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2008年1月 1日 (火)
財政は破綻するのか(小野盛司)
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2008/01/post_1503.html
−政府はその可能性を否定も肯定もせず−
(※日本経済復活の会 小野盛司会長の記事、第二弾です)
http://www.tek.co.jp/p/index.html
国の借金が800兆円もあり、財政は破綻するのだろうかという疑問を多くの国民が持っている。滝実(たき まこと)衆議院議員は質問主意書の形で、これに関して次のように質問した。
我が国の極めて厳しい財政状態を放置すれば財政は破綻すると、政府は考えているのか。
それに対する福田総理の2007年12月14日の答弁は
我が国の財政については、「日本経済の進路と戦略」(平成十九年一月二十五日閣議決定)において、「政府債務残高GDP比は2007年度(平成十九年度)百四十一・一パーセント程度と見込まれ、主要先進国の中でひときわ厳しい状況となっている」とされており、また、金利は経済情勢や市場における期待にも大きく左右され、正確にその動向を見通すことは困難であるものの、金利上昇により国債費が増加するなど財政負担拡大するおそれがあることから、金利変動に対し脆(ぜい)弱な状況にあると考える。
というものであった。はっきりと財政破綻の可能性を否定をすることはなかった。それでは、政府は、財政破綻が将来あると考えているのだろうか。実は、これからどんどん借金が増えていっても絶対に財政は破綻しないことを政府はよく知っているのだ。財政が破綻したら、国債が紙くずになってしまうし、第一、国会議員の給料さえ払えなくなるから、絶対にそうさせない。「財政が厳しい」というのは、増税をして国民からできるだけ多く金を出させようという策略であることを忘れてはならない。増税のときは「財政が厳しい、このままだと危ない」と脅し、国債を売りつけるときはガラリと主張を変え「財政は絶対に破綻しないから国債は安全」と、身勝手な論理を持ち出す。こういった二枚舌の実態を、近く提出されるであろう質問主意書で暴露する計画であるが、ここでは裏の事情を説明する。
借金が多いというが、実は資産もたくさんある。借金時計は有名だが、その作者の多くは資産(つまり現金とか、株とか)について触れていない。資産があれば、借金返済をしようと思えばいつでもできる。例えば最近話題になっている霞ヶ関埋蔵金も資産の一部だ。国の金融資産は500兆円以上あり、どんどん増えている。これはhttp://www.tek.co.jp/p/index.htmlを参照頂きたい。
国の借金というが、それは外国から借りたものではない。国は通貨発行権という権利を持っており、借金は返そうと思えばいつでもお金を発行すれば返せるから財政破綻はあり得ない。日本の経済情勢に詳しい海外のエコノミストは、国の借金は日銀が買い取るべきだという。
●バーナンキFRB議長(ノーベル賞確実と言われている経済学者でデフレ問題の第一人者)
「日銀は国債の買い取りを増やして、減税あるいはその他の財政政策を行うべきだ。日銀の長期国債の保有額は発行済みの日銀券残高を限度とするという日銀の自主規制は撤廃するべきだ。」
●ポール・サミュエルソン (ノーベル賞を受賞した経済学者)
「3年間の新たな全面的な減税政策を実施するように提案する。今後も継続して行われる公共投資は、日銀が新たに増刷する円によって行われるべきだ。」
(日銀が新たに増刷する円とは、日銀が長期国債を買い、それと引き替えに出て行くお金のこと)
●ローレンス・R・クライン (ノーベル賞を受賞した経済学者)
「私の提案は、通貨の膨張です。日銀は政府の借金(国債)を買い取るべきです。減税をやるとよい。しかし、このような財政政策と共に教育への投資も増やすべきだ。」
つまり、日銀が長期国債を買い取ればよい。日銀は「国」の一部だから、日銀が買い取れば「借金返済」をしたことになるから、それで一件落着すると海外の識者は考えている。自主規制さえ止めれば、日銀はいくらでも国債を買うことができるので、財政破綻はあり得ない。国の借金の利払いが増えて大変だと思っている人がいるかもしれないが、日銀に払った利払いは国庫に返ってくる仕組みになっており、我々の税金で利払いをするよりはるかに健全である。
ここまで話すと、皆さんが心配するのはインフレだ。短絡的にハイパーインフレになるのではないかとさえ言う人まででてくる。しかし、計量経済学を知っている人であれば、どの程度お金が市中に流れれば、どの程度のインフレになるかを知っている。図1にマネーサプライの増加率のグラフを示した。これは、市中に流通するお金がどれだけ増えたかが分かる。1960年代の高度成長期はマネーサプライは十数%の増加率で、このときのインフレ率は数%だった。オイルショックの時期を除けば、1970年代と1980年代はマネーサプライ増加率は10%程度で、このときのインフレ率は2−3%前後であって、このあたりを今後の日本は目指すべきだろう。デフレに陥った最近十数年間はマネーサプライ増加率は5%以下となっている。
小渕内閣では1998年と1999年に約17兆円ずつ景気対策を行って、お金を市中に流している。図で、このあたりに小さな山があるのが、この景気対策で流れ込んだお金である。つまりこの程度の景気対策では、まだまだデフレ脱却にはほど遠い規模であることがわかる。もっと大規模に、もっと長期に景気対策をやり、その財源調達のために発行した国債と同額の国債を日銀が買えば、市場に何の混乱を引き起こすことなく、デフレを脱却させ、景気回復を成し遂げることが分かる。
実際マクロ計量モデルを使って計算すると、景気対策によって、国の借金は増えるもののGDPも税収も同時に増えるために、借金のGDP比は減っていき財政は健全化に向かうことが知られている。詳しくは以下の文献を参照下さい。
小野盛司 『これでいける日本経済復活論』
http://www.tek.co.jp/p/book2.html
図
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