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(回答先: がんの2%、CTが原因 医療被ばくで米チーム(東京新聞) 投稿者 そのまんま西 日時 2007 年 12 月 02 日 19:04:57)
---内科開業医のお勉強日記 から転載------------------------
http://intmed.exblog.jp/6502543
CT使用頻度増大と放射線被曝の影響
CTの使用頻度が日本は異常に多いというLancet( 2004 Jan 31;363(9406):345-51.)の報告は日本で一時話題になったが、諸外国もやはりCT使用回数増加が顕著となっているらしい。日本で問題が先行していたこととなる。
単純フィルム写真に比べてCTは放射線量がかなり多く、populationレベルではその増加が著しいという事実がある。だが、日常臨床で感じることは CTやMRIなどの画像診断崇拝というのが患者にも医者たちにもあり、「頭が痛いからCTとってくれ、子供が元気がないからCT・・・」
などという事態も生じ、裁判所でも「CTをとっていたら助かってたであろう」という妄想が一人歩きする事態をまねている。かくして、医者もCTをとらなかったら訴えられ敗訴し・・・という恐怖感とともに・・・CT使用が増大していく・・・
前置きが長かったが、放射線被曝の有害性に関しては数字で説明することが必要であったので以下のNEJMの報告は有益であろう・・・興味ある方は、原文を手に入れてみてくだされ
Computed Tomography ― An Increasing Source of Radiation Exposure
NEJM Vol. 357:2277-2284 Nov. 29, 2007 No. 22
http://content.nejm.org/cgi/content/full/357/22/2277
レントゲン検査からの典型的な臓器放射線量
歯科レントゲン 脳:0.005 (mGy or mSv)
胸部レントゲン(PA) 肺:0.01
胸部レントゲン(側面) 肺 0.15
マンモグラフィー(検診) 胸部 3
成人腹部CT 胃 10
注腸 腸 15
乳幼児腹部CT 20
http://pds.exblog.jp/pds/1/200711/29/42/a0007242_1416159.jpg
子供は若年ほど癌になる時間を有するため(固形癌のlatency period)、細胞分裂の比率が高く放射線感受性が元来高いので、年齢が増加するとともに癌リスクが減少する。
National Academy of Science(2005)からリスク推定したもの
ref. Health risks from exposure to low levels of ionizing radiation ― BEIR VII. Washington, DC: National Academies Press, 2005.
CTスキャンと癌リスクに関連する大規模奈疫学研究は存在しないが、一つの研究( Nature. 2004 Sep 23;431(7007):391 http://www.ncbi.nlm.nih.gov/sites/entrez?cmd=retrieve&db=pubmed&list_uids=15385978&dopt=AbstractPlus )が始まったばかりである。数年結果が出ないが、CTスキャンの放射線による癌リスク推定は可能(AJR 2001; 176:289-296 http://www.ajronline.org/cgi/content/abstract/176/2/289?ijkey=98b174de5b06e076293cbddf8652dbd8eb0a3429&keytype2=tf_ipsecsha )である。それは臓器への用量と核爆弾生存者の研究からの癌発生データ、死亡率データから推測するものである。
単回の一般的なCT(頭部・腹部)推定リスク
http://pds.exblog.jp/pds/1/200711/29/42/a0007242_14325163.jpg
上図の個別リスク推定は小さいが、CTのリスクはその使用回数の急激な増加により公衆衛生的問題となり得るだろう。
都合により図譜画質劣化ご容赦
# by internalmedicine | 2007-11-29 15:08 |
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