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中国に進出した企業への逆風が強まっている。大連では、1年で40%も賃金が上昇した。中国から逃げ遅れた企業は夜逃げしかない
http://www.asyura2.com/07/hasan54/msg/629.html
投稿者 TORA 日時 2008 年 1 月 20 日 14:12:49: CP1Vgnax47n1s
 

株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu160.htm
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
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中国に進出した企業への逆風が強まっている。大連では、1年で
40%も賃金が上昇した。中国から逃げ遅れた企業は夜逃げしかない!

2008年1月20日 日曜日

◆【社説】中国から夜逃げする韓国企業 1月17日 朝鮮日報
http://www.chosunonline.com/article/20080117000051

最近、中国の山東省煙台市で3000人以上の現地職員を雇用していた韓国企業が、役員十数人もろとも「夜逃げ」したという。中国に進出していた韓国企業が経営悪化により、遅延していた給料の支払いや借金の返済を行わないまま勝手に撤退した例はこれまでにもあったが、今回の規模は群を抜いている。輸出事業の採算性が低下したため、事業を清算しようとしたところ、中国現地の債権者らから身体的な危害を加えられる恐れがあったため、逃亡したものだという。

 最近、中国に進出していた韓国企業が逃げるように撤退する例が後を絶たない。青島市だけに限っても、適切な手続きなしに撤退した韓国企業の数は、2004年に18件だったのが、2007年には1月からの9カ月だけで43件を記録している。公式には把握されていない零細企業の例を含めれば、実際の件数はもっと多いはずだ。

 こうしたことが起きる最大の原因は、中国における事業清算手続きが非常に厳格に定められていることにある。企業を誘致する際には、あの手この手でその気にさせる中国政府だが、事業をやめようとすると、まったく異なる姿勢に転ずる。税務・社会保険・土地管理・登記などに関する機関をかけずり回り、いちいち許可を得なければならず、それまでに控除されてきた所得税や土地使用料をすべて支払わなければならない義務まで生じる。さらに手続きにかかる期間も6カ月から2年に及ぶ。体力のない中小企業の立場では、もう逃げ出すよりほかに方法がないという気になってもおかしくないという。

 問題はこうした企業の問題が、韓中間の通商摩擦にまで拡大する可能性があることだ。そうなれば現地の韓国企業に対する中国政府の監視や監督が厳しくなるだけでなく、銀行が融資の返済期限を前倒しし始めるといった悪影響も予想される。

 韓国企業のイメージが低下するとともに、韓国の中小企業関係者が中国の労働者や債権者に監禁・暴行されるといった事件まで発生している。今後は、中国の法制度を十分検討することなく、安価な労働力だけに惹かれて安易に進出するようなことはあってはならない。韓国政府も中国政府との交渉を通じ、事業清算手続きの簡素化などの打開策を講じるべきだ。

◆賃金急上昇と格差是正策で中国進出企業に大打撃必至 2007年9月15日 週刊ダイアモンド
http://www.magazo.net/daigaku-net/news_571.html

中国に進出した企業への逆風が強まっている。
 「この三年、日本では考えられないほど人件費が上がった。もし、このまま上昇が続けば大変なことになるだろう」。中国・大連に工場を持つ、あるメーカーの社長は重い口を開く。

 大連では、1年で40%も賃金が上昇した。南部地域での上昇率はさらに大きいという。4月に中小企業金融公庫が行なった調査では、進出企業の42%が「労務費上昇が顕著」であることを最大の経営課題に挙げている。
 
さらに経営者たちの頭を悩ませるのが、来年1月1日から施行される「労働契約法」である。
 現在、中国の工場では、内陸部の農村などからの出稼ぎ労働者が主力だ。彼らをいわゆる期間工として使用することで、企業側は低廉かつ柔軟な労働力を確保することができた。だが同法の施行後は、これが難しくなる。二回目の契約更新を迎える従業員や勤続10年以上の従業員に対して、無期限の雇用契約を結ぶことが義務づけられ、また契約を更新せず満了する場合は、退職金を支払わねばならなくなるのだ。このほか労働組合の権限拡大なども定められており、企業側の負担増大は必至だ。

 「なんとか従来と同じかたちにできないか検討中」(前出メーカー社長)と、進出企業は対応策を模索している最中だが、追い打ちをかけるかのように中国政府は「工資法(賃金法)」の制定を準備中だ。同法の詳細はまだ不明だが、関係者によれば、自治体や経済開発区ごとに定められている最低賃金に、一定の基準を設けるものになるのではないかという。
 
中国では、地域間、あるいは企業間、従業員間での賃金格差が場合によっては数十倍にも及び、問題となっている。日系企業の多くは水準よりも高い賃金を支払っていると見られるが、従来、水準の低かった地域での賃金上昇も予想される。また賃金法は「同一労働には同一賃金」を義務づけることが主眼と目されており、これに基づけばパートタイムの労働者にも、正規従業員並みの賃金を支払わなければならなくなる可能性がある。「繊維、雑貨、IT関連の組み立てなど、労働集約型の企業は直撃を受ける」(ジェトロ海外調査部・中国北アジア課)。

 各企業は生産効率の向上などでコストアップの吸収に努めているものの、「安価な労働力」という中国進出のメリットは薄れつつある。さらに、逆風は労務費上昇だけにとどまらない。2008年からは税制が改定され、政府が定める「ハイテク企業」に該当するもの以外は、従来の外資系企業にあった税減免措置を受けられなくなる。

 すでに04年以降段階的に続けられている輸出税還付率の引き下げ(つまり実質的な輸出税増税)や、委託加工の禁止・制限強化、人民元の切り上げなども収益を圧迫しており、経営環境は厳しさを増すばかりだ。
 
いずれの施策も、年10%以上という急激な経済成長の陰で後回しにされてきた労働者の権利保護や格差是正、あるいは貿易摩擦の解消を図るものであり、中国に投資する諸外国としても反駁は難しい。だが、進出企業にとって打撃となるのは間違いなく、特に余力のない中小企業には、“撤退”という選択を迫られるところも出てきそうだ。
本誌・河野拓郎


(私のコメント)
かなり前に「株式日記」では、中国に進出した企業はいずれボストンバック一つで逃げ出す覚悟がいるだろうと書いた事があります。いよいよその時がやってきたようだ。朝鮮日報の記事では9ヶ月の間に43件も夜逃げした韓国企業が出てきている。それくらい中国の外資系企業の環境が悪くなってきている。

経済環境の悪くなった一番の原因は労働者賃金の上昇ですが、大連では一年で40%上昇してしまった。南部ではもっと上昇しているらしい。このような事はテレビではどういうわけか報道されない。もっぱら上海や大連の超高層ビルばかり映しているが、あれは外国向けのショーウィンドウに過ぎない。

超高層商業ビルや超高層マンションは水や電気を大量に消費するが、どちらが欠けてもビルとして使い物にならなくなる。特に中国は慢性的な水不足で北京や上海や大連では水が無い。黄河や揚子江は断水が続き、地下水を汲み上げて地盤沈下が起きている。だから中国の超高層ビルラッシュは自殺行為なのだ。イギリスが香港を手放さざるを得なかったのは本土からの水供給がないと香港は成り立たないからだ。

韓国はウォン高で生産工場を中国に次々移転させましたが、その韓国企業が中国から次々逃げ出している。人件費の高騰のほかに人民元が今年に入って切り上げのペースが大きくなりはじめて中国からの輸出に黄色信号が出始めたのだ。そして中国のインフレはコスト高をさらに激しくしている。中国は石油や原材料を輸入しているから海外インフレが直接響いてしまう。

中国のような人口が無尽蔵であるような国ですら、格安の若年労働者が不足し始めたという事は、安い生産コストを求めているグローバル企業は新たな低賃金の労働力を求めて中国から他に移転せざるを得なくなったと言う事だ。しかし中国では法律が十分整備されていないから工場をたたむにも簡単ではないようだ。だから韓国企業は夜逃げせざるを得なくなっていますが、一昔前にも韓国に進出した日本企業が同じような体験をしている。

中国にしても労働組合が非常に強くて賃上げ闘争で頻繁にストライキが起きる。だからこそ中国で今年に入って賃上げが非常なペースで上がってきている。これもNHKをはじめとするテレビは全く報道しませんが、元高とインフレと労働賃金引き上げによる工場や企業の倒産が非常な勢いで増えている。

日本から中国に進出した企業の数は14000社にも及びますが、これらの多くが三重苦によって危機に立たされていると見るべきだろう。ほとんどが中小零細企業であり韓国企業と共通している。大企業ならばアジア各地に分散して進出しているからいいが中小零細企業は全財産を中国に投資している。それが夜逃げをしなければならない状況になれば企業倒産を意味する。

これから中国各地の企業では労働争議が頻発して裁判沙汰も多くなるだろう。そのために日本人経営者は身柄を拘束されて日本に帰れない事もありうる。以前の韓国でも起きたことであり、日本人経営者はFAXで工場閉鎖宣言を送るような状況になってしまった。だから現在中国にいる日本人経営者や幹部はいつでも逃げ出せる用意をしておくべきだろう。家族は少なくとも日本に帰すべきだ。


今日のサンデープロジェクトでアメリカの金融危機問題が話し合われていましたが、アメリカの経済戦略としては世界からアメリカに金を集めて、世界の金融センターとなりアジア特に中国に投資してその成長利益を稼ぐ事がアメリカの経済戦略であった。しかしその戦略に狂いがあちこちに生じはじめている。


1月20日放送のサンデープロジェクトより
榊原英資氏は中国は2050年にはGDP世界第一位になると言っているが
榊原英資氏は国際金融資本の宣伝屋でありアメリカ帝国の手先なのだ


そのまず第一が不動産ローンの証券化であり、デェリバティブなどの金融テクノロジーであった。しかしそれらは金を集める為の営業上の宣伝材料でしかない。90年代もIT革命がアメリカで起きて恒久的なアメリカの繁栄が続くと宣伝されたが2000年にITバブルが弾けて幻想である事が分かった。アメリカが誇る金融テクノロジーもバブルが弾けてみれば幻想である事がわかる。

はたして中国はアメリカが期待するような世界の工場として成長を続けることが出来るのだろうか? 経済成長を続けるには共産党独裁政権との折り合いをどのようにつけるつもりなのだろうか? 旧ソ連が直面したような政治の自由化は非常に大きな混乱をもたらす。ゴルバチョフも非常に緩やかな自由化を予定していたが一気に共産主義政権は崩壊してしまった。中国でもこれから同じような問題が起きるだろう。

東ドイツの例を見ても自由化したからといって完全に西ドイツのような先進国にはなれなかったように、旧ソ連も西欧諸国のような先進国になるのは非常に難しい。中国も自由化したからといって日本並みになるのは不可能だろう。アメリカ人から見れば中国人も日本人も見分けがつかないから、中国も経済成長すれば民主化が進んで日本のような先進国になれると思うのは当然だ。しかしそれは間違っている。日本と中国とは経済倫理がまるで違う。

現在の中国の経済発展は外資の資本と技術によるものであり、自立的な発展ではない。外国から資本と技術が入ってこなくなれば中国経済は停滞してしまうだろう。毛沢東がいくら自力更生を訴えても中国は自力による経済発展は出来なかった。90年代からの経済成長はアメリカの金融経済戦略に基づくものであり、米中経済同盟が結ばれた結果によるものだ。そのターゲットになったのが日本であり、日本から資本と技術を移転させる事がアメリカの戦略なのだ。

しかしその戦略には綻びが生じ始めておりアメリカの金融がガタガタになりつつある。中国も環境破壊やインフレや賃金の上昇や元高によって経済に変調が来ている。「株式日記」では米中経済同盟は共倒れになるだろうと予測しているのですが、アメリカがおかしくなれば中国もおかしくなり、日本は米中がバブル崩壊で起きる混乱に巻き込まれないような準備をしておくべきなのだ。

サンデープロジェクトの諸氏は日本は積極的に打って出ろとおっしゃっていましたが、日本はまだ病み上がりだ。アメリカも中国も経済的混乱から政治的混乱が起きて何が起きるか分からない。アメリカも中国も経済的行き詰まりを戦争などで解消しようとするかもしれない。台湾海峡や朝鮮半島がその舞台になるかもしれない。そのとき日本はどうするのだろうか?


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