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原油高に悲鳴、「工夫も限界」 給食に変化も
1月7日21時8分配信 産経新聞
米国の原油先物相場は年明け早々、過去最高の1バレル=100ドルを突破し、2008年の幕が明けた日本の生活にも大きな影を落としている。公共交通機関の値上げ、給食の献立…。昨年から続く原油高騰の影響は多岐にわたる。打撃を受ける業界や自治体はコスト削減に工夫を凝らしているが、「それも限界」との悲鳴が上がっている。
■バス運賃
ニューヨークの原油先物市場で初めて1バレル=100ドルを突破した原油価格。4日現在で1バレル=97・91ドルと落ち着いたが、1年前の倍という空前の高値水準が続いている。石油情報センターによると、レギュラーガソリン全国平均小売価格(昨年12月)は1リットル156円、平成16年3月の5割増し。
福島県では、福島交通など路線バス3社が今月中旬以降、乗り合いバスの運賃を値上げする。値上げは9年以来11年ぶりで、「少子化などに伴う利用者減少に原油高が追い打ちをかけた」(国土交通省東北運輸局)という。
寒冷地では灯油を保管するタンクを設置する家庭が多く、灯油盗の被害も一段と深刻になっている。
北海道警の調べでは、昨年1〜3月は計28件だったが、原油高騰につれて急増。10〜12月は3倍超の計111件に達した。ターゲットは民家だけでなく学校やコンビニエンスストア、銀行などさまざま。タンクローリーで乗り付け、給油作業にみせかけて抜き取った可能性が高いとみられる大胆な灯油盗まで出現。被害は今後拡大する恐れがある。
■バターをマーガリンに
横浜市青葉区の市立荏子田小は、食材が値上がりしたため、今月の2日間、給食中止を決めたが、市内の農家から野菜を安く購入するなどの工夫をした結果、子供たちががっかりする中止の事態は避けることができた。
横浜市は1食当たりの単価の上限を221円20銭と設定しているが、昨年10、11月は3円ほど超過した。市教委は「配送費が上がっているとの声もある。今後の影響は分からない」と不安げ。
全国で給食費の未払いが問題にもなっており、給食費を上げるわけにもいかず、「デザートの分量を減らし、バターをマーガリンに差し替えるなど基準献立の変更も検討せざるを得ない」(市健康教育課)。
和歌山市も給食費のコスト削減に取り組んでいる。昨秋から、調理場のボイラーの設定温度を15度下げ、運転開始時間を1時間遅らせるほか、冷凍食品を地元産品に切り替えて食材費を抑える。
住民の支援策に乗り出す自治体もある。青森市は7日、低所得者世帯に対する灯油購入費補助制度を導入し、同日から受け付けを開始した。
65歳以上の高齢者世帯など市民の14%、約1万8800世帯が対象となると想定され、灯油購入費として1万円を助成する。「灯油価格の高騰が市民生活に影響を与えている」。市健康福祉総務課の中川覚課長はそう話す。
■我慢比べ
全日本トラック協会によると、トラックの燃料となる軽油は16年春に比べて1・7倍、業界全体で年間7000億円以上のコスト増になる。
アイドリングを止める「省エネ運転」で5〜15%燃費を下げる効果があり、運行経路の見直し、地域ごとの組合による共同購入などコスト削減の努力も。ただ、同協会は「その削減効果は最初だけ。ここまでくると、経営改善だけではやっていけない。長距離輸送は走れば走るほど赤字」とため息を漏らす。ただ、「運送業者は仕事をもらう荷主に対して弱い立場」となかなか値上げできないジレンマを抱えている。
クリーニング業界は、包装のビニール、ハンガーから洗剤、乾燥用のボイラー燃料まで石油製品を多用するだけに影響は深刻だ。全国クリーニング生活衛生同業組合連合会によると、「店側は需要が減ると心配して、値上げはしにくい状況」といい、ここでもコスト増加分を業者側が抱え込む苦しい現状が浮き彫りとなっている。
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