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最近、大変詳しい友人(歯科医)に聞いた話をもとに調べてみました。ただし、医療という責任がある仕事をしている点、現在の法律はLNT仮説を採用していますのでくれぐれも、勝手な判断はやめておいて下さいとのことでした。
今、世界各国の放射線防護に関する法律の元になっているのが、ICRP勧告(1990)です。この勧告はLNT仮説に基づいています。しかし、診断領域のX線被曝は線量が低すぎるために、発癌の増加に対する実測ができないために議論の対象になっています。放射線ホルミシス仮説側につくか、LNT仮説側につくかで、診断領域の放射線被曝に関する評価が180度変わります。
LNT仮説に基づくと、実効線量1Svあたり4x10(ー2)の確率で致死癌の増加が見込まれます。ですから、測定された実効線量にこの係数を掛けると致死癌の増加が計算できます。100mSvx4x10(-2)=4x10(-3)となり、千人当たり4人の致死癌の発生増加が見込まれます。10mSvだと1万人当たり4人、1mSvだと10万人当たり4人、0.1mSvだと100万人当たり4人、0.01mSvだと1000万人当たり4人となります。 一般にリスクは以下のように評価されます。
1/1000 以下:LOW RISK
1/10000 以下:VERY LOW RISK
1/100000以下:MINIMAL RISK
1/1000000以下:NEGLIGIBLE RISK です。
実効線量が25mSv以上はLowRiskとはいえません。ただ、これが正しいかどうかは、発癌は何年も先のはなしで、因果関係は分りませんからきちっと検証できないのです。この説に基づくと今問題となっているCT被曝はやはり大きな問題で有ることになります。
一方、この予測値が現実問題と合わないことが、統計で多々現れており、低線量被曝はLNT仮説が成り立たない領域ではないかと言われだしました。そういった人たちは、放射線は少し浴びたほうが健康によい(近藤宗平:大阪大学名誉教授)といったことを主張しています。
http://www.hoku-iryo-u.ac.jp/~wajima/sub030117kondo.htm
http://www.hoku-iryo-u.ac.jp/~wajima/sub030202kondo.htm
人は放射線になぜ弱いかÅ@ãflì°è@ïΩÅiçuíké–ÉuÉãÅ[ÉoÉbÉNÉXÅj
h t t p : / / w w w . a m a z o n . c o . j p /N∫0oe>\ }⁄0k0j0\_10D0K \ 0W0ne>\ }⁄0o_√ëMq!u( -0÷0Î0¸0–0√0Ø0π -è―Ö‰ -[ó^s / d p / 4 0 6 2 5 7 2 3 8 9 / r e f = p d _ b b s _ s r _ 1 ? i e = U T F 8 & s = b o o k s & q i d = 1 2 0 4 5 2 8 9 4 1 & s r = 8 - 1
これを放射線ホルミシス仮説といいます。
この仮説では、おそらくですが、10-100mSv位の被曝は、放射線のホルモン効果が現れるちょうど良い被曝になると考えられています。
http://criepi.denken.or.jp/jp/pub/news/pdf/den401.pdf
この両仮説に立つ科学者がいることをうけ、ICRP委員長クラーク氏が1999年にいわゆるクラーク論文を出しました。その中では、自然放射線の値を一つの基準値として採用しようとしました。
http://wwwsoc.nii.ac.jp/jarap/clk-3.html
しかし忘れてはならないのは、ICRP勧告は”行政上の目的で、放射線被ばくによる被害の大きさを見積もるための公式”で、決して真理に基づくものでは無いことです。
表1. 個人の年間実効線量に関する線量バンド
線量バンド 説明 線量レベル
-------------------------------------------------------
バンド6 厳しい(SERIOUS) > 100 × ノーマル
バンド5 高い(HIGH) > 10 × ノーマル
バンド4 ノーマル(NORMAL) 1 - 10mSv (典型的
自然バックグラウンド)
バンド3 低い(LOW) > 0.1 × ノーマル
バンド2 とるにたらぬ(TRIVIAL) > 0.01 × ノーマル
バンド1 無視される(NEGLIGIBLE) > 0.001 × ノーマル
表2 選択可能線源と不可避線源に対する典型的防護対策
線量バンド 被ばくの 選択可能線源 不可避線源
タイプ に対して に対して
----------------------------------------------------------------------
公衆 線源の除去、大幅削減 移住、一時避難
バンド6 医療 正当性確認(治療は別) 結果評価、必要なら治療
職業人 線源の除去、大幅削減 結果評価、必要なら治療
公衆 線源の削減 屋内退避、ヨウ素投与
バンド5 医療(診断) 診断方法の再考 意味合いを評価
職業人 線量低減 線量低減
公衆 線量低減 線量低減
バンド4 医療(診断) 診断方法の再考 対策不要
(ノーマル) 職業人 作業手段の再考 対策不要
公衆 線量低減
バンド3 医療(診断) 対策不要
職業人 対策不要
対策不要
公衆 対策不要
バンド2 医療(診断) 対策不要
職業人 対策不要
バンド1 共通 ICRP防護体系から除外 ICRP防護体系から除外
この案では、多くのCT被曝はバンド5から4に入ると思います。つまり、 診断方法の再考 になると思います。
胸部レントゲンは0.02-0.04mSvでバンド2で対策不要、
歯科の口内法は0.01mSv以下なのでバンド1となり、 歯科にとっては嬉しいことにICRP防護体系から除外となり、防護する必要がなくなります。
最近増えてきた歯科インプラントのCTは、メディカル用のCTの線量を特別に減らしたものはバンド3、小照射に照射野を絞った歯科用CTはバンド2になります。どちらも、対策不要ですが、歯科という特殊性を考えると、バンド2の方を選択すべきで、出来れば命のやり取りを考えずにすむバンド1の装置の開発が待たれます。
ちなみに、日本から、欧米にジェット機で海外旅行すると、宇宙線により胸部レントゲン相当の被曝を受けます。バンド2なので、乗客(公衆)、パイロット(職業人)は対策不要になります。また、統計では、パイロットや、客室乗務員に発癌リスクに関してははやはり両者からでデータがでています。
http://homepage3.nifty.com/anshin-kagaku/sub040908esikondo.htm
http://www.microbes.jp/aimai/kurashi/fl369.htm
結局、この案は両方の科学者の意見をまとめようとしたのですが、両者に不満を残すこととなり、ICRP勧告2005となる筈が、遅れに遅れてICRP勧告2007としてまとめられました。
http://www.bio-function.co.jp/ICRP.html
ICRP勧告について
国際放射線防護委員会(ICRP)は10から10数年に一度のペースで、ICRP勧告を発表する。この勧告は放射線防護基準を提案するもので強制力はないが、各国はこの勧告に従ってそれぞれの国内の防護基準を決めている。結果として、この勧告は国際的な放射線防護の標準となる。
内容は一言でいうと、”行政上の目的で、放射線被ばくによる被害の大きさを見積もるための公式”である。
前回の勧告は1990年に発表され、今回17年ぶりに改定される。ICRPはこの勧告の準備に約9年かけ、去る3月21日にようやく完成した。この改定の主な目的は、10数年の間に蓄積された新たな科学的事実を反映させるためである。 実質的な発表は、ICRP年報 (Annals of the ICRP) として発表されるが、広く意見を求めるために2004年から草稿が発表されており、基本的にはそれらが最終的な勧告内容となる。
ここでは、健康リスクに関する草稿部分を解説する。これは勧告付録Aとして発表され、勧告の内容の根拠を詳説したものであり、放射線の生体影響に関する基本的な内容とICRPの姿勢が記載されている。
2007年勧告 健康リスクに関する内容の要約
付録A ”健康リスク” 要約 (184行目?251行目)
以下の要約は、100ミリシーベルト以下の被ばく(1回の被ばく、あるいは年間被ばくにかかわらず)による健康リスクについてである。
・ がんと遺伝病に関しては、線量に比例してリスクが増加すると考えるのが科学的にもっともらしいと考えられるが、これには不確かさがあることも認めている。
・ 線量線量率効果係数(DDREF)は、これまで通り2とする。低線量でのがんのしきい値の可能性は、このDDREFが、どれくらいかは分からないが、大きくなると考えればいい。
・ 陽子と中性子の荷重係数(radiation weighting factor)に変更がある。
・ 組織荷重係数(tissue weighting factor)に変更がある。乳がん(0.05から0.12へ)生殖腺(0.2から0.08へ)その他の組織(0.05から0.12へ)などである。
・ リスク係数は、全集団では5.5x10-2 / Sv、成人労働者4.1x10-2 / Svとする。(ICRP60では、それぞれ、6.0x10-2 / Svと4.8x10-2 / Sv)
・ 胎内被ばくによるがんリスクは、幼児被ばくの場合と同じと考える。
・ 遺伝子の不安定性、バイスタンダー効果、適応応答は、リスク評価において考慮できるほど十分に解明されていない。(したがって、今回の勧告では考慮していない。)
・ 遺伝的に放射線によるがんが誘発されやすいケースはまれなので、この勧告で提案しているリスク評価には影響しないと考える。
・ 放射線による組織の反応(tissue reactions=確定的影響)にはしきい値がある。白内障に関しては、検討が必要である。
・ 胎児被ばくによる奇形と神経学的な作用(精神発達の遅滞など)に関しては、約100ミリシーベルトを超えたあたりにしきい値があると考える。被ばくによるIQの低下は明らかではないが、低線量域では、実質的には問題にならないと考える。
・ がん以外の病気に関しては、低線量では不明なので、評価できない。
他にも多くの基本概念の変更点が有るのですが、日本でICRP勧告1990が採用されたのが2000年だったと思いますので、おそらく5年以上はこのままではないでしょうか。
ICRP勧告2007の入手先(有料)
http://www.irpa.net/index.php?option=com_content&task=view&id=320&Itemid=49
以下参考
放射線ホルミシス
「ホルミシス」という言葉は、「ホルモン」と同一語源のギリシャ語「hormo」に由来する。すなわち、「刺激」という意味であり、放射線による刺激作用が「Radiation hormesis(放射線ホルミシス)」と呼ばれる。したがって、「ホルミシス」という現象は放射線のみが有する生体(物)影響ではないが、本稿では放射線によるものについて述べることにする。
周知の通り、高線量の放射線は種々の急逝障害をもたらすことから、低線量域での放射線による種々の現象が「放射線ホルミシス」と呼ばれている。通常、低線量とは0.2Gy未満の線量と考えられるが、実験レベルでは0.01?0.5Gyの線量域で動物あるいは細胞で種々のホルミシス現象が報告されている。これまで「放射線ホルミシス」として報告されている具体的な現象としては、中国広東省の高自然放射線地域の調査での、「対象地区より発がん率が低い」という報告1)、またわが国の三朝ラジウム温泉地区の人に対する疫学的調査では「胃がんや肺がんなどある種のがんの発生率が対象地区と比較して有意に低い」ことが報告されている2)。さらに、動物実験モデルで低線量放射線の前照射による、高線量照射に対する抵抗性の発現、免疫の賦活化、ストレス蛋白の発現、転移がんに対する抑制、あるいはIL-1の誘導などがすでに報告されている3-9)。
LNT(しきい値なし直線)仮説
http://criepi.denken.or.jp/jp/ldrc/knowledge/lnt.html
■しきい値無し直線仮説(Linear Non-Threshold : LNT仮説)とは?
放射線の被ばく線量と影響の間には、しきい値がなく直線的な関係が成り立つという考え方を「しきい値無し直線仮説」と呼びます。
■確定的影響と確率的影響
放射線の人体への影響は、「確定的影響」と「確率的影響」の2つに分けけることができます。
このうち、確定的影響には主に高線量被ばく時に見られる障害で、脱毛を含む皮膚の障害や、骨髄障害あるいは白内障などが含まれ、それ以下では障害が起こらない線量、すなわちしきい値のあることが知られています。
一方、発がんを中心とする確率的影響ついては、1個の細胞に生じたDNAの傷が原因となってがんが起こりうるという非常に単純化された考えに基づいて、影響の発生確率は被ばく線量に比例するとされています。しかし、実際には、広島・長崎の原爆被爆者を対象とした膨大なデータをもってしても、100ミリシーベルト程度よりも低い線量では発がんリスクの有意な上昇は認められていません。これよりも低い線量域では、発がんリスクを疫学的に示すことができないということです。
■なぜ「仮説」なのか?
このように確たる情報に乏しい低線量の範囲について、放射線防護の立場からリスクを推定するために導入されたのがLNT仮説です。低線量放射線の影響についてはよくわからないが、影響があると考えておいた方が安全側だという考え方に基づいたもので、科学的に解明されたものではないことから「仮説」と呼ばれています。
■LNT仮説の問題点
各種の線量限度等を勧告している国際放射線防護委員会(ICRP)でも、「この仮説は放射線管理の目的のためにのみ用いるべきであり、すでに起こったわずかな線量の被曝についてのリスクを評価するために用いるのは適切ではない」としています。
それにもかかわらず、微量の被ばくに対してLNT仮説を用いてリスクが評価される場合が後を絶たず(*1)、このような情報を受け取った一般の方々に誤解を与え、放射線に対する恐怖感、不安感を助長する結果になっています。
■低線量放射線研究からわかってきたこと
これまでの当センターを含めた多くの低線量放射線研究から、LNT仮説では説明できない事例が数多く見つかっています(*2)。また、当センターを含めた国内外の研究成果をとりまとめた「線量・線量率マップ」(*3)からは、放射線は一度に被ばくした場合と、少量ずつ時間をかけて被ばくした場合とでは影響が異なることも明らかになっています。このことは、放射線作業従事者が少量の放射線を何度も被ばくするような場合には、LNT仮説から予想されるよりも実際のリスクはずっと小さくなることを示唆しています。
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