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【MONEYzine「政府系ファンド」の登場が意味するものとは】(女性・黒人の前にアジア系の米大統領が誕生するのでは?)
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投稿者 小沢内閣待望論 日時 2007 年 12 月 22 日 15:44:36: 4sIKljvd9SgGs
 

「政府系ファンド」の登場が意味するものとは
12月22日10時31分配信 MONEYzine
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071222-00000000-sh_mon-bus_all

■国境なき国有化の時代

 2007年に新たに登場したキーワードはサブプライムローン、デカップリング、そして政府系ファンドの登場ということになるだろう。

 一年前にはまずほとんどの人が知らなかったであろう言葉が、いまや経済の世界では誰知らぬものとなったのも、世界経済のフラット化がそれだけ急速に進んでいることの好例である。

 デカップリングとはアメリカがクシャミをすれば、日本は風邪を引くと言われた時代の終りを意味する。

 中国など新興国が台頭してきたために、アメリカが駄目でも中国があるさ、という状態になった。そのアメリカがひきおこしたサブプライムローンの問題が急速に世界に拡散したのも、経済のフラット化のなせる術。

 情報と金融技術の発達がカネと情報とモノの世界には国境も時差もなくなってしまったことの好例である。

 本来ならアメリカ国内の住宅市場の問題であるはずの住宅ローンの焦げ付きが、アメリカの金融機関によって各種の金融商品に仕立てられ、世界中に販売されたことで大騒ぎとなったのがサブプライムローン。こうした混乱のなかで新たに登場してきたのが政府系ファンドである。

 サブプライムローンがらみの金融商品によって巨額な損失を出した世界の金融機関は、当然のことながら毀損した資本の手当てを迫られることになった。

 その資本の提供者として、にはかに脚光を浴びることになったのが政府系ファンドである。

■巨大化する政府系ファンド

 成長めざましい中国を筆頭に、97年の通貨危機には外貨不足だった新興国にいまや外貨が積みあがり、また原油価格の高騰で産油国にも外貨が山積みとなっている。

 こうした新興国の資金は運用先を求めて、これまでにも中国の政府系ファンドがアメリカのブラック・ストーングループに投資として出資したりはしているが、今回はいわば白馬の騎士としての登場だけに各方面に波紋や憶測を広げつつあるようだ。


 サブプライムローンがらみの損失が巨額なだけに、金利の引き下げや協調融資で凌げる段階でもなくなった感があり、せっぱつまって救済を求めた先が政府系ファンドになったとしても無理はあるまい。いまの世界にはそこにしかカネはない。UBSがシンガポールのGICに、シティグループがアブダビ投資庁に頼み込まざるを得なくなった。

■人種や宗教を越えた新しい形の国有化

 これは外国政府による自国の銀行への出資であり、株主は外国の政府ということになる。そのため外国政府によって生殺与奪の権を握られることになりかねず、すでに国際金融の一部では、これは人種や宗教を越えた新しい形の国有化ではないかと懸念する動きも出ているが無理からぬ話である。

 中東諸国やロシアなど原油頼みの国にとっては、将来原油が枯渇した時に備えて布石を打つ格好のチャンスと考えるのも当然かも知れない。何せしたたかな商人の国だから、人の不幸はわが身の幸せとほくそ笑んでいる可能性もある。

 当然問題も多い。これら政府系ファンドと呼ばれる国の多くは、王族支配だったり、一党支配だったりと、先進国の政治システムとはかなり異なっているため、政権が交代したりすると、当初の投資目的が変更されかねないというリスクは無視できないだろう。

 日本でも一部の国会議員たちが日本版政府系ファンドの創設を議論しているようだが、その志は壮としても、ただ流れに乗り遅れるな的な発想で儲かるとは限らない。他国の政府系ファンドの国々とは政治のシステムも国情も異なることを忘れないことだ。その前にまず日本の市場を活性化させ、本邦企業の足腰を強くすることで、国境なき買収に対する備える策を国家百年の大計として考えるべきだろう。

【関連リンク】
・ 近年、外国企業が「日本で上場したくない」と言う理由
・ 投資市場でアブダビ関連ニュースが注目されている背景
・ サブプライム・ローン危機に、高笑いするヘッジファンド
・ 中国政府の“不安”をネタに金儲けするヘッジファンド


(三原 淳雄)

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