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産業維新に挑む・ICT業界トップに聞く(1)NEC社長・矢野薫氏ほか【asahi.com】
http://www.asyura2.com/07/hasan54/msg/369.html
投稿者 ワヤクチャ 日時 2008 年 1 月 03 日 21:12:47: YdRawkln5F9XQ
 

産業維新に挑む・ICT業界トップに聞く(1)NEC社長・矢野薫氏ほか【asahi.com】
http://www.asahi.com/digital/nikkanko/NKK200801010001.html
2008年01月01日

 “第二の開国”が迫られる日本経済。国内を営業基盤にしてきた情報通信技術(ICT)業界でも国際プレーヤーとの競争が激しさを増すなど“脱国境”への取り組みが待ったなしで進展。生き残りをかけた戦いが国内外一体で本格化しようとしている。産業維新ともいえる大変革に各社はどう挑むのか。大手3社のトップを皮切りに、主要企業の取り組みをシリーズで聞く。


 (聞き手 編集委員・斎藤実、次回は7日に掲載します)


 【NEC社長・矢野薫氏「持続的な成長基盤を確立」】


 ―08年を展望すると。


 「いよいよ3月に次世代ネットワーク(NGN)の商用サービスが始まる。本当の意味での“NGN元年”といってよい。NGNは安心、安全で快適、便利なネットワークインフラだ。これまでアイデアベースだった世界が現実となる。まさにC&C(コンピューター技術と通信技術の融合)の時代が来る」


 ―中期経営計画を打ち出す好機ですね。


 「(半導体など)赤字事業が改善すればそこそこの数字にはなる。しかし、それでは本質的な解決にはならない。当社の経営課題は収益性の改善と成長の回復だ。(今年公表する)中計は持続的な成長と収益性を改善できる基盤づくりに焦点を当てる。そういったDNA(遺伝子)を持つことが重要なのだ。社員が日々新たな気持ちで頑張れるような会社を目指し、中計で新たな一歩を踏み出す」


 ―NECは戦略のすべてを製品という形に集約する傾向が強いと感じます。新中計も同じようになるのでしょうか。


 「当社はテクノロジーカンパニーであり製品が戦略の要となる。シンクライアント(記憶装置を持たない端末)に続き、今年はグリッドストレージ(外部記憶装置)に期待している。同時にITのサービス事業も本格化する年だ。データセンター上にサービスプラットフォームを構築し、企業の情報システムをアウトソーシング(外部委託)で請け負う。その一環でSaaS(ソフトウエア機能のサービス提供)事業も展開する」


 ―グローバル展開の攻め口は。


 「グループ全体で海外に販売売子会社が約200あり、また中国では3000人以上のソフトエンジニアを雇用している。海外事業のベースはできているが、事業部ごとに海外進出してきたため現地法人もそれぞれ縦割りになっている。そこに横ぐしを通し、皆で使えるようにする」


 ―通信分野の市場動向をどうみていますか。


 「通信バブル崩壊の痛手から回復へ向かいつつある。典型的なのは海底ケーブルの需要だ。需要の回復に10年かかるといわれていたが、国際間での通信量の増加によって5年で戻ってきた。主体はユーチューブなどに代表される映像サービスだ。また携帯電話向けのネットワーク需要も旺盛で、各国ともインフラをNGNで再構築しようとする動きが顕著だ。我が社はこの分野で先行しており、大きくビジネスを伸ばすチャンスがある」


 ―省エネなど環境対応の取り組みは。


 「『ITでエコ』をキーワードに環境経営に力を入れてきた。これをもっと前面に打ち出す。植林などのボランティア活動も引き続き力を入れる。ビジネスではIT機器の低消費電力化に加え、空調や冷却設備などフロア設計を含めて総合的に省エネを実践していく。またバイオプラスチックの採用を増やすなど地球に優しいエコプロダクトを徹底していく」 


 【記者の目/世界戦略に注目】


 矢野体制となり1年9カ月。この間、NGNを軸とした事業路線に舵を切り、ITとネットワークの融合を加速してきた。その実績を踏まえ近く公表する中計は矢野社長にとって初の成長戦略となる。注目はグローバル展開。通信機器分野では世界市場のうまみと手ごわさを熟知するが、IT製品ではまだ海外での成功経験はない。この点に道筋をどう付けるのか。国際派経営トップの手腕が問われる。


 


 【日本IBM社長・大歳卓麻氏「グローバル経営を訴求」】


 ―08年のICT業界をどうみますか。


 「サブプライムローン(信用度の低い個人向け住宅融資)問題や原材料の高騰など波乱要因がある。そういった問題をいかに早く乗り越えられるかが重要だ。併せて環境変化にいち早く対応し、勝ち抜き、生き残るためには事業を変革せざるを得ない。経営トップは皆、自ら経営モデルを描き、進化させている。ITの活用にも積極的だ。需要サイドの変化がIT投資を支え、底堅くしている」


 ―昨年10月にアジア太平洋地域統括(AP)から外れ、独立した地域子会社となりました。


 「意思決定など会社全体の回転が速くなった。米本社との連携も深まり、客先との距離もさらに近くなったのが実感だ。これにならって社内の階層も減らすよう指示を出した。また今年は06年に掲げた中期経営目標『チャレンジ2008』の仕上げの年だ。IT業界のみならず、広く企業モデルのあり方について先導役を担い、その流れを加速していく」


 ―GIE(グローバリー・インテグレーテッド・エンタープライズ)と呼ぶ新たな経営モデルを提唱されています。


 「英語3文字では分かりづらいが、客先でもあえてGIEという言葉を使っている。併せてビジネスのサイクルタイムの短縮やグローバル化の進展、株主資本主義へのシフトなどについても説明している。またトーマス・フリードマンが著した『ザ・ワールド・イズ・フラット』を例に挙げて新興国をマーケットとして見るだけでなく人材のスキルなどを踏まえた国際分業のあり方なども訴えている。コストも重要だが、それだけで中国やインドが注目されているのではない。教育水準ややる気も高い。これらを適材適所で活用し、日本は得意分野に経営資源を集中させるべきだ。そうすれば日本人の能力はもっと生きてくる」


 ―システム開発のあり方も変化していますね。


 「プロジェクト管理はアポロ計画で用いた手法をベースにしている。これは手作りを基本としており、新しい手法ではアセット(知的財産)ベースの開発となる。まだ移行期だが、完成すると大きな力になる。我々はオープンテクノロジーを志向し、その道具立てはそろってきた。あとは業種ごとのアセットが充実してくれば広く流通できる」


 ―省エネ計画「プロジェクトビッググリーン」の実現に向けた方策は。


 「ITの進化は半導体プロセスの線幅の微細化にある。ここで常にIBMは最先端を走り、責任も負っている。線幅が細くなれば集積度が上がり発熱する。ITの歴史は熱との戦いだ。これに対し個々のテクノロジーレベルからマシン室や冷却設備などを含めた全体最適を推進する。まさに一大プロジェクトだ」


 【記者の目/仕上げの年】


 日本IBMは70年前に“黒船”として第一歩を踏み出した。旗印に“日の丸”の赤色を打ち出した時代もあったが、グローバル化の進展で状況は様変わりし、07年10月以降、“IBMブルー”の旗を高くかざすことになった。しかし違和感はなく、むしろ力強さを感じる。大歳社長は08年を「仕上げの年」と位置づける。次期トップへのバトンタッチのタイミングが注目される。


 


 【富士通社長・黒川博昭氏「内外一体で事業改革推進」】


 ―足元の景況感をどうみていますか。


 「昨年11月までは順調だったが、サブプライムローン問題や原材料の値上がりなどで先が読み切れない。どちらかといえば厳しく見ているが、通期の営業目標は貫く。何よりも一つひとつの商売をきちんとこなす。リスク管理や投資計画の吟味など内部改革の手も緩めない」


 ―昨年4月に始動した中期経営計画の手応えは。


 「中計では利益と成長を掲げた。達成に向けて全社の行動を根元から変えねばならない。具体策としてローリング予算を試行している。世の中の変化は年度単位ではなく、連続して動いているからだ。年度主義的な考えから脱皮するために、仕事のやり方を上から下まで変える必要がある」


 ―中計では構造改革も重点化していますね。


 「事業ポートフォリオ(中身)をみると、問題点は明確だし、伸ばすべき分野もはっきりしている。ここに強弱をつけるのが経営だ。成長の機会を求めればグローバルへのコミットメントを増やすことも必須となる。3年後に全社売上高の40%超(06年度は36%)を海外で稼ぐ。そのために『日本市場とそれ以外』という考え方を改める」


 「日本市場もローカルの一つとしてとらえる。その上で広くマーケットニーズから商品を企画し製販一体で責任を持つ体制を築く。ベンダーの論理でモノが売れる時代は終わった。サーバ分野はその顕著な例だ。マシンの上ではアプリケーションが動き、さらにその上にはユーザーごとの固有の業務やリテラシー(読み書きの能力)が載っている。これこそが経営のインフラであり、それを保証しない限り我々の成長はあり得ない。自動車業界でいう(チーフエンジニアといった新車開発で幅広い責任と権限が与えられている)『主査』のような役職を設置し、新たな取り組みを始める」


 ―半導体投資をどう考えていますか。


 「中計では原則、自分たちで稼いだ分を投資する方式に改めており、厳しい規制がかかると考えてよい。半導体事業は変わり目にある。微細化の進展に伴って投資リスクは巨大化し、既存の方程式が成り立たなくなっている。まず生き残るために自分たちが何をしたいかを決め、その上で提携を含めて最善策を考えるよう指示した」


 ―通信機器事業は。


 「海外の光伝送分野ではソネット向けで大きな実績をつくることができた。しかし通信市場の価格競争は激烈で、商売のやり方も変化している。このままでは市場変化の速度についていけなくなると危惧している。開発の初期段階からコスト削減を組み入れた体制でなければ戦えない」


 ―省エネなど地球温暖化対策も重要です。


 「経営層が上から二酸化炭素(CO2)削減目標を唱えても現場には浸透しない。お題目とならぬように商品やサービスの中に省エネ設計を初めから組み込んでいく」


 【記者の目/俎上に載るグループ連携】


 「変えることに重点を置く」と標ぼうした新中計が本格的に始動し、国内では子会社への大規模な人材シフトなどでグループ経営を加速。海外では現地法人の富士通サービス(FS)と富士通コンサルティング(FC)がそれぞれ買収攻勢を積極化している。内外一体で進む事業改革。08年は母艦となる本体と、FSやFCに中国現地法人を加えた海外船団との連携強化が改めて俎上(そじょう)に載りそうだ。

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