★阿修羅♪ > 国家破産53 > 448.html ★阿修羅♪ |
Tweet |
2007年11月08日
経済の話。米国でサブプライムが再燃
米国発の世界同時株安の波に襲われ、日本はこの五日間の続落で1100円の下落、16000円も割りました。これを”サブプライムの亡霊”と称する人もいますが、サブプライム問題はこれからが本番であり、息の長い展開を予想しています。その流れの参考になるのがシティです。
シティグループが総額で2兆円規模に損失が拡大する可能性を発表しましたが、これに基づき格付け会社が格下げを行い、そこで投資適格を下げたCDO等の債券が捌けなくなり、再び評価損を計上する。これは負の連鎖であり、凋落を食い止めるには評価損ではなく、完全に債券を切り離すしかありません。しかしその債券自体がSIVなどに保有され、全体像が掴めないとも言われますし、そうなると手立てすらありません。
そんな中で連邦当局が住宅格付けに対し、不正に高い格付けを与えていたのではないか?とする調査を開始しました。住宅金融のワシントン・ミューチュアルが27-29億$の損失を発表していますが、この動きで住宅価格の一層の低下を招く恐れもあり、更にそうした住宅ローンを組み込んだ債券の格付けも低下し、価格も下がっていくことでしょう。
更にGMが繰り延べ税金資産の取り崩しで、4兆円を越す負債を7-9月期に計上し、金融以外の企業収益にも影響が出始めています。米国では一旦弱含んでも10-12月期にV字回復、というシナリオが崩れたことが、今回の米株安の背景です。しかもここに来てドル安と資源高が進み、更にサルコジ仏大統領のように、公の場でドル安に言及するトップも現れたことで、FRBも利下げ継続が難しくなりました。
昨日の中国高官や世界で活躍するトップモデルが給与支払いをユーロ建てで要求、などの記事もありましたが、ドル離れを加速させる金融政策にはこれ以上踏み込めないからです。それを裏付けるように、市場の利下げ期待を冷ます発言をFRBは行っており、当分利下げ期待のバーナンキ・プットはおき難い状況が続くことになります。
しかもここに来て中国が成長重視路線から協調へと、共産党大会から舵を切っています。香港市場への中国個人の投資解禁を停止し、過剰流動性に基づく投資を抑制する発言を繰り返し、更に外貨準備をユーロ建ての比率を高める発言をするなどです。国内のバランスを考えた政策なのでしょうが、世界経済に冷や水を浴びせる手法を中国がとり始めています。
米国経済への不透明感以外にも、中国の動向も波乱要因として注意しておくべきでしょう。そんな中、日本経済は下支え要因もなく、財政再建を増税議論で賄おうとするその政治の側の姿勢にも、外国人投資家は失望の色を強めています。経済が弱いときに更に国民負担を増やす政策をとれば、影響が拡大してしまうことは明らかです。長期的には増税が必要だとしても、時期を逸した政策は失政に繋がるものです。今の日本経済に何が足りないのか、もう一度考えて税議論を進めて欲しいですね。
analyst_zaiya777 at 23:13|Permalink │Comments(0) │TrackBack(0) │clip! │経済 | 株
2007年11月07日
経済の話。最近の市場の動き
今日の民主党の両院協議会で、小沢民主党代表の続投宣言をしました。これで分かったことは小沢氏は民主党を離党して政界再編を志向せず、また大連立は不可能となったということです。小沢氏が真摯に「役員会に諮る」と述べているところから見て、小沢氏は選対色の強い代表として、衆院選を戦うまで居残りという形なのでしょう。後一回の選挙戦しか戦えないと本人が述べているところから見て、仮に政権奪取でも燃え尽き症候群で引退するのかもしれませんね。
内閣府が昨日発表した記事で気になったのが、景気先行指数で10年ぶりに0%を示したことです。これは11の指標を統合した数値で割り出されるものですが、50%が判断の分かれ目とされており、0%というのは先行きの指標に良い数値が全く出ていないことを表します。
外需の活況が日本経済を潤す、そう言い続けられながら、波及効果はほとんど見られませんでした。現状、対米輸出より旺盛なアジア向けが日本の輸出を支えているといわれますが、アジアとて対米輸出で稼いでいるのですから、巡り廻れば米国の影響が全世界に及ぶことになります。
更に今日の市場の動揺は、モルガンスタンレーが10-12月期に負債を計上するのではないか、とする記事もありました。が、もう一つの原因は中国高官が「外貨準備の一部をユーロ建てで」、とする記事がドル離れを印象付け、ドルが安値をつけて金、原油などのドル建て決済される資源価格の高騰が進んだこと、なども上げられます。
原油は100$をつけない限り、もう納まりがつきません。今は投資の世界全てで同じ流れですが、実需やファンダメンタルではなく、マネーを操る人間の都合が大きく影響します。イベントドリブン型と呼ばれるマネーが暗躍し、材料に応じて上にも下にも行き過ぎの動きを生みます。
そして気になるのが、ユーロ建てで見ると日経平均は最安値を更新、ダウも最安値近辺に接近するなど、円、ドルの2弱通貨の今後です。この2つの市場で損失を抱えた欧州勢が、見切売りを進めている。これは今年売り越しに転じた欧州勢の動きとも合致します。今日はドル、ユーロで円は異なる動きを示しましたが、ドル暴落説も囁かれ始め、為替の動きには警戒も必要なところでしょう。
11月はヘッジファンドの解約売りも出易く、この流れはしばらく続きます。これまで17300〜16300の範囲と予測してきましたが、もう一段下の16500〜15500の間で当分推移しそうです。中間期の企業決算も出てきましたが、増益率が高くなく、頭打ちの傾向も見られます。先の景気動向指数と同様、先行きは不透明感ばかりが漂うようになりましたね。
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/