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株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu160.htm
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
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不動産市場は世界各国とも弱含み。ロンドンや上海などは投売り状態。
原油の下落も始まり、株、不動産も下げ始め本格的なデフレが始まる。
2008年1月30日 水曜日
◆バルティック 1月30日 松藤民輔の部屋
http://blog.ushinomiya.co.jp/economics/2008/01/post_102.html
11月13日の11039から今年の1月22日までバルティックインデックスは43%下げた。バルティックの下げは市場全体がやはりベアに突入し、景気も大きく下落することを物語っている。これから20年もベアが続けば、地球温暖化も少しは関連するだろうな…。
バルティック指数とは、流通指数で、船価、船賃などを含む。ロンドン海運取引所が算出する外航不定期船の運賃指数であり、景気の先行指標になる。予見することを重要な仕事としている僕は、何かに先行する指標を探している。このバルティック指数は、景気より先行するパターン。43%も数ヶ月で下落したことは、株価の下落と同時に世界の景気が南向き(下向き)になることであろうし、現実的にそうなっていることも予兆。
不動産市場は世界各国とも弱含み。ロンドンや上海などは投売り状態だと聞く。サブプライム債BBBが1年前の95から現在は18。もはや紙切れになったBBBが売買されている事に驚く。このBBBの値動きが正確にこの1年間のNY株の動きを示してきた。
世界の銀行はサブプライムからプライムローンの処理に問題が拡大。景気が後退するなかで原油の下落も始まり、株、不動産も下げ始める本格的なデフレが始まる。金を除いて。
◆ソロスの歴史的発言とアメリカの危機 1月29日 ロシア政治経済ジャーナル
http://archive.mag2.com/0000012950/index.html
▼アメリカの特殊性
アメリカは世界最大の債務国でありながら、どうして存在していられるのでしょうか?普通の貿易赤字国では何が起こるのでしょう?通貨が下がりつづけ、輸入品の値段が高騰、インフレが起こります。例を挙げましょう。
1994年のメキシコ。北米自由貿易協定(NAFTA)が発効したのは、94年1月。結果、アメリカからの輸入が急増し貿易赤字が拡大していきます。貿易赤字になると、赤字国の通貨が安くなる。メキシコ政府は、必死でペソを買い支えました。しかし同年12月、セディジョ大統領は、「これ以上ペソを維持するのは無理だ!」とあきらめます。
そして94年12月20日、ペソを15%切り下げ。これをきっかけに、資本が一斉に逃避し、外貨準備が底をつき、通貨危機に陥ったのです。通貨危機の影響で、メキシコの国内総生産(GDP)成長率は95年、マイナス6.9%。インフレ率は52%。
どうです?普通の国では、一年の貿易赤字でこの結果。ところが、アメリカではこういうことが起こらない。皆さんご存知のことと思いますが、理由は二つあります。
1、ドルが基軸通貨(国際通貨・世界通貨)だから
ドルは世界通貨なので、需要が多い。だからいくら刷っても刷ってもなかなか下がらないのです。どんな需要?
・アメリカと他国の貿易決済通貨として
・他国と他国の貿易決済通貨として
・世界各国の外貨準備として
・世界中の民間人の貯金として 等々。
2、アメリカがドル還流システムをつくったから
貿易赤字でドルがどんどん流出していく。でもそれがリターンすればいいですね。どうやって? 例えば、
・高金利 (ゼロ金利の日本からどんどん金が来る)
・米国債 (日本や中国がどんどん買ってくれる)
・株 (外国人がアメリカ企業の株を買う)
・不動産 (外国人がアメリカの不動産に投資する) 等々。
この二つの要素がきちんとしているかぎり、アメリカは永遠に借金しつづけることができるのです。これを大前研一先生はなんといっているか。
<この種の「債務」がアメリカの害になることはない。アメリカはブラジルとは違う。ブラジルの場合には、国際的に通用する通貨で、対外決済を行なう必要がある。それができないと、どこからかドルを借りてこなければならない。それに対してアメリカは、自国通貨のドルで決済することができる。ブラジルにとって問題なのは、現在同国で起こっているように、自国通貨の価値が下がれば、借りようとするドルが相対的に高くなることである。このような「債務の悪循環」は、国際決済通貨であるドルを国内経済でも使っているアメリカの場合には起こらない>
(「ボーダレスワールド」大前研一248p)
で、クリントンさんは、国家破産寸前のアメリカ経済をどうしたか?
▼ITバブル
一言でいえば、クリントンと側近たちは、ドル還流システムを強化したのです。強化するとはつまり、「アメリカに投資すれば大もうけできますよ!」と宣伝し、自発的にドル買いをさせる。具体的にはITバブルを起こした。
90年代は、欧州・中南米・アジア・ロシアで金融・通貨危機が起こりました。97年にアジアで通貨危機が起こったとき、マハティールさんは「ソロスのせいだ!」と非難しましたが。いずれにしても「やっぱり投資するならアメリカよね」ということになり、株価が急騰します。
ダウは95年の4000ドルから00年には12000ドルまで3倍化(!)。皆さん、5年で300%の投資っておいしくないですか?クリントンさんは史上最強のラッキーガイ。彼は、IT革命と空前の好景気のおかげで、(モニカさんと不適切な関係をしたにもかかわらず)偉大な大統領の仲間入りをしたのです。
▼不動産バブル
これに対し、ブッシュは運が悪いというべきでしょう。00年から01年にかけて、ITバブルがはじけてしまった。で、どうしたか? FRBは01年、なんと11回(!)も利下げをした。その金はどこに回ったかというと、不動産にまわった。不動産価格は以後07年まで上昇をつづけ、アメリカ経済の牽引役になります。
ドル還流という観点から見ると、「ITバブルは弾けましたが、今度は不動産に投資すれば儲かりますよ!」(^▽^) で、今大騒ぎになっている、「サブプライムローン問題」ってなんだ。説明する必要もないと思いますが、サブプライムローンとは、信用の低い(年収300〜400万円)人たちへのローン。
お金のない人たちが、ローンを組んで家を買った。ところが、返済できない人の割合がなんと15%にも達してしまった。このアメリカの問題がどうして、世界中で大騒ぎになったのか。シティーとかメリルリンチ等々の金融機関がサブプライムローンを証券化し、世界中で売りさばいていた。
フィッチとかムーディーズが「トリプルA」の格付けを出すもんだから、世界中の投資家が買い捲っていた。
▼減税・利下げ、そして・・・
ITバブル崩壊時を見ると、ブッシュ政権は、大型減税を実施しました。さらに、FRBは01年11回の利下げをした。公定歩合は1年間で5.75%から1.25%まで下がった。もう一つ見過ごせないことがあります。数字には出てきませんが、01年のアフガン攻撃と03年のイラク攻撃が、アメリカの景気回復に貢献しているということ。
今回はどうでしょうか?
ブッシュは1月18日、個人・法人減税を柱とする対策を発表しました。規模は16兆円程度。しかし、株の下落は止まらなかった。FRBは1月22日、0.75%の利下げを発表。株はその後急騰しました。今後も利下げはつづくことでしょう。
こう見ると、アメリカ政府の対策は、ITバブル崩壊時と同じです。もう一つ、効果の高い公共事業(イラン攻撃)が欲しいところでしょう。
▼とはいえ・・・
ITバブル崩壊、住宅バブル崩壊を世界的観点で見ると、「ドル還流システムがやばくなっている」となります。利下げがつづくことで、ドル離れはますます加速することでしょう。アメリカ政府はIT・住宅バブルの後、(戦争のほかに)何を牽引役に選ぶのでしょうか?
とはいえ、ITバブル崩壊時(00〜01年)と現在では決定的に事情が異なっています。当時、もう一つの柱=ドル基軸通貨体制は磐石だったのです。今はどうでしょうか?
1999年、ユーロ誕生
2000年、フセイン、原油の決済通貨をドルからユーロにする
2001年、9.11とアフガン戦争
2002年、ユーロ現金流通開始
2003年、イラク戦争。アメリカ、イラクの原油決済通貨をユーロからド
ルに戻す
2006年、ロシア、ルーブルでの原油輸出開始
2006年、ユーロの市場流通量がドルを超える
2007年、プーチン、「ルーブルを世界通貨(基軸通貨)の一つにす
る!」と宣言
2007年、イラン、原油の決済通貨をユーロ・円にする
2007年、中東産油大国がつくる湾岸協力会議は、「2010年に共通
通貨をつくる」ことを確認
どうですか?不動産バブル崩壊で、還流システムも心配。ドル基軸通貨体制も、ほとんど崩壊寸前まで来ていることがわかるでしょう。これらの事実を全部理解した後、ソロスさんの発言をもう一度引用しておきます。
<「現在の危機は、ドルを国際通貨とする時代の終えんを意味する。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ワシントン・コンセンサスではなく、新しい保安官が必要だ」と述べた。>
(ジョージ・ソロス ロイター1月24日)
▼なぜ?
なぜソロスさんはこんな爆弾発言をしたのでしょうか?ソロスさんのブッシュ嫌いは有名です。なぜか? ブッシュは、アフガン・イラクを攻撃し、今度をイランを攻撃したい。戦争の時代になると、全世界でナショナリズムが高まる。すると各国は、人の流れ・資金の流れへの規制を強めるのです。
(例、ファンドの規制、マネロン規制、オフショア規制、投資規制等々)
ソロスさんは投資家。投資家というのは、グローバル化が進み、国境がなくなり、世界共通ルールができて欲しい。それが一番儲けやすい環境ですからね。別に、ドルが基軸通貨でなくても儲かればそれでいいのです。
ブッシュ政権は世界を緊張させ、グローバル化と反対の方向にむかわせている。そんなわけでソロスさんはブッシュを非難しているのでしょう。ちなみにグリーンスパンさんやバフェットさんもブッシュに批判的です。
<「現在の危機は、ドルを国際通貨とする時代の終えんを意味する。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ワシントン・コンセンサスではなく、新しい保安官が必要だ」と述べた。>
(ジョージ・ソロス ロイター1月24日)
アメリカはなんでこうなっちゃったのか。もっと細部まで知りたい人は、下の情報をゲットしてください。詳細な資料つきで全部わかります。(おわり)
(私のコメント)
昨日は日本の超低金利政策について書きましたが、アメリカがバブル崩壊で超低金利政策をとった場合どうなるのだろうか? 超低金利政策をとったほうがいいのか? あるいは超低金利政策が出来るのだろうか? 株式市場や不動産市場が持ち直せばいいが、米政府やFRBはバブルを上手く軟着陸できるだろうか?
日本の場合はバブル崩壊に対して、株や土地は直ぐにでも回復して持ち直すと見ていて対策が遅れてしまった。以前なら補正予算を組んで景気対策を打てば景気が回復して株も土地も直ぐに上がったからだ。しかしバブル崩壊は1500兆円もの資産損失を生んで銀行もバブル企業も倒産の危機の瀬戸際まで追い込まれていた。そのことを政府日銀は認識していなかった。
当時の宮沢総理は銀行の不良債権の16兆円程度を公的資金で買い取れば解決すると思っていたようだ。しかし銀行も大蔵省も責任問題化するのを恐れて公的資金で不良債権の買取は行なわれなかった。銀行はバブル企業に追い貸しをして倒産を防ぎましたが4、5年たっても景気は回復しなかった。マスコミも景気対策をするとバブルが再発すると騒ぎ立てた。
結局は2003年ごろまで土地は下がり続けて株も7000円台まで下げてしまった。日銀はゼロ金利で量的な緩和をしても株も土地も回復せず、銀行に公的資金を注入して不良債権を吐き出させてようやく底は打った。要するに不動産バブルは不動産相場が底を打って回復しないと不良政権の額が確定しないから政府の手もなかなか打てないのだ。
アメリカも不動産バブルが崩壊し始めましたが、政府中央銀行の打つ手は限られるだろう。不動産がらみの債券の流通はストップして、住宅も下がり始めて底は見えない。これでは金融機関が不良債権の穴埋めをしても不動産の値下がりが何年も続いて金融機関も体力が尽き果てて倒産するところも出てくるだろう。
松藤民輔氏のブログによれば海運指数も43%も下落して景気の悪化が予想され始めた。アメリカの金融機関もリストラを始めたばかりであり、金融危機はまだ実体経済への影響は限られている。まだ多くのエコノミストが強気の見通しを述べて直ぐに回復すると予想を述べていますが、まだ現状の認識自体が混乱した状況だ。それはまるで日本の時と同じように見える。
株式相場や住宅相場が下落すにしたがって金融不祥事が次々とアメリカでも発覚するのではないかと思う。飛ばしや隠蔽工作をして経営内容をごまかそうとする。デリバティブなどの金融テクノロジーが中を不透明なものとしてしまう。フランスのソシエテジェネラルでは7500億円の不祥事が発覚しましたが、まだまだ氷山の一角だろう。
ロシア経済ジャーナルのメルマガではソロス氏の発言を紹介してドルを国際通貨とする体制の終わりを指摘している。アメリカ人の多くはまだドルが世界の基軸通貨であることを自然の法則であるかのように思っていますが、2002年のユーロの流通開始はドル基軸通貨時代の終わりの始まりだ。
ユーロ経済圏はアメリカ経済圏よりも大きくて流通量や人口などもアメリカを凌駕している。それに対してアメリカは巨大な双子の赤字を抱えて中南米国家のようになりつつある。事実アメリカ南部はスペイン語が幅を利かせはじめている。次期大統領が誰になるのか分かりませんが非常に困難な時に大統領になる。
2000年以前は泣いても笑っても国際通貨はドルしかなかったからアメリカは好き勝手なことが出来ましたが、ユーロの登場で風向きが変わり始めた。やがては基軸通貨の多極化が始まりドルはローカル通貨となるだろう。そうなれば双子の赤字はメキシコやブラジルやアルゼンチンと同じような経済パニックが襲うことになるだろう。
アメリカ人でも目先の効く人はドルからユーロや金などに切り替えている。日本人も今の内にドルを売って他の外国通貨に切り替えておいた方がいいだろう。アメリカの手先のようなエコノミストの発言には注意した方がいい。ソロス氏の方がよほどドルについてクールな見方をしている。ヨーロッパ人はドルを持たず中東産油国やアジアや日本がドルの山を持っているのですが、一斉に売り始めたらどうなるのだろうか?
このように「株式日記」でいくら書いても理解できない人には理解できないようだ。日本はアメリカと命を共にすべきではないし逃げられるうちに逃げた方がいい。90年代にアメリカが日本に対して行なったジャパンバッシングを忘れてはならない。アメリカは中国と手を組んで日本を潰しにかかってきたのだ。アメリカは台湾を見捨てて韓国も見捨てるだろう。中国にアジアの覇権を任せてアメリカはアジアから撤退するだろう。だからこそ日本は今のうちから自立の道を探るべきなのだ。