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中国や湾岸諸国では、政府の投資機関が世界的な企業買収を展開し、アメリカの金融機関が中国の投資機関に買われる
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投稿者 TORA 日時 2007 年 11 月 08 日 15:57:42: CP1Vgnax47n1s
 

株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu155.htm
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
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中国や湾岸諸国では、政府の投資機関が世界的な企業買収を展開し、
アメリカの金融機関が中国の投資機関に買われそうになっている

2007年11月8日 木曜日

◆米金融界、空前の大量解雇 11月8日 BusinessWeek
http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20071105/139687/

公式発表──。今年、米金融サービス業界での人員削減は、まだ2カ月以上も残っているというのに、既に過去最悪の規模に達した。

 年初から10月までに、金融関連企業が発表した解雇者の合計は13万人(転職斡旋の米チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマスの調べ)。昨年の公表数5万人の倍以上、2001年に記録した過去最高の11万6000人を優に超える記録的な数字だ。

 金融業界はサブプライムローン(信用力の低い個人向け住宅融資)で被った大損にあえいでいる。高リスクな社債や法人向け融資も悩みの種だ。「今年、金融業界はかつてないほど大量の人員削減を経験している」とチャレンジャー・グレイの広報担当者ジョン・ペダーソン氏は語る。ただし、同社が把握しているのは解雇人数のみで、新規雇用との比較や業界の総雇用人数は追跡していない。

ウォール街に吹き荒れる人員削減の嵐

人員削減の約8割は、ここ2カ月の間に公表されたものだ。ちょうど住宅不況の深刻さが色濃くなり始めた時期に重なるとペダーソン氏は言う。

 当然、住宅金融会社は特に削減規模が大きい。業界最大手の米カントリーワイド・フィナンシャル(CFC)は、9月に人員削減を実施。総従業員5万6000人のうち、1万2000人が職を失った。ほかに、米インディマク・バンコープが9月に1000人、米アクレディテッド・ホーム・レンダーズ・ホールディングが8月に1600人の削減計画を発表している。

 同じ8月には、米クレジットカード大手キャピタル・ワン・フィナンシャルも、住宅金融子会社グリーンポイント・モーゲージを閉鎖し、約1900人を解雇することを明らかにした。

 人員削減の波は、サブプライムローン事業に関連する企業のみならず、さらに広範囲に及んでいる。M&A(企業の合併・買収)を担当するベテラン銀行員、金融機関の財務担当者、トレーダーにも解雇の嵐が吹き荒れた。流動性危機で生じた損失(BusinessWeek.comの記事を参照:2007年9月17日「Investment Bank's kitchen-Sink Quarter」)により、ウォール街は2003年以来、初めて経験する大規模な人員削減を余儀なくされているのだ。

インドや中国への配置転換を命じられる者も

主要金融機関が公表した人員削減数をざっと見てみると──。米モルガン・スタンレーが300人、米ベア・スターンズが310人、英HSBCが750人、スイスのクレディ・スイスが170人、同じくスイスのUBSが1500人。人数は明らかにされていないが、米メリルリンチもサブプライムローン担当部門の人員を削っている。

 モルガン・スタンレーの場合、リストラされた人員の大部分は法人・証券関連業務(投資銀行、債券、株式、調査など)に携わっていた者だと関係筋は明かす。地域別に見ると、約3分の2が米国、残りの大部分は欧州勤務の人員で、アジアでの削減は一握りだ。

職を追われる者の中には、インドや中国への転勤を勧められる者もわずかながらいる。ビジネスの拡大中にもかかわらず現地で適任者を見つけるのがいまだ困難だからだ。

 モルガン・スタンレーの広報担当、マーク・レイク氏は、「決算準備の一環として、現在の市場状況に見合うよう一部の事業規模を縮小している。同時に、最も成長が期待できる(海外の)地域に人材を振り分けている」と説明している。(後略)

◆ドルは歴史的役目を終える? 11月6日  田中 宇
http://tanakanews.com/071106dollar.htm

▼米金融危機はまだ序の口

 アメリカでは、7月末のサブプライム・ローン債券市場の崩壊に端を発する社債市場の凍結状態が今も続き、これまでは問題ないと思われていた債券が実は巨額の含み損を抱えている事例があちこちで表面化し続けている。先日は、シティグループが損失の償却を発表し、これを嫌気してアメリカの株価が急落した。(関連記事)

 サブプライム・ローンの破綻は、来年から再来年にかけてひどくなると予測されている。破綻は、これから本格化する。アメリカでは数百万人がローンを払えなくなり、家を競売にかけられて奪われ、ホームレスが増えそうである。サブプライム・ローンを組んだ人の多くはヒスパニックと黒人だという調査結果も出ており、政治的な人種問題に発展して暴動が起きるかもしれない。(関連記事その1、その2)

 銀行間で貸し借りをするインターバンク市場の金利も高めで、銀行どうしが相手を信用していない状態だ。債券格付け機関が自社に都合のいいように格付けをしてきたという指摘もあり、どの債券が不良なのかよくわからなくなっており、しかも債券を関連会社に持たせている銀行が多いので、どの銀行がある日突然破綻に瀕するか予測がつかない。米金融界では「どこから飛び出してくるかはわからないが、不良債権はまだまだ隠れているはずだ」というのが共通認識になっている。(関連記事)

 アメリカの金融界の難局をしり目に、中国や湾岸諸国では、政府の投資機関が世界的な企業買収を展開し、アメリカの金融機関が中国の投資機関に買われそうになったりしている。景気もアメリカはダメな半面、中国やインド、ペルシャ湾岸、ロシアなどのアジア周辺では活況で、アメリカの株が下がっても上海の株は上がる状態だ。かつては圧倒的に世界の中心だったアメリカの経済地位が低下し「世界経済はアメリカ抜きでも発展し続ける」という「デカップリング(切り離し)論」が流行っている。(関連記事)

◆CDO→SIV→LBO→商業用不動産 11月5日 HiT株式教室
http://www.amy.hi-ho.ne.jp/family-mn/hit1.htm

サブプライムローン問題に端を発した信用収縮が現在よりも拡大する場合は大雑把に見て、「CDO→SIV→LBO→商業用不動産」の順に問題が広がるのではないでしょうか。サブプライムローンは総額で210兆円程度あると言われ、かなりの高率で焦げ付くと見るべきです。その証券化商品が混合されてCDOとなり、高格付けを信用して購入したBNPパリバ傘下のファンドなどに巨額の損失を発生させました。

更に、長期運用となるCDOを購入し、その高い金利に対して、低い金利で済む短期債で資金を調達し、利鞘を得ようとしたSIVというSPCによる運用が窮地に立たされています。SIVの総額は23兆円程度ということです。SIVの損失を誰が引き受けるかですが、最大手のシティグループなどの大手金融機関が受ける比率が大きければ信用収縮は更に拡大するでしょう。あるいは、投資家に全ての損失が転嫁されると農協や銀行などの日本の金融機関も無傷ではいられず、かなり大きな直接的損失が生じると見られます。

4つの段階のうち、第2段階まででクレジット・クランチが収まれば、まだ何とかなるレベルかもしれません。問題はその先にあるLBOや商業用不動産の融資という更に巨額の信用が毀損する可能性です。FRBの2回の利下げの合計0.75%は先週末の雇用統計でも現れたように現実的に足元で必要な利下げ措置ではなく、「予防的利下げ」と考えられます。FRBが提供する過剰流動性によって株価下落を食い止めることが出来ればリセッションまで至らずに済むかもしれません。結果的に、株価と実体経済の主客が入れ替わるような状態が相場の読みを難しくするのでしょう。

日経平均は政局の混乱やパキスタンなどの地政学リスクの拡大を受け、下げて始まり、後場は中国株や香港株の急落で一段と下げ幅を広げる展開となりました。更に、引け後にハンセン指数が史上最大の下げ幅となり、明日も不安定な相場が続くことは避けられそうにありません。ただ、大半の参加者がバブルと見ていたはずで、意外感があるわけではないでしょう。急落がどこで生じるか分からなかったに過ぎません。中国政府のバブル抑制策のタイミングが悪かったということになります。ハンセン指数の上昇率に遠く及ばない日本株がどの程度の耐性を示すか注目したいところです。


(私のコメント)
日本では政界の大連立騒動がひと段落しましたが、世界ではサブプライムから始まったバブル崩壊の流れがだんだんと大きくなり始めました。アメリカの金融業界ではリストラの嵐が吹きはじめて、ヘッジファンドでは500万ドルプレーヤーも首切りにあっています。しかしまだ不良債権がどの程度かが確定せず金融機関同士が疑心暗鬼になっているようです。

バブル崩壊に関しては日本が一番先に体験していますが、株式相場も何度も底打ち宣言がなされながら暴落していきましたが、アメリカでも悪材料が出るのはまだまだこれからで、金融機関自身がどの程度の損失を受けたかまだつかめてはいないのだ。アメリカでもかなり規模の大きな飛ばしもあるようです。

アメリカの金融業界で働いている従業員は高給取りたちであり、高級マンションなどを買って生活していたのでしょうが、首切りに合えば住んでいた高級マンションも売りに出して再就職先を見つけなければなりませんが、金融市場がどんどん縮小しているから再就職先もないだろう。

田中宇氏の記事では中国やロシアや湾岸諸国の政府系機関がアメリカの金融機関を買おうという話が出ていますが、本格的なバブル崩壊を体験していない国はバブル崩壊の恐ろしさを知らないようだ。アメリカにしても2000年のITバブルは株式などに限られていましたが、今回のバブル崩壊は不動産バブルであり90年代の日本のバブル崩壊と同じだ。

不動産バブルの場合はHiT株式教室にあるとおりに何段階もあり、最終的な商業用不動産市場がクラッシュするまで行くのか、その手前で防げるのかで影響も異なりますが、日本の場合はいくら金融を緩和しても株式投資家や不動産デベロッパーが死滅した段階ではどのような方策も効果はない。

だから日本の場合も、徳政令で株式投資家や不動産業者をある程度は救済すべきであったと思う。そうすれば経済の回復も早かったのでしょうが、現在の日本では株式市場も不動産市場も参加者は少ない。多くの投資家が再起不能になってしまったからだ。新しい世代が投資家として参入するまで20年はかかってしまうだろう。

アメリカではサブプライムローンに対する徳政令を発令しましたが、これで一時的な金融パニックは収まりましたが、今度は優良住宅ローンや商業不動産などの焦げ付きに対する徳政令は出せるのだろうか? その前に金融機関が抱えた巨額損失に対しても政府による救済措置がとられるのだろうか? 今は経営者の首が飛ぶ程度ですが経営破たんが本格化すれば一般経済にも影響が及んでくる。

今はまだ中小の金融機関が破綻しているだけですが、メリルリンチやモルガンスタンレーといった大手にまで火の手は及ぶかもしれない。欧米では債券市場が機能が止まってしまった為に、ファンドのカネは株式市場や原油などの市場に流れ込んでいますが、ファンドである為に一定の利益を稼ぎ出さないとそのファンドに解約が殺到する。

今はかろうじて株式市場や原油相場などがファンドを支えていますが、いずれはそれらを投売りする時が来るだろう。今投資家がすべきことは金融機関が倒産しないうちに資金を引き上げることであり、商業不動産なども買い手がいるうちに売り抜けてしまうことだ。

80年代は日本がアメリカの不動産を買いあさりましたが、今は中国や湾岸産油国のマネーが買いに入っている。ドル安で株も不動産も安く思えるのだろう。しかし日本も結局はバブル崩壊で手放したように、中国もロシアも産油国も石油バブルが崩壊すれば手放す事になるだろう。中国などは輸出が占める経済の割合が大きいからバブル崩壊のダメージも大きいはずだ。

今世界の中央銀行はジャブジャブと資金供給して市場を支えていますが、金融破たんが本格化して信用収縮が起きると打つ手はなくなる。銀行の貸し渋りや貸しはがしがアメリカでも起きるだろう。それを防ぐには政府による銀行救済であり、日本も早く銀行救済をすべきだったのだ。結局はりそな救済で方針転換しましたが遅すぎた。

アメリカ政府はおそらく借金に対する徳政令や公的資金による銀行救済など何でもするだろう。日本の例を見ればモラルハザードなど問題外で、バブル崩壊はどんな方法を用いても防がねばならない。どっちにしてもアメリカはあと10年余りで国内油田が枯渇してほとんどの石油を輸入するようになる。その場合は代金をユーロで支払えといってきたらアメリカはおしまいだ。

車の動かないアメリカでは買い物一つすることが出来ない。郊外に果てしなく広がった住宅街はゴーストタウンになってアメリカ社会は崩壊する。ハイパーインフレがやってきてアメリカもただの大国としてブラジルやアルゼンチンとたいして変わりがなくなるだろう。


世界はすでに原油=ユーロ相場になっている。


◆原油高騰…裏に米欧通貨代理戦 11月4日 産経新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071104-00000057-san-bus_all

石油業界各社はこのほど原油代金を円でイラン向けに支払い始めた。石油輸入の円建て決済は「史上初」(新日本石油)という。

 国際石油市場はこれまでドルの独壇場だった。石油のために世界中がドルを必要とするから、ドルは世界の基軸通貨の座を保持できる。米国からのウラン濃縮中止要求を拒絶するイランはそこに米国の弱点をみる。ドルに代わる国際標準通貨として台頭しているユーロを使い世界的なドル離れを促す戦略をとっている。イランを舞台にしたドル対ユーロの代理通貨戦争であり、日本側は円建て決済の形でいわば「中立」の構えをとった。

 イランの石油輸出は日量約250万バレルで日本はそのうち約50万バレルを輸入している。イラン原油価格を1バレル=80ドルとすれば、年間で146億ドル、日本円で約1兆6644億円(1ドル=114円で換算)になる。石油価格が上昇せず円の対ドル相場が10%上昇すれば、石油業界は為替対策をしなくても1664億円だけ支払い負担が軽くなる。

 しかし、日本としては「同盟国」米国を刺激するのだけは避けなければならない。「本件は政治的になることだけはまっぴらゴメン」(新日本石油幹部)である。

 産油国でドル支配に反旗を翻した一番手はかのサダム・フセインである。彼は2000年11月に国連の管理下に置かれていたイラクの石油輸出代金収入による人道物資基金をユーロ建てに置き換えた。最大の石油輸出国サウジアラビアも2002年8月、ユーロ建て輸出を検討する動きが表面化した。サウジまでもフセインに同調すれば産油国全体に波及する恐れが生じる。

 グリーンスパン前米連邦準備制度理事会(FRB)議長が最近出版した回顧録で「イラク戦争は主に石油が目的」と指摘した。「私にはイラクのフセイン大統領が中東原油を支配しようとしていることが明白に思えた」というわけである。

 イランはフセインよりも用意周到である。2006年3月に、ユーロ建ての石油取引所の設立計画を打ち上げた。価格もユーロ建てにする完全なドル駆逐作戦だった。

 だが、結局実現できないままになっている。フランス、ドイツなどユーロ各国はもちろんユーロ決済は歓迎するが、イラン支持はそこでやめた。ユーロ石油市場設立には協力せず、さらにウラン濃縮反対で対米関係に配慮した。

 サウジアラビアなど他の中東産油国はイランに追随する気配はない。その背景は、対米関係を優先する政治的配慮ばかりではない。石油価格が上昇する限り、産油国はユーロ建てにしなくても石油収入の目減りを防げると計算できる。米国はサブプライム・ローン危機をきっかけにドル札を市場に垂れ流すドル安政策をとっているが、投機資金の流入でドル建ての石油相場がドル安を上回るペースで急上昇しており、産油国の収入は増えている。

 イランの挑発に乗らないよう産油国をドルにつなぎ止める代償は石油価格の急騰とも言える。結局ツケは米国のみならず日本を含め石油消費国の消費者が払わされる。(編集委員 田村秀男)



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