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いつまで経っても引き締め強化にならない中国の金融政策(KlugView)
2007/12/11(火)11:00
中国の中央銀行である中国人民銀行は、11月末の銀行融資残高が26兆1200億元(約390兆円)となり、前月末に比べ874億元の増加にとどまったと発表しました。増加幅は、昨年11月より1千億元以上も減っていることから、中国人民銀行は、貸し出しの伸びが鈍化した、とコメントしています。
中国の銀行融資残高の伸びが鈍った理由として、中国の金融当局者は窓口指導の効果を指摘しています。窓口指導とは、金融当局者が民間の金融機関に対し、融資の増加額を一定の範囲にとどめるよう指導することです。窓口指導は、金融自由化前の日本が実施していた古臭い金融政策と位置づけられていましたが、今年の9月以降、中国の金融当局者が銀行融資を抑制する手段として窓口指導を実施しています。
窓口指導を開始したタイミングを考えると、当局による窓口指導は、銀行融資残高の伸びを抑える効果があったように思われます。ただ、銀行融資残高は伸びが鈍化したものの、前の年に比べれば17%も増えており、当局による窓口指導が十分な効果を発揮したとは言えない気がします。
最近(12月8日)になって、中国人民銀行が、市中銀行から吸い上げる資金量の比率を示す預金準備率を1%引き上げて14.5%にすると発表したこともあり、日本では、中国の金融引き締め策が強化されたとの報道が目立つようになっています。ただ、窓口指導にせよ預金準備率の引き上げにせよ、巨額の貿易黒字を計上する一方で、自国通貨である人民元を人為的に安い方向に誘導している以上、その効果は限定的なままと考える方が自然に思えます。
中国は共産党による一党独裁政治ということもあり、当局が本気になれば、金融引き締めの効果は大きくなるとの見方もあるようです。しかし、たとえ共産党であろうと、どこの政党であろうと、自国内に大量のマネーが流入している状況を変えない限り、(結果としての)金融引き締め効果は得られません。
12月12、13日の二日間、米中両国は、閣僚級の実務会談「第3回米中戦略経済対話」を開きます。ポールソン米財務長官は、世界的にも人民元の切り上げが必要との声が強まっている」と指摘し、中国政府に人民元の切り上げを迫る見通しです。個人的には人民元の切り上げは、世界的に必要というよりも、中国自身にとって必要なことのように思えます。
村田雅志(むらた・まさし)
●●●●●●●●●●今日のクイズ●●●●●●●●●●
11月末時点での中国の銀行融資残高はどれくらい?
●●●●●●●●●●クイズの答え●●●●●●●●●●
26兆1200億元(約390兆円)
http://www.gci-klug.jp/klugview/07/12/11/post_2500.php#extended