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http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/news/CK2008011902080609.html
カード焦げ付き 米で急増 5大金融機関 損失計1.3兆円
2008年1月19日 朝刊
【ニューヨーク=池尾伸一】信用力の低い人向け住宅ローン(サブプライムローン)問題で揺れる米国でクレジットカードローンなど一般の消費者向けのローンの延滞や焦げ付きが急増している。国民の貯蓄率がマイナスの米国では一般の人々はローンを借り入れて、消費を拡大してきた。それだけに、焦げ付き問題の深刻化は消費の冷え込みに直結する懸念が高い。日本や中国など輸出を通して米国の消費者への依存度が高い各国経済にも打撃を与えそうだ。
シティグループ、J・Pモルガン・チェースなど米大手五金融機関が明らかにした十−十二月期決算によると、これら金融機関は消費者向けのローンの焦げ付きや延滞の急増に伴う引当金の積み増しなどで、合計百二十五億ドル(約一兆三千億円)の損失を計上した。クレジットカード会社のアメリカン・エキスプレスも焦げ付き急増から四億四千万ドルの損失を計上した。
これまで米国の消費者は価格が上がり続ける住宅を担保にして、金融機関からのローンの借り入れを拡大。クレジットカードによるモノやサービスの購入も増やしてきた。しかし、住宅価格の下落により、資金繰りに行き詰まり、ローンを返済できなくなるケースが増えている。アメリカン・エキスプレスによると、フロリダ州やカリフォルニア州など住宅価格の下げ幅が大きい地域ほど、消費者向けのローンの焦げ付き発生率も高い。
また、サブプライムローン関連商品に投資した各金融機関は巨額損失の痛手を被っており、一般の消費者からのローンの申し込みに応じられなくなっている。これも消費者の資金繰りが行き詰まる大きな要因。焦げ付き拡大から銀行などがさらに消費者へのローンを絞れば事態はさらに悪化することになる。
百貨店のメーシーズの十二月の売り上げが前年同月比7・9%減となるなど消費の減速は鮮明になっており、消費者向けローンの焦げ付き問題は米経済の大きな足かせとなりそうだ。