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http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20070827i102.htm
肝硬変や肝臓がんなどの原因となるC型肝炎ウイルス(HCV)は、細胞内の中性脂肪を利用して増殖していることを下遠野邦忠・京都大名誉教授(現慶応大教授、分子生物学)らのグループが突き止めた。
ウイルスが、脂肪を増やすよう働きかけていることもわかった。英科学誌「ネイチャー・セル・バイオロジー」電子版に27日掲載された。
C型慢性肝炎患者に脂肪肝が多いことは知られているが、理由は分かっていなかった。グループは、ヒトの肝臓細胞を培養し、HCVに感染させた。観察の結果、ウイルスの「コア」と呼ばれるたんぱく質の働きで、細胞内の中性脂肪が増えることが分かった。さらに、中性脂肪の塊の膜の部分で新たなウイルスが作られることも分かった。
HCV国内の感染者は約200万人。慢性肝炎になると、患者の一部は20〜30年で肝硬変や肝がんに移行する。肝がんによる年間の死者数約3万人のうち、75%近くがHCVに感染している。
治療には、ウイルスを駆除するインターフェロンやリバビリンを併用するのが主流だが、長期間の治療が必要で、発熱や脱毛などの副作用があり、患者の半数程度にしか効かないとされる。下遠野名誉教授は「HCVの中性脂肪への付着をブロックできれば、これまで薬が効かなかった患者も治療できるかもしれない」と話している。
(2007年8月27日11時9分 読売新聞)
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