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株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu160.htm
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
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米国は、経済危機に際しての政府の行動が素早い。しかも野党の
民主党が政府に協力的である。完全に浮き世離れした日本の国会
2008年1月28日 月曜日
◆戦争をしている国 1月28日 経済コラムマガジン
http://www.adpweb.com/eco/
モノラインの話
連鎖的な世界株安に対する米国政府とFRBの対応が素早い。これも一般の日本人が思っているより、米国の実態経済が悪いことを米国の当局が認識しているからであろう。事前の予想は「28日の一般教書でブッシュ大統領が景気対策を発表」「30日のFOMCで利下げが決定」であった。その予想を覆し、早めに対策が実施された。
しかも事前には10兆円程度と予想された景気対策が15兆円に増額された。また必要があれば、さらに財政出動の増額を検討するという政府のコメントが追加された。一方、30日の利下げ幅は「0.5%か0.75%で、0.75%の方が濃厚」と予想されていた。ところが22日に前倒しで0.75%の緊急利下げが実施され、さらに30日のFOMCで追加の利下げを行うことが示唆された。
しかし市場関係者の間には、「対策が遅すぎる」「景気対策の金額がまだ小さい」という声がある。実際、サプライズを演出した景気対策の発表や緊急利下げの実施にもかかわらず、当初、ニューヨーク株式市場の反応は鈍かった。特に18日の大統領の景気対策が公表されたが、株価は逆に下落したのである。この下落が影響し、連鎖的に世界の株価が大幅に下落したのである(フランスのソシエテの持ち株処分も影響しているという話が飛出しているが)。
ニューヨークの株式市場が小康を取戻し、さらに反発に転じたのは、「モノライン会社」に対する対策が検討されているという報道が流れてからである。日本でなじみの薄いモノラインとは、金融証券に特化して保証業務を行っている保険会社のことである。一方、あらゆる分野の保証をしている一般の保険会社はマルチラインと呼ばれている。
以前、モノラインは、地味に保証料をとって地方債などの金融商品の元利を保証していた。しかし近年、モノライン(全てのモノライン会社ではないが)はサブプライムローン関連の証券の保証を行うようになった。サブプライムローンの急増によって、モノラインの業容は急拡大した。
ところがこのサブプライムローンが焦げ付き始めたのである。これによってモノライン会社が大きな損失を出し、資本不足になり、資本増強が必要になった。ところが格付会社(フィッチ)が、大手モノライン会社アムバックの格付をトリプルAからダブルAに引下げた。この格下げをきっかけに増資の引受け手がいなくなり、同社は窮地に陥っているのである。モノライン各社は地方債などの他の金融証券も保証しているので、モノラインの格下げや破綻によって、保証しているこれらの債券も格下げになる可能性が出てきた。
債券が格下げされれば債券の価格は下落し、これらを保有している金融機関は評価損を抱え込むことになる。サブプライムローン問題だけでも大変なのに、さらに他の債券の評価損まで引当てるということになれば、米国の金融界はパニックになる。したがってこのモノラインの救済策が検討されているというニュースが流れ、ニューヨークの株式市場は急反発したのである。
しかしモノライン会社の救済は難しい。このことは当局も認めている。まず米国では保険会社を管轄するのは、連邦政府ではなく州政府である。だいたい市場に流れた「ニュヨーク州の当局は大手金融機関に1兆6,000億円の増資に応じるよう要請している」という話自体の真偽が不明(具体的な救済策は決まっていないと思われる)なのである。さらにもし仮に増資が実現してもどれだけ有効なのかも不透明である。いずれ州政府には手に負えず、連邦政府が乗り出す事態も予想され、解決まである程度の時間を要するものと見られる。だいたいモノライン会社は民間会社であり、ちょっと考えても救済策の実行が簡単に行われるとは思われない。
モノライン問題は意外なところに波及している。モノライン会社は一部の保険を再保険で外部に売却しており、日本の保険会社もこれを買っている。損保ジャパンは、モノライン会社の再保険を購入しており、先日、この損失を引当てたことを公表した。筆者は「モノライン会社の救済策」と「S&Pやムーディーズなどの格付会社のモノライン会社への格付」を注目している。このようにサブプライム問題に限っても、影響がこれだけ広がっているのである。
リアリズムの国
サブプライム問題のここまでの経緯を簡単に振返ってみる。サブプライム問題が初めて世間の注目を集めたのは昨年の7月後半であった。米国の大手金融機関がサブプライムローンで大きな損失を被ったという話が飛出し、これによって世界の株価が下落した。しかし当初、7〜9月の金融機関の決算が出て損失が確定すれば市場も落着くものと予想された。
10月、11月に金融機関の7〜9月の決算が出揃った。金融機関の損失は大きかったが、この発表によって金融不安の方は一応解消したと見なされた。ニューヨークの株価も10月、11月は小康を保っていた。当時は、これで後はマクロ経済の落込みがなんとかなれば、サブプライム問題は解決するという雰囲気であった。
ところが12月までの金融機関の決算状況が明らかになるにつれ、その損失額があまりにも大きくなっているので、一旦収まった金融不安が再燃した。またモノライン会社の経営危機が表沙汰になり、これが金融不安に拍車をかけた。一方、予想通りマクロ経済の落込みがはっきりしてきた。ニューヨークの株価も大きく下落し始めた(金融関連以外の銘柄も下落した)。
このように米国経済が抱えているのは「金融不安」と「マクロ経済の失速」の二つの問題である。米政府と金融当局(FRB)の今回の措置はこの両方を意識したものである。少なくともこれらを放っておけば、両者が相互に作用して事態が悪化し、両方の問題がさらに深刻化する。
筆者は、今回の政府とFRBの措置だけで、米国経済と米国の市場が回復するとは考えない。しかしこれらの対策が打出されていなかったら、市場はパニック状態になっていた可能性が強い。その意味で今回の一連の緊急対策は価値があった。
今後、短期金利はゼロ金利まで下がる可能性がある。物価の上昇率が2%ならFFレートを2%まで下げ、実質金利をゼロにするのである。一方、財政出動の方は一応青空天井と理解している。実際、政府も必要なら追加措置を講じると言明している。
サブプライム問題に端を発するバブルの崩壊は現在進行中である。筆者は、やはり住宅価格が落着くまで、金融不安は解消しないと考える。米政府や金融当局(FRB)は、金融不安が解消するまでずっとこれに対応することになる。しかし政府が金融機関に直接資本注入を行ったり、サブプライムローン関連の証券を購入することは難しいと考える。建前上では、少なくとも米国は自由主義経済の国であり、政府の経済への直接介入はなるべく避けたい選択肢である。
米国の住宅価格は依然下落を続けている。住宅市場調査会社によれば、米国の住宅価格は昨年だけで8.46%下落した。しかし底に達しているとはとても言えない。したがって米国経済の混乱はまだまだ続くものと考える。
それにしても米国政府は、効果が十分あるかどうかを別にして(今回の緊急対策にかかわらず、市場の混乱はまだまだ続くと筆者は見ている)、実行する経済政策が大胆である。自由主義経済の信奉者の集まりである国であり、政府が経済に関与することを本来嫌うはずの米国で、経済危機に際しての政府の行動が素早い。しかも野党の民主党が政府に協力的である。完全に浮き世離れした日本政府とは正反対である。
米国は建前の国であると同時に現実的なプラグマティズムの国である。平時においては原理原則の綺麗事を常に言っているが、危機に直面すると極めて現実的な対応を行う。まさに米国はリアリズムの国である。筆者は、これは米国が常に戦争を行っているからと考えている。ガソリン税で大騒ぎしている平和ボケの日本とは大違いである。
(私のコメント)
アメリカは市場原理主義の国のはずですが、いざ自分のこととなるとIMFがアジア諸国に対してどのようなことをやったかケロリと忘れて、バーナンキFRB議長はヘリコプターから金をばら撒いている。しかしそれ以上の金がアメリカから逃げているから焼け石に水でしょう。経営危機に陥った金融機関は10%以上の金利で海外から金を調達して凌いでいますが、海外から金を引き寄せるにはそれくらいの金利が必要になっている。
アメリカのファンドも海外に投資していたものを引き上げているからしばらくはドル高になることもあります。その期間中は金利を下げられますがドルキャリーの逆流が終わればドルの買い手がなくなり金利は急騰するだろう。アメリカは毎年100兆円もの金を借り入れないとやっていけないからインフレと金利急騰はいずれやって来る。
アメリカは現在イラクに17万もの軍隊を派遣しているから財政は切れないし、FRBがヘリコプターから金をばら撒いているのだから国債を大量発行しなければならない。国債を買う金は国民にはないから外国に買ってもらうことになるが、買ってもらうには金利を高くしないと買ってくれないだろう。中国や日本が米国債を買ってくれるだろうか?
アメリカのファンドはオイルマネーやチャイナマネーやジャパンマネーを集めて世界に投資していたから信用不安で解約が増えて投資を回収しなければならない。中国経済やインド経済などのデカップリング論を言う人がいるが、アメリカのファンドなどの投資で発展しているのだから投資が引き上げれば中国もインドもバブルは崩壊する。中国もインドも自立的な経済発展ではなく資本も技術も海外依存であり、資金が引き上げられれば1997年のアジア金融危機のようなことが起きるだろう。
今回はアメリカやヨーロッパのバブル崩壊も一緒だから世界的なものになる。問題は世界経済の牽引車だったアメリカ経済がおかしくなり始めているから注意が必要なのですが、ガソリンや食品の高騰が消費者に襲い掛かっている。住宅ローンの破産もじわじわと増え続けサブプライムからクレジットカードまで広がり始めた。そのような状況で金利を下げても効果は一時的なものであり、パニックはまだまだ続く。根本的には住宅価格が上げ始めなければ収まりませんが当分は無理だ。
日本の住宅バブル崩壊も底を打った事で終わりましたが15年もかかった。アメリカの住宅バブル崩壊も同じくらいかかるのだろうか? 手っ取り早く終わらせるには「徳政令」で借金をチャラにすれば終わるだろう。しかしそんなことをすれば金融立国の信用は失われて中南米諸国のような二流国家になってしまう。中南米諸国では貸した金は踏み倒されるのが常識だ。
◆Jingle Mails, Jingle Mails, Jingle all the way! 2007年12月27日 ニューイングランド通信
http://blogs.yahoo.co.jp/giantchee2/folder/1391397.html
大手銀行 Bank of AmericaのCEO, Kenneth Lewisが今一番心配しているのが、Jingle Mailなんです。
Jingle Mailが何かというと、家のカギが入った手紙のこと。
要するに、住宅ローンを払えなくなった人がForeclosureして銀行に家をあけ渡すってことです。どうもこれが爆発的に増えそうだと言うのです。
普通だったら、何としても自分の家を守ろうと思うでしょ?
だって損失になりますし、信用も失っちゃいますもの。それに愛着のある我が家を手離すなんて簡単にはできません。米国でもいつもなら、ほとんどの人はそう考えます。
しかし、今回の住宅バブル崩壊で、新たな開き直り族が出てきそうなんです。
だって考えてみると、
1) 頭金をほとんど払っていない。
2) 家の価値が下がって、もしくはイクイティの引き出し過ぎで、住宅ローン額の方が家より高い。
3) しかもその家の価値がどんどん下がる。
4) 通常なら、Short SaleやForeclosureにより軽減された分の借金額は、所得として税金を払わなければいけないのですが、この税金が2009年まで免除されるということになった。
http://www.usatoday.com/money/perfi/taxes/2007-12-23-foreclosure-tax_N.htm
っていう人がたくさんいるのですよ。
つまり、信用(クレジットスコア)は失いますが、それ以外に失うものが無いんです。
逃げちゃった方が得ということになるんです。
クレジットスコアだって、7、8年すれば回復できますからね。30年も高いローンと価値の下がる家に縛りつけられるよりはマシってことになってしまいます。
Ken Lewis氏によると、貧困層ではなくて、ちゃんとクレジットカードの返済しているようなクラスでも、Jingle Mailしちゃい始めたそうです。
そうすると銀行は売れない家をたくさん抱えて、叩き売りしてまでも損失を減らすしかなくなりますね。そうなれば住宅価格はさらに下がり、もっとJingle Mailがやって来る。
シェー!悪循環。
私はバーゲンハンターなのでいいんですが、この米国の状況、本当に悲しいです。
(私のコメント)
アメリカという国はプラザ合意でドルを暴落させて日本からの借金を半分チャラにしてしまった。国家がそんな風だから国民も住宅ローンを借りて値上がり分で物を買いまくり、住宅が値下がりしたら鍵を銀行に返してあっけらかんとしている。それ以上失うものがないからだ。自動的に「徳政令」が行なわれてモラルハザードもなんのその、アメリカ人は中南米化してしまっている。
日本では住宅ローンの「徳政令」は行われず一家は離散してホームレス中学生までいる国だ。日本はそんなアメリカに金を貸し続けてはドル安で踏み倒されている。日本人は生真面目だから何十年かけても借金を返し続けていますが、世界的常識から言えば借金は踏み倒すものだ。ODAなどの借款も永久的に借り続けて返す国などない。しかし日本は戦後借りた借款は全部きれいに返した。だからこそ円は高くなる一方で超低金利でも金を借りる国民は少ない。日本も中南米諸国のように借金は踏み倒すものという「常識」を持つべきなのだ。