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日銀の運営混迷 利下げ観測も浮上、新体制船出も難航
1月7日17時39分配信 産経新聞
新年を迎えた日銀の政策・組織運営をめぐる不透明感が増している。金融調節では、米国経済の減速懸念や資源価格の高騰、国内の建設不況による景気停滞懸念で、年初から動揺が続く市場では利下げ観測すら浮上。福井俊彦総裁を含む執行部の任期切れも3月に迫るが、政局混迷による視界不良で「総裁空席」リスクさえささやかれる。内憂外患のなか、胸突き八丁が続きそうだ。(柿内公輔)
■下方修正の衝撃
「現時点では利下げが必要な状況にはない」
日銀の亀崎英敏審議委員は、昨年末の記者会見で、気のはやる市場の利下げ観測の火消しに躍起になった。
早期利上げ観測が支配的だった今年前半とはまるで様相は一変したが、震源はほかならぬ日銀。12月20日の金融政策決定会合で、景気認識を約3年ぶりに下方修正。福井総裁自身も「景気は減速している」と認めたことが市場に衝撃を与え、波紋を広げているのだ。
米国の低所得者向け高金利型住宅ローン(サブプライムローン)問題が日銀の想定を超えて深刻化し、世界経済の先行きに不透明感が強まっていることが背景にある。国内でも、原材料価格の上昇や建築基準法改正に伴う内需の落ち込みが深刻で、物価上昇と景気後退が同時に進むスタグフレーションさえ懸念される状況だ。
日銀内部では「金利正常化のともしびを消さないためにも、利下げはありえない」(幹部)と抵抗感は強く、物価上昇などインフレへの備えから、追加利上げへなお意欲を失っていない。
だが、1月末には日銀の経済見通しを示す「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」の見直しも控え、金融政策の不透明感は増すばかりだ。
■迫る総裁任期
日銀の足元を揺さぶるのは経済情勢だけではない。福井総裁と武藤敏郎副総裁、岩田一政副総裁の執行部3人の任期はそろって3月に満了となる。だが、新体制の選出が混迷していることも、「日銀の求心力を低下させている」との指摘があり、組織運営に霧が立ちこめている。
衆院と参院で与野党が逆転するねじれ国会で、参院は政府系機関の国会同意人事案を一部否決。与野党の対決ムードが強いなか、後任総裁の有力候補の武藤氏も含めて、新執行部の顔ぶれが見通しづらい状況が続く。
そんななか、市場の一部では、時間切れによる「総裁欠員」観測に加え、「理事が当面総裁の職務を代行する」(エコノミスト)可能性まで取りざたされている。
新執行部の陣容次第では当然今後の金融政策への影響は避けられない。一方で世界経済の減速回避に向け、日銀は海外の主要中央銀行と緊密な連携を求められており、極めて難しい局面に立たされているといえそうだ。
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最終更新:1月7日17時39分
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