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サブプライムローン債権で、その正常な判断を狂わしているのが『お金第一主義』の米国の姿勢ではないかと思います。
http://www.asyura2.com/07/hasan53/msg/713.html
投稿者 TORA 日時 2007 年 11 月 29 日 14:53:57: CP1Vgnax47n1s
 

株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu156.htm
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
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サブプライムローン債権で、その正常な判断を狂わしているのが
『お金第一主義』の米国の姿勢ではないかと思います。

2007年11月29日 木曜日

◆『サブプライムローンの間違った判断』 11月20日 ケンミレ株式情報
http://www.asahi.com/business/today_eye/TKY200711200327.html

◇サブプライムローン問題の構造

サブプライムローンとは信用度の低い住宅ローンです。もう少し具体的に言いますと、低所得者層や、過去に延滞や未払いなどの履歴がある“信用力の低い消費者”に、住宅購入資金を貸すローンということです。

このローン債権(債務者に対して支払いを要求できる権利)を、市場で売買できるように「債券」として販売したところ債権の支払い懸念が生じ、それによって債券価格も暴落・評価損が発生したということ。そしてその評価損の発生と、もともとの信用度が低いことから会計基準から引き倒され、引き当て金(負債)を計上しなければならないことで、サブプライムローン問題がここまで世界の金融市場と経済に悪影響を与えています。

しかし、良く考えてみますと「150兆円と言われるローンを組んだ人達の多くが支払いをしないのか?」ということです。別の言い方をしますと、もともとの発端である住宅ローンが不良債権になったのではなく、そこから派生した金融商品の債券価格が下落しただけではないか、それでどうして世界的な金融不安が発生するのかということです。

これは金融機関がつくったバブル市場と、金融当局の規制強化がもたらしたものではないかと思います。

新商品を作れば一時的には金融機関に利益が出ますが、それが崩壊した時の事を考えなければ、かえって金融機関を苦しめる、目先を追うことは決して得にならないということであり、これは誰でも知っていることですが、それでも過ちを繰り返し、その金融機関のエゴによる過ちで投資家が苦しみ、最終的には一般市民までが苦しむということになります。

つまり150兆円のサブプライム債券市場が『市場として機能するか』『市場として機能するためにはどんなルールと市場活性化策が必要か』など、金融機関が努力しなかったことが第一の原因で、投資家を守るという視点で『後先を考えずに規制を強化した』当局の責任が第二の原因です。

経済は「活況になれば次に不況がくる」ことは誰でも知っています。
ということは、サブプライムローン債権が将来行き詰まることは専門家には予想できた事だと思います。その正常な判断を狂わしているのが『お金第一主義』の米国の姿勢ではないかと思います。

加えてSIV問題も懸念されています。
これは銀行が隠れ企業(特別目的子会社)を作り、その隠れ企業でハイリスク商品に投資するというビジネスモデルまで作ってしまいました。銀行と離れていても『債務保証をしている』以上は銀行の中にあると同じなのに、法律の抜け道を使って投資運用会社を作り、そこでハイリスク商品に投資するというのは『見えないところで企業が動く』ことになりますから、ディスクロージャーの面からも問題です。

この動きはお金第一主義の『ホリエモン』や『村上ファンド』の思想と全く同じ思想だと言う事になります。

◇今後のサブプライム問題とSIV問題の行方と株式市場に与える影響

サブプライム債権の引き当ては20%、30兆円であり、今後まだ20〜30兆円の貸し倒れ引き当てを計上(費用の計上=損失の発生)しなければならないのではないかとの予想が専門家から出てきています。

つまり、サブプライム問題は道半ばであり、今後に何が起るのかは予測出来ないという状況になっています。加えて運用資産が50兆円あると言われているSIV問題でも、今後金融機関に資金ショート時の融資(不良債権に対する融資)という新たな不良債権問題の発生と、引き当て金の計上という問題が起きる可能性があります。

このような環境では『株を買う人は少なく、空売りする人が増加する』ことになりますから、サブプライム問題とSIV問題の方向性が見えるまでは株式市場は下げ続ける可能性が強いと言う事になります。

◇では、サブプライム問題やSIV問題の方向性が見えてくるのは何時なのか

米国は12月決算ですから、決算では『どの程度の貸し倒れをするか』がはっきりとすると思います。つまり、2月上旬までには『多くの米国の金融機関が決算発表をすると思いますので、その近辺でサブプライム問題などが一段落するのか、更に深刻な問題になるか』がはっきりとするのではないかと思います。

それまでの間は『株式市場が上昇したとしても短期で上昇が終わる可能性が強い』と考えておいた方が良いと思います。

言い換えますと、買わずに様子をみる戦術を取るか、買う場合でも『リバウンド相場が起ったら欲張らずに売る』ことが大事だと思います。

◇経済で国は破綻しない

戦争で国が滅びることはあっても、先進国が経済で滅びることはありません。今の世界経済はサブプライム問題やSIV問題で大変な事が起ると思われていますが、それはこの問題がずっと続くことが前提です。

1992年に円高と株式市場の暴落で日本経済が崩壊し、街には失業者が溢れると言われ、1995年の時も円高デフレで日本経済が崩壊すると言われ、1997年には都銀と大手証券の倒産で金融システム不安で日本経済は駄目になると言われていました。

昔、米国でS&L問題が起った時にも米国は巨額の公的資金を投入して経済危機を乗り切り、日本でも住専問題や銀行の不良債権問題で公的資金が投入されたように、経済事件で国が危なくなれば、国は公的資金を使って問題を解決します。

つまり、損得問題である経済問題は損得で解決出来ると言う事になります。したがって、今回のサブプライム問題も『何処かで先進国が動いて解決される』ことになりますが、問題は『いつ国が動くのか』ということです。

逆に言いますと、国が動くまでは株式市場は下げ続ける可能性が高いと言う事になり、それは2月初旬の先進国での2007年度決算=サブプライム問題の影響がはっきりする決算のあとから動きのではないかと思われます。2月に動くのか、3月に動くのかは、各国政府の準備能力次第ですから予想は出来ません。

米国のエコノミスト協会が発表した来年の米国景気ですが、前半戦は2%台初めまで成長率が落ち込むが、10〜12月期には3%成長まで戻すという意見が大勢で、景気後退を予測するエコノミストは20%しかいなかったということです。

今の米国は最悪期であり、このような時期は『弱気になる』ものですが、その時期でも米国の経済の専門家であるエコノミストは『米国景気は強い』と予測しています。

専門家の意見は当たらないと言われています。しかし、弱い時期には『マイナス材料がクローズアップされて、弱気の予想をするのが人間』ですので、強気予想が大勢をしめたということは、米国景気は予想よりも強い、そして米国景気に影響される日本の株式市場も『時間の経過』とともに回復してくるのではないかと思われます。

レポート担当 森田謙一

(私のコメント)
アメリカの住宅着工件数のグラフを見ると2000年前後のITバブルの頃に一つのピークを迎えていた。そして2001年に9・11テロ事件が起きてアメリカは大混乱が起きた。エンロンやワールドコムの破綻も相次いで起きて、これでアメリカも終わりかというような事件が立て続けに起きた。テロリストグループはそれが狙いだったのだろう。

しかしブッシュ政権はなりふり構わぬ手を打って大混乱を収めた。グリーンスパン議長も5%以上あったFF金利を1%台まで一気に下げて、株式市場を梃入れしてバブル崩壊を切り抜けることが出来た。しかしその結果として住宅バブルが発生してしまった。それはブラフを見れば分かるように、150万件台から200万件台へとバブルは広がってしまった。

FF金利が1%になるとサブプライムローンを利用した住宅投資が盛んになって、金利さえ納めていれば資産価値の上昇によってローン枠が増えてさらに消費が広がった。1%までFF金利が下がったのも日本がドルを買いまくってゼロ金利を維持し続けたからですが、2004年末ごろにはインフレを気にし始めてグリーンスパンは金利を上げ始めた。

金利が上がり始めると同時に住宅着工件数は急激に減り始めて2005年から住宅バブルの崩壊が始まった。しかしサブプライムローンなどは金利の支払いだけで済んでいたからすぐには問題化はしなかったが、今年に入ってからローン金利が引き上げられて延滞債権が増え始めて、今年の夏にはサブプライムローン破綻が始まった。

もともとサブプライムローンはバブルのアダ花のような住宅ローンなのですが、住宅の値上がりを前提としたローンなので住宅価格が下がれば延滞債権となり破綻してしまうことが分かっている債権であり、それだけなら問題は少なかっただろう。しかしサブプライムローンが証券化されてファンドに紛れ込んでしまったから今日の大問題になってしまった。

このような状況を見れば少しぐらい金利を下げても住宅市場が持ち直すとは考えられないし、サププライムローンが混ざりこんだ債権市場は買い手がつかずに流通がストップしてしまっている。最終的には公的資金が買い取って解決するしかないだろう。しかしそれだけでは問題は解決せず、結局は全部清算してみないと金額が確定しないからどうする事もできないだろう。

アメリカは金融テクノロジーと称してデリバティブで資金運用しているから、外部からどうなっているのか分からない仕組みで運用している。レバレッジを効かせて数倍から数十倍の利益や損失が出る仕組みだから清算しないと損失額も分からない。担保になっている物件も果てしなく債権が分散されているから回収するのも目処が立たない。

金融機関の決算にしても暫定的な決算しか出来ないだろう。いわば欧米の金融機関は時限爆弾を抱えているようなもので、デリパティブは金融派生商品であり決算には載らない。ケンミレでも書いてあるように子会社を使って投機をしているかもしれないし、飛ばしをやってごまかしているかも知れない。だからうっかり手を出せないのだ。

このような金融商品は上手く行っている時はいいが、破綻するととんでもない巨額の損失を出す。ノーベル賞学者のファンドのLTCMは想定外のロシア国債の破綻で巨額の損失を出して破綻しましたが、金融商品は想定外のことに対しては計算されていない。

日本のバブル崩壊は銀行が一手に不良債権を背負い込みましたが、アメリカのバブル崩壊は金融商品として全世界に広がっている債券が問題になっている。日本の金融機関もサブプライムがらみで損失を計上している。このように損失が早く確定できたところは傷が浅いのであり、欧米の金融機関は信用不安につながるからディスクロージャーは出来ないだろう。

バーナンキFRB議長が発表する損失額は発表のたびに拡大の一途をたどるだろう。それが欧米の金融機関への不信を招いて信用収縮が始まっている。金融問題においては信用収縮が一番の問題であり、日本のバブル崩壊も信用収縮が起きて十数年も跡を引いてしまった。

アメリカの住宅着工件数のグラフを見ると日本のバブル崩壊とちょうど裏表になっていることが分かる。90年初めには100万件を割っていた住宅は2005年には200万件以上が建てられた。それに対して日本は2005年頃から外国から不動産投資が入り始めて不動産価格の値上がりが顕著になった。このように世界的に流動する投機マネーがバブルを作り出していくのだ。


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