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埋蔵金の使い方、いわゆる埋もれていた余計な資金
この埋蔵金を単に一時しのぎの借金返しに使うのは愚の骨頂です。
ことデフレの時これを借金返しに使うことは、暗愚のそしりを免れないでしょう。一見賢明な策と思われるかもしれませんが、経済が縮小している時、借金の返済に使っても、肝心のハートランド(産業経済基盤を指し、金融資産や土地などの売買を除いたもの)の成長になんら効果がないため、再び借金が増えていくのを阻止できません。一時しのぎに過ぎません。それより大事なことは、経済産業基盤(ハートランド)を復活させるように使うことなのです。
「福田首相が、このような埋蔵金を、ガソリンの減税や、高速代金の低減、などに使うことは、一時しのぎに過ぎないと言って、借金返しに使うらしい。しかしこれこそ暗愚であり、経済観念の欠如を物語っています。」
今、日本は危急存亡の時です。この十年の間我々に落とされる貨幣金額はずっと減り続けてきました。
名目所得が世界でも20位近くになるのもすぐでしょう。そして借金がどんどん増えているのです。経済はどんどん縮小しているのです。この縮小を止め、拡大させなければ、永遠に借金は返せず日本は没落します。あえなくデフレの蟻地獄に飲み込まれることでしょう。
国の借金だけでも1000兆近くあります。この時たかだか10兆円の埋蔵金で借金を返しても意味がないのです。我々の懐へは何も入ってこず、ただ帳簿上差し引かれるだけです。
それよりもこの貴重な紐付きでないお金をハートランドの拡大に使い経済を成長させるべきなのです。
これがデフレにおける埋蔵金の正しい使い方です。ただこれが真にハートランドを拡大させる方向に使う必要があるのは言うまでもありません。
間違っても生産者側を優遇する政策に使っては行けません。念のため。
デフレの最大の原因は、ハートランドが縮小し資金が年々減少していくことであり、資金の不足が経済を縮小させ、借金を増やします。借金の増大が、増税を促しそれがなおデフレを促進するという悪循環に陥っています。それ故このような埋蔵金が出てくるのは希有なことであり、有効に使わねばなりません。ハートランド外の借金の返済に当てても、それはハートランドの復活につながりません。ハートランドに真水をいれる必要があるのです。
デフレの場合のハートランドを復活させるやり方は、今までの経済を成長させる方法と全く違ったものになります。
普通の不景気の場合は需要と供給の差を埋め合わせるような方策を取ります。それは貯蓄が存在することを前提にしています。
それは所得線上を上下するような景気循環を前提にしています。その政策は主に企業の生産量を増やすような方策をとります。
しかし、経済の基礎的諸条件が変わっているデフレの場合は、資金量が不足し所得線の角度が正常時より下がっています。資金量と生産量との差を埋め合わせる必要があります。
この場合所得線の角度が上昇又は下降するような方策を取る必要があるのです。
このような時は、資金を実際に消費者側に投入し所得線の角度を上げる政策を取らねばなりません。
生産量を刺激するより、購買力を刺激し、企業が製品に付加価値を載せ易いようにする必要があるのです。
http://blog.so-net.ne.jp/siawaseninarou/日本のウイニングショット参照
先ず始めに消費力購買力を高める必要があるのです。
資金が消費者側に投入され、国内の所得循環に組み込まれるような使い方とは、例えば、高速代金の値下げ、ガソリン税の値下げなど、幅広く、薄く多くの消費者が恩恵を受けるようなものです。これは一人にとってはホンの少しかも知れませんが、何回も使えば使うほど得になるものであり、それによって手元に残ったお金が他の消費を促していきます。循環毎に経済が拡張します。
最低賃金を引き上げる原資として使うのもいいでしょう。企業に最低賃金を上げるようにさせては、余計に企業は倒産します。
この中でも最も効果のあるものは、消費税を下げることです。消費税は直接売上に掛かるため、資金を政府に吸い上げる効果があります。逆に下げると資金が消費者側に組み込まれ、消費が増えハートランドが復活します。
今は財政難から財政再建が叫ばれていますが、経済の成長なくして財政再建がないのは当たり前のことです。今までその方角が間違っていたのです。資金が増えずに生産量を増やすやり方は返ってデフレを促進します。
消費が増える方向に資金を投入しなければなりません。生産物の価格が載せ易い状況を作らなければデフレは解消しません。
デフレ下であれば消費税を下げれば恐らく増収になるでしょう。というのは貯蓄のできない低所得層が多くなっているため、消費税の下げた分は確実に他の消費分に回るからです。
また理論的に説明するとデフレの所得線は45度以下の角度なので、(縦に資金量、横に生産量をとる。)
資金を増やした方が生産量が大きくなるからです。
(http://www.eonet.ne.jp/~hitokotonusiデフレ・インフレの一般理論第3章デフレのメカニズム参照)
国民所得が循環するごとに拡大していくことになります。それがデフレ解消の道しるべとなって行くでしょう。
しかしこのような考えができず、消費税を下げれば減収になると思い込んでいる人達を説得するために、埋蔵金を見せ金とし、万が一減収になればそれで補填するのが良いでしょう。
増収になればその分を又どこか他の役に立つところに使えばよいのです。
埋蔵金をこのような方向に使えるかどうかは、間違った経済学者や政策担当者を説き伏せ、一般の国民を説得して実行する政府の決断が必要です。
さらに日本のメディアや巷では税金のむだ使いをやめさせ有効に使い借金を減らそうと、ほとんどの人が考えていますが、これはほとんど今の経済を立て直す事はできないでしょう。
確かに一時的な負担は減るでしょうが、将来的には無意味でしょう。なぜなら経済が縮小している経済では、今も借金が増えているからです。
デフレにおいては実際に消費者に、需要者側に目に見える形で還元し、資金を入れていかなければ、経済が回復しないのです。これが大事なのです。
今問題に成っている道路特定財源の暫定税率も廃止されれば、ハートランド内に資金が消費者側に入るのです。これを道路財源から一般用に使えるように財源を変えたところで、なんら効果がないのです。今までの経済政策はすべて生産者側に資金が渡るからです。
http://blog.so-net.ne.jp/siawaseninarou/道路特定財源暫定税率の廃止は当然参照
正常な経済であれば借金返しで十分です。しかしデフレでは借金返しは一時しのぎに過ぎないのです。時間が経てばその減らした負担分が再び借金で増えるからです。デフレは今この時も経済を縮小させているからです。経済の拡大に使わなければ借金は返せませんどころか破産するでしょう。
一時的な借金返しに使うのか、それともハートランドの復活に使うのか。
ここのところを良くお考えいただきたいと思います。
http://www.eonet.ne.jp/~hitokotonusiデフレ・インフレの一般理論