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人民元の先行きを見る際のポイントとは(KlugView)
2008/01/29(火)20:10
1月28日、中国人民銀行は、人民元取引基準値を1ドル=7.1996元と発表しました。2005年7月の人民元の切り上げ後、人民元が1ドル=7.2元を突破したのは初めてです。4営業日連続で基準値が最高値を更新したこともあり、市場関係者は、中国人民銀行が元高に誘導しているとの見方を強めています。
これまで中国政府・当局は、人民元の上昇ペースをできるだけ抑制する姿勢を示し続けていました。しかし、ここにきて人民元の上昇が続いたことから、中国政府・当局の姿勢に変化が生じた可能性も考えられます。
姿勢が変わりつつある理由の一つは、収まる気配を見せない物価上昇です。昨年12月の消費者物価指数は、前の年に比べ6.5%の上昇と、昨年8月以来、6%台の高水準で推移しています。今月(1月)についても、原材料や燃料価格が高止まりしているほか、記録的な大雪で野菜の供給が逼迫していることなどから、消費者物価指数の伸びは、過去最高の7%台に達するとの見通しが出ています。
物価上昇に歯止めがかからない理由の1つは、中国政府・当局による人民元レートの安目誘導策です。人民元レートを人為的に安めにするために、中国政府・当局は、人民元を市場に投入する為替介入を実施します。為替介入によって投入された人民元は、中国に流入し、モノやサービスの価格を押し上げます。
では、中国政府・当局は、物価上昇に歯止めをかけるべく、人民元の安目誘導策を放棄する、つまり人民元の上昇ペースを早めるでしょうか。個人的には、中国政府・当局が、高い経済成長を目指す限り、人民元の上昇ペースが、目立つほど高まるもことは期待しにくい気がします。あくまで推測ですが、中国政府・当局は、人民元の安目誘導策が経済成長に貢献すると判断しているように思えます。足元で人民元の取引基準値が最高値を更新したとしても、このまま上昇し続けることを容認するとは思えず、いずれ近いうちに、経済成長の鈍化を恐れて人民元レートの上昇を抑制するように思われます。
我々が人民元レートの先行きを考える際には、人民元の取引基準値の動きではなく、中国政府・当局の経済成長に対する考えた方を確認した方がよいのかもしれません。
村田雅志(むらた・まさし)
●●●●●●●●●●今日のクイズ●●●●●●●●●●
昨年12月の中国の消費者物価指数の伸びはどれくらい?
●●●●●●●●●●クイズの答え●●●●●●●●●●
前の年に比べ6.5%の上昇
http://www.gci-klug.jp/klugview/08/01/29/post_3733.php