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金融不安を完全に払拭するわけではないアブダビ投資庁によるシティへの出資(KlugView) 2007/11/27(火)16:08
11月27日の正午前(日本時間)、米国大手金融グループのシティグループは、アラブ首長国連邦(UAE)アブダビ首長国政府のアブダビ投資庁から75億ドル(約8千億円)の出資を受け入れると発表しました。発表によると、シティグループは、アブダビ投資庁に対し年利11%の普通株に転換される出資証券を発行し、増資は数日以内に完了する見込みです。
このニュースが報じられた後、金融市場は大きな反応を示しました。まずニュース発表後、GLOBEX(米時間外金融先物取引)の米株先物は、1万2900ドルまで上昇し、26日の終値から160ドル超の上昇を示しました。為替市場では、この動きに合わせるかのようにドルの買戻しが進みました。午前中107.4円台で推移していたドル円は、ニュース発表後、108.9円台と1円以上も急上昇しています。また円安が進展したことから日本株も上昇し、市場開始当初に前日比330円以上も下落した日経平均株価は、ニュース発表後、前日終値を100円以上も上回る1万5300円台まで上昇しています。
金融市場への反応を見る限り、アブダビ投資庁のシティグループへの投資は、それなりに良いニュースと受け取られているようです。シティグループは、サブプライムローン問題を背景に多額の損失を計上しており、米国の金融システム不安を高める大きな要因となっています。原油高で多額の資金を有するアブダビ投資庁ならば、シティグループへの75億ドルという多額の出資も十分可能といえ、今回の出資が、米国の金融システム不安の解消につながると市場は連想しているのかもしれません。
ただ注意すべきことは、アブダビ投資庁のシティグループへの投資案件だけで、米国の金融システム不安が完全に払拭されるわけではないという点です。現時点で計上されているシティグループの損失額は合計174億ドルもあり、アブダビ投資庁による出資だけでは全てをカバーできません。また、米国の金融システム不安は、シティグループだけではなく、モーゲージを中心としたクレジット市場の機能不全に起因していることも忘れてはなりません。
もちろん、アブダビ投資庁によるシティグループへの出資をきっかけに、米国金融システム不安を解決する道筋が見えてくるかもしれません。しかし、その場合には、サブプライムローン問題で苦しむ多くの米国金融機関を救う存在が、今後も数多く出現することが必要となります。個人的には、そのような展開はあまり期待できない気がしています。
村田雅志(むらた・まさし)
●●●●●●●●●●今日のクイズ●●●●●●●●●●
アブダビ投資庁はどこの国の機関?
●●●●●●●●●●クイズの答え●●●●●●●●●●
アラブ首長国連邦のアブダビ首長国政府
http://www.gci-klug.jp/klugview/07/11/27/post_183.php