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http://medical.nikkeibp.co.jp/inc/mem/pub/blog/makise/200802/505456.html
妊婦が重い心的ストレス、例えば近親者の死亡などを経験すると、胎内の子どもが統合失調症など精神疾患を罹患するリスクが高まることが示唆された。 母親の心的状態が胎児へ影響を与えることは、従来からある程度知られていた。例えば、低体重児や未熟児などのリスク増加である。 統合失調症の原因として、胎児期の脳の早期発達中の構造的・機能的異常が考えられ、妊娠中の環境要因や関連遺伝子が調べられてきた。 英国マンチェスター大学のAli S. Khashanはデンマークでの138万件の出生記録(1973-95年)から、妊娠中の母親に重度の心的ストレスが発生した事例を追跡。妊娠中、特に妊娠第1期(※1〜3カ月)(first trimester)の母体へのストレスと統合失調症発生の関連を示した。
【デザイン】Population-based study 【研究対象】デンマークの1973-95年の出生コホート138万人。母親に心的ストレスがかかった状態は、妊娠前6カ月から妊娠中に、近親者の死亡、または癌・急性心筋梗塞・脳卒中と診断された場合と定義。 生まれた子どもについて、10歳の誕生日から統合失調症の発症をフォローアップ。フォローアップは、死亡、移住を除いて、2005年6月30日までとした。 【メインアウトカム】 統合失調症 【結果】統合失調症および関連疾患のリスクは、妊娠第1期中に発生した近親者の死亡により増加した(補正後相対リスク 1.67、95%信頼区間 1.02-2.73)。 ほかの妊娠期間、妊娠前6カ月での近親者の死亡は統合失調症のリスクに関連しない。 【結論】住民ベース調査では、妊娠第1期での母親への重度のストレスは子どもの統合失調症のリスクを高める。この結果は重度のストレスを受けた一般住民の研究から得られたエビデンスと矛盾せず、胎児・胎盤・母体のインターフェースにおいて脳神経系の発達に環境が影響を与えることが示唆される。
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