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【ナノテクノロジーの危険性】ナノチューブ:投与マウスにがん…厚労省が予防策
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http://mainichi.jp/select/science/news/20080307k0000m040167000c.html
ナノチューブ:投与マウスにがん…厚労省が予防策
(毎日新聞 2008年3月7日 2時30分)
電気製品などへの応用が期待される筒状の炭素ナノ材料「カーボンナノチューブ」を投与したマウスに中皮腫ができたことを、国立医薬品食品衛生研究所などが確認した。厚生労働省はナノ材料の安全対策や製造現場での予防策について報告書をまとめる方針。
カーボンナノチューブは、発がん物質のアスベストと形状が似ていると指摘されている。ただ、アスベストをマウスに吸入させる実験では中皮腫が発生しにくいため、研究チームは腹腔(ふくくう)内に注射する方法を採用した。
発がん性をより早く調べるため、がん抑制遺伝子「p53」を欠失させたマウス(生後9〜11週)を4群に分け、粒径が平均約100ナノメートル(ナノは10億分の1)で長さの異なるカーボンナノチューブ、アスベスト(青石綿)、炭素ナノ材料で球形の「フラーレン」、何も含まない溶液を注射。カーボンナノチューブについては、長さが5マイクロメートル以上のものの影響を観察した。
カーボンナノチューブ群では、84日目に初めて腹腔内に中皮腫が見つかり、その後の180日間で16匹中14匹にできた。青石綿でも18匹中14匹で見つかったが、フラーレンと溶液の群では腫瘍(しゅよう)は見られなかった。
腫瘍の近くにはカーボンナノチューブや青石綿が沈着。研究チームはカーボンナノチューブの細長い形状やマウス体内での分解しにくさなどが影響したと分析した。東京都健康安全研究センターも正常ラットで実験し、同様の結果を得た。
同研究所の菅野純・毒性部長(毒性学・病理学)は「今後の製品開発では、労働者が工場内で吸い込むことなどがないよう、大量生産前の現在の段階から予防策をとることが重要だ」と指摘する。
▽津田洋幸・名古屋市立大教授(発がん毒性)の話 腹腔内投与という現実に起こりえない方法で評価した。そのまま人に当てはめることはできないため、製造過程でどの程度吸入する可能性があるのかを調べて、人へのリスクを評価する必要がある。【下桐実雅子】
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