、特定機器に依存した形でしか音楽などは販売されていませんでした。これには明らかに「著作権過保護」と言う批判が消費者側にありました。
クリエィティブ・コモンズを提唱するレシグ教授に痛烈に批判されたスチーブ・ジョブス氏がItune,Ipodから「DRMソフト」を外せと最近になって言い出し、見事に転向した話は米国でも物議を醸しています。社会を変革する新サービスを提供するのが使命と考えるジョブス氏は、Itune,Ipodでしか再現できないビデオ、楽曲販売のパラダイムに当然、嫌気が差したのでしょう。
YouTubeを支える「コモンズ」の規範からいえばわずか5分程度のクリップの投稿は、著作権違反でもなんでもなく「仲間に面白い音楽やドラマを教えているだけだ!!」と言う生活者からの主張になっています。「私的な消費活動の一環であり、プライベート利用だ」と言う主張ですね。但し運営会社のYouTubeは、著作権所有者が同意しなければ削除すると言うDRM法に従った対応をとっている訳です。(これが良い悪いは別の話ですが)
バイアコムとYouTubeの著作権裁判は、削除のタイミングを巡って争われることになりそうです。
これらの動きは著作権を巡る生活者とメーカー側企業の綱引きであり、どちらがどうのと言う問題でも無い気がします。
しかしこれが新しいパラダイムです。そして次第に米国のものの見方は、新しいパラダイムを前提とした上でのマーケティングのやり方や広告費の分与による新しいビジネスモデル構築に傾いています。
YouTubeはインターネットの第二の波「コモンズ」の規範を取り入れて日本から1,000万人の参加者を獲得しました。一方、グーグルビデオ型の古い対応を取り、体制におもねた日本のITベンチャー企業群は、遥か彼方に置いていかれました。
憲法第9条の戦争放棄条項を見ても判る通り、そもそも著作権を含む法律や法律解釈は、社会環境の変遷によって変わって行きます。これを哲学では社会構築主義と呼びます。
日本のITベンチャー企業群は「著作権過保護」政策を採用し、インターネット上で日本の「コモンズ」を生み出す対応をとらなかった為、1,000万人の健全なネットコミュニティをオフショアITサービス=YouTubeに持っていかれました。
同じことはバブルの華やかだった頃、日本の証券業界で起こりました。国内の厳しい金融規制を嫌がった日本の企業は、欧州のユーロ市場を使ってほとんど金利がゼロの資金調達を盛んに行いました。当時の日本の金利は今では考えられないくらい高いレートでした。投資家も日本企業、証券会社の主幹事も日本企業、資金調達をするのも日本企業であり、市場だけが欧州のユーロ市場でした。これをユーロでは「寿司ボンド」と揶揄(やゆ)していました。(笑)東証を見捨ててユーロ市場に走ったわけですね。(厳密に言うと国内債券市場を見捨てた訳ですが)
よく見ればYouTubeも同じようなオフショア・サービスですよね。
● YouTube、セカンドライフと魅力的なオフショアITサービスに移住しよう!!
YouTubeやセカンドライフのMIXIに無い特徴は、オフショアITサービスの中に「日本人町」を作り上げた点です。特にセカンドライフにおいてはそれが更に鮮明になっています。国内の東京証券取引所に対するオフショアのユーロ市場の誕生みたいなものですよね。
日本のITベンチャー企業が放送業界、音楽業界の古い著作権発想にゴマをすり、何時までも新しいパラダイムを無視するならば、生活者=インターネットで投稿したり社交を行う大衆は、確実にオフショアITサービスに魅惑されて行くでしょう。
日経新聞の報道が正しければYAHOO!Japanまで、著作権の「過保護」陣営に組しました。これで日本の「コモンズ」が出来れば筆者は、「YAHOO!Japanを高く評価する」と皮肉を込めて言っています。
生活者の皆さん、21世紀のインターネット社会革命を本気で担う気の無い日本ITベンチャー企業群なんかほっといて、YouTube、セカンドライフと魅力的なサービスが続々出てくるオフショアITサービスに移住しよう!!
それにしてもオフショアITサービスと言う強い競争相手が現れました。これで日本の日本ITベンチャー企業群もぴりっとしてくれることを期待します。
当然、反論期待です!!
▲このページのTOPへ HOME > マスコミ・電通批評5掲示板
フォローアップ: