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FujiSankei Business i. 2007/11/22 TrackBack( 0 )
原油の国際指標価格となっている、ニューヨーク・マーカンタイル取引所の米国産標準油種(WTI)が1バレル=100ドルに肉薄する、「異常な高値」(経済産業省・北畑隆生事務次官)に、産業界では悪影響を懸念する見方が広がっている。
原油価格の変動要因となる(1)需給バランス(2)地政学リスク(3)投機資金流入−の3点のうち、10〜12月期の世界的な原油需要は、中国が7・5%増、インドが2・2%増と新興国の旺盛な需要に支えられ、1・7%の増加となっている。半面、米国の需要は0・3%減と2四半期連続で減少傾向にある。米原油在庫見込みも、前週比で80万バレル程度増加しており、需給バランスそのものは高騰の要因とはいいにくい。
ただ、米国北東部で2週間以内に大規模な寒波が訪れるという予報に加え、米国で暖房用の灯油在庫が前週比で40万バレル減少していることなどから、日本エネルギー経済研究所の永田安彦研究主幹は「米国の利下げ観測に加え、寒波の予報から投機的な資金による買いが入った可能性がある」と指摘する。
原油市況への投機資金は、米国の低所得者向け住宅ローン(サブプライムローン)問題にからみ、今年2月に比べ5兆円近く増加。「原油相場の20〜30ドル分は、投機資金による相場の押し上げ効果によるもの。マネーゲーム的要素がなくなれば、60〜70ドルの水準になる」(石油連盟の渡文明会長)と、異常な価格高騰に不快感を隠さない。
同様に北畑経産次官も「投機による値上がりは付加価値を生んでおらず、いずれ崩壊する」と、“原油バブル”を批判。第2次オイルショック時の高騰が世界的な不況につながったように、今後、原油価格の高騰が続けば世界的な景気減速にもつながりかねない。
こうした状況に、元資源エネルギー庁長官の岡本巌・住友商事専務は「来月5日に開かれる石油輸出国機構(OPEC)総会で何らかのメッセージが出ることを期待したい」と、価格抑制につながる増産に期待を寄せる。しかし、増産はOPECの生産余力の減少にもつながり、投機筋には買い要因となるため、増産の判断の行方は不透明だ。