★阿修羅♪ > 国家破産54 > 334.html ★阿修羅♪ |
Tweet |
株式日記と経済展望
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu158.htm
--------------------------------------------------------------------------------
中国から外資が撤退し、あるいはさらに多くの企業が倒産すれば、
ますます多くの人が失業し、悪性インフレに耐えることができません。
2007年12月29日 土曜日
◆インフレで亀裂が走る中国経済の鎖 【大紀元日本12月28日】
http://jp.epochtimes.com/jp/2007/12/html/d59004.html?ref=rss
(前略)
林雲:中共の改革が始まって30年に達しようとしていることを私たちは知っています。このプロセスの主役は、これまで労働集約型の輸出企業であり、輸出型の経済を形成してきました。しかし、今般の物価上昇が、これらの輸出企業、沿海部一帯の輸出企業に与える衝撃は非常に大きく、報道によれば、珠海デルタ一帯では、1000に上る中小企業が倒産しました。
杰森:3000余りです。
林雲:3000余りなのですか?
杰森:そうです。
林雲:今般の物価上昇は、中国の経済構造に直接的な影響を及ぼすのでしょう
か?
杰森:そのとおりです。全くそのとおりです。中共の文章を見ると、労働力不足、水不足、電力不足、油不足のために企業が倒産せざるを得ないということですが、実際のところは、根本的な問題、つまり、中小加工型企業のコストが上昇したということに関わってきます。このコスト上昇はどのようにしてもたらされたものなのでしょうか?直接的な原因は、労働費用が上昇していることなのです。
今般の物価上昇のために、多くの労働者が、一ヶ月働いても衣食を賄うことができないことを認識しており、多くの者が働きたがりません。このため、多くの企業が労働者を招聘できなくなり、やむをえず賃金を引き上げているのです。もう一つの原因は、“中石油”など多くの国有企業が、石油価格に従わない値上げをしており、このことが、石油の不足や石油価格を非常に高くしています。
林雲:原料価格の上昇ですね。
杰森:原料価格が非常に高くなっています。私たちは、中国がこの数年間で“世界の加工工場”の名声を博したことを知っていますが、この名声こそが中国経済全体の支えでした。中国経済の60%が輸出に依存しており、その輸出は、主として加工業における輸出によるものでした。
この加工業に問題が発生すれば、中国経済には根本的な問題が発生します。中国経済全体を、加工業を主とする経済のチェーンと見なすと、労働コストの上昇は、中国の経済構造に直接的な影響を与えます。言い換えると、物価の上昇は、中国経済のチェーンに亀裂を生じさせ、事態が悪化すれば、このチェーンは断裂します。
こうした事態は、中国企業においてのみ発生するものではありません。最近公表された米国商工会議所の調査報告によると、中国における最近の労働コストの上昇、著作権の不公平、管理の不全から、中国が外資の投資を吸引する力や競争力が、世界レベルで見て次第に下落しているとのことです。これは、悪性循環の始まりです。
林雲:労働コストが増加した後、本国の輸出企業が不振になり、外資もまたこれを重視し、彼らの投資に影響を与えている、ということですね。
杰森:はい。外資の吸引力が弱くなったのです。最も血液を補うことが必要なときに外資が撤退し、あるいはさらに多くの企業が倒産すれば、ますます多くの人が失業し、貧困ラインに突入し、悪性循環の途をひた走ることになります。
林雲:企業が倒産し、労働者に仕事がなくなれば、収入源がなくなります。
杰森:更には、インフレに耐えることができません。これこそが、悪性循環に突入した経済に見られる恐ろしい現象です。
林雲:しかし、現在において、物価上昇が緩和される現象は全く見られません。こうした展開が続けば、中国経済が短期間のうちに崩壊に向かうのではないでしょうか?
杰森:一般に、私たちはこうした問題について予想はしたくはないものです。しかし、事実から見て、この問題は非常に深刻です。中共もまた、いま直面している経済、金融問題が空前のものであることを認識しています。
歴史上、中共はこの10年間、非常にハイペースなGDPの成長を維持してきました。多くの経済学者や、中共の御用学者は、中共のために賛歌を唱いました。これと同時に、良識ある、中華民族の存亡に真に関心を持っている経済学者は、中共のGDPを主とする経済発展モデルは持続不可能であると主張してきました。この持続不可能性が現在多くの面で露呈されています。たとえば、中共による中国社会からの極端な搾取のあり方などです。
過去10年間において、GDPの成長速度は、財政収入のそれの半分でした。中共の財政収入の増加の速度は、GDPのそれをはるかに上回っています、また、中共は一部の特権階級を許容し、ほしいままに中国社会から資産を掠奪させ、巨大な貧富の格差をもたらしています。
貧富の格差の結果、資産が少数の者に集中する一方、大多数の人々には使えるお金がなく、これが内需の不足、輸出に依存するしかない経済構造をもたらしているのです。
輸出型の経済においては、中国の通貨が外貨による束縛を受けますし、金融政策もまた然りです。こうした一切の結果が、今般のインフレの原因となっています。
また、国有企業は中共の党の資産で、資金、人員面での優位、巨大な独占的地位を占めています。彼らは大幅な値上げを続けており、例えば、上流にある中石油は、アジアで最も利益の高い企業になりましたが、この最高利益の企業は、実際のところ、河流にある中小企業の巨額のコスト上昇を代償としたものなのです。
もう一つに、環境汚染の問題が挙げられます。環境汚染について、多くの経済学者は、中国経済の持続的発展を不可能なものにしている原因と考えています。例えば、広東省は、もともと水資源が非常に豊富な省です。しかし、中共が、環境を顧みることなく、GDPの発展を要求しました。そして、大量の汚水の排出が原因で、広東の水が使用できなくなりました。汚染のために、多くの水が使用できなくなったのです。このため、広東は、将来の発展のプロセスに必要となる水のうち、1/3しか提供できなくなっています。
多くの海外経済学者は、中共がいまの発展モデルを維持できないと考えています。いままで申し上げた要因が蓄積されていく中で、一つの導火線が出現しました。その導火線は何でしょうか?それは、2007年末の豚肉の値上がり、米ドルの切り下げです。この2つの要素が導火線です。この導火線に火がついたとき、長期にわたって蓄積されてきた持続不可能性の要因が発作をはじめ、中国経済を非常に危険に状態に追いやることになります。
林雲:十数年間もの間中国のGDPが高速成長を続けており、中国の資産は一定の蓄積があります。先ほど述べられた、中石油などの大型国有企業についても、一定の資産が蓄積されています。こうした状況をふまえますと、中国が現在の苦境に直面している中で、執政政党である中共に、発生しうる経済危機に対処する能力があるのでしょうか?
杰森:これまでの中共の態度、措置から見ると、非常に難しいと思います。
林雲:なぜですか?
杰森:中共にはいくつかの問題があります。第一に、中共は、特別に貪欲です。いつも災難を民衆に転嫁し、自分自身は何の犠牲も負いません。例えば、中石油といった大型国有企業は確実に多くの資産を蓄積し、その市場価値は世界1位となっていますが、私は、中共がその利益を民衆に与えるとは信じていません。
原因は、非常に簡単です。9月期にCPIが著しく上昇しましたが、このとき、中共は、いかなる物の値上げも認めないと言いましたが、10月になると中石油は、この言の撤回を迫り、製品油の価格の引き上げを求めました。10月末から11月初頭にかけて、国家発展改革委は妥協し、すべての製品油の価格を10%値上げしてよいとしました。中石油の利潤は、既にアジア最高となっており、このとき、彼らはあらゆる損失を被ることを嫌いました。
林雲:こうした大企業は、社会に対する負担を全く負いたがらないのですね。
杰森:そのとおりです。このほか、中共は、巨大な統治コストを負担しています。現在、中国の財政収入は日本を越えています。中国のGDPは日本のそれを大きく下回っているのですが、財政収入は日本を上回っているのです。
中共は、徴収したお金を民衆に返したり、徴収する額を少なくしたり、統治コストを引き下げることができるのでしょうか?私は、それは非常に難しいと思います。例えば、中共は、300億元で武装警察を保有していますが、この部隊は、警察でも、軍隊でもありません。事実上、存在してはいけないものなのです。(後略)
◆世界銀行が中国経済の評価を大幅に下方修正 12月25日 宮崎正弘
http://www.melma.com/backnumber_45206_3946333/
誰も信用しないが、中国の国家統計局が公表したインフレは6・9%である。
中国人民銀行(中国のFED、日本の日銀の相当)は、ことし六回利上げし、五回も銀行預金利率を上げた。つまり消費を抑制して物価の高騰を押さえ込み、預金を増加させることによって通貨供給量を調整するというマネタリストの真似事。(マネタリストの総帥ミルトン・フリードマンは中国経済に批判的だったが。。)。
効き目がない。
インフレは一向に収束せず、不動産価格は主要70都市部の先月統計でも10・5%の値上げが見られる。
ちなみに中国の公定歩合は7・47%。 預金利率(一年定期)は4・14%(12月25日現在)。
これではインフレ率に追いつけず、不動産投資のほうにまだ妙味があり、株式の高騰も預金利率よりははるかに高い。金は利率の高いほうへ流れる。
中国の株価は11月6日をピークに30%ほど下落しているが、それでも過去一年間でCI指標は147%の上昇だ。
いまの中国経済にとって、ズバリ適正な政策はなにか、と言えば人民元切り上げである。
人民元は2005年7月の2・1%切り上げから今日までに約12%切り上げになっている。
人民元が理論的にあと20%ていど高くなれば、原油輸入代金が20%以上やすく買える。インフレはほぼ収束するほどの効き目がある。
円高=日本がながくデフレに悩んだように。
さて世界銀行は今週、中国経済の評価を40%下方修正する(ヘラルドトリビューン、12月21日付け)。
購買力平価で世界経済比較をおこなった場合、中国は米国についでナンバーツーの位置にある。2005年評価で中国の購買力平価インデックスは88億ドルと見積もられた。今回(07年度)の予測では、53億ドル。
購買力平価のもっとも単純な数式は「ビッグマック指標」とよばれるもので、世界各地のマクドナルドの大ハンバーガーの価格から、為替水準を調整し、物価水準を推定し、ガソリン、家屋、レンタル、肉と野菜の価格を標準化して、その国の生活水準をはかるもの。
世界第二位といえば、それなりに生活がしやすいということになる。
だが中国の大都市と沿岸部の庶民の統計はやや正確にとれても、地方都市、砂漠の奥、密林の闇の経済が不明であり、もうひとつ致命的なのは地下経済である。
地下経済は表向きの数字に20%ほど加える必要があり、表の銀行を通さない闇金融、地下銀行の繁栄をみていると、やはり中国経済を数式化して理論だてるのは無理である。
大都市のスーパーマーケットの価格帯が、たとい統計のとおりであるとしても、そのスーパーへ通って買い物できる階層と、スーパーにもいけない八億農民との乖離を数式化できないところに、中国経済を判定する闇が存在している。
(私のコメント)
大紀元や宮崎氏の記事を見ると悪性インフレの大暴走が止まらなくなってきている。日本のマスコミの中国の報道は信用が出来ない。だから外国の報道機関の記事を見て中国を見ないと真の姿が分からない。中国政府ですら自国の経済の実態がつかめないでいるから適切な経済運営が出来ないでいるのだろう。
中国は人民元とドルをリンクさせている結果、海外からのインフレ圧力を受ける結果となり石油高とドル安の影響をまともに食らって原材料価格が暴騰している。原材料価格が上がって国際競争力が無くなって工場の倒産が相次いでいる。それくらいなら元を切り上げれば石油などがそれだけ安くなるはずなのですが、中国人にはその理屈が理解できないようだ。
このような生産コストの上昇は物価の上昇を招いている。物価の上昇は10%にもなっているようですが、庶民達はインフレ回避のために預金を株や不動産に回している。まさにバブルの末期的症状がでているから融資規制などの非常手段まで取るようになっている。
中国政府がまずしなければならない事は人民元の切り上げであり、それが物価を落ち着かせる一番の手段だ。「株式日記」でも元の切り上げは中国のためにもプラスになると何度も書いてきた。しかし愚かなる中国人の大部分は元の切り上げを本能的に恐れてしまう。日本の大蔵省の役人達も円高を恐れてドルを買いまくった事も共通している。
中央政府が為替介入すればドルをいくらでも買ってくれるわけだから投機筋は紙に印刷されたドルを売り浴びせてくる。その為に中国や日本にはドルの札束の山が出来ている。それを放置してもしょうがないからアメリカの国債などを買っていますが、日本や中国の生産力がドルの価値を保障している事になる。もし為替介入などしなければ投機筋はドルが売れないから為替投機は起きなかったはずだ。
中国も為替介入を続けているから国内のインフレが止まらないのであり、インフレが生産コストの上昇となり輸出競争力が落ちて工場倒産を招いている。工場倒産による失業者の増大と物価の上昇は悪性インフレと呼ばれますが、元の切り上げで物価の上昇は抑えられる。
工場倒産による失業者の増大と人手不足は矛盾した現象ですが、中国人にしても3Kと呼ばれる工場などの低賃金の仕事はしたがらない。大学を卒業してもホワイトカラーの仕事は無いから大卒の半数以上が就職できない。中国でも公務員になれば120万円の年収になるから公務員や国営会社の従業員が増える一方だろう。それに対して月に1万円とか2万円で、きつい工場労働は中国人でもやりたがらない。
このように中国の無尽蔵とも思えた労働力資源を使い尽くして安価な工場労働力は望めなくなった。外国資本はより安い労働力を求めて中国から流出が止まらない。人民元がいくら安くても生産コストが上がっては意味がないからだ。中国がこのまま高度成長を続けるには国際競争力のある高付加価値のものを作る必要がありますが、中国にその力があるだろうか?
中国はより多くの外国企業の技術力を必要としていますが、特許や著作権の管理のずさんさで外資の撤退が相次いでいる。日用雑貨品なら特許も著作権も関係ないが、高付加価値のものは特許や著作権が保護されなければ意味はなくなるから外資が中国を避けるのは当然だ。だから中国にはブランド商品が育たない。
日本では今やブランド商品のオンパレードであり、お米もブランド商品となり果物から海産物や畜産物にまでブランド化が大流行だ。それに対して船場吉兆などは偽ブランド食品を売り出して問題になりましたが、時代の流れを象徴している。中国ではこのようなブランドや商標管理は難しいだろう。誰も信用しないからだ。
「株式日記」ではアメリカと中国との経済同盟が破綻して共倒れするだろうと書いて来ましたが、アメリカのドルの暴落は中国に破局的経済破綻をもたらすものとなるだろう。米中双方にロシアやアルゼンチンで見られた破局的なハイパーインフレが襲うかもしれない。日本やEUなどにも影響が及びますが基軸通貨のドルからユーロへの移行時期にはこのような混乱は避けられない。