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2007年11月01日
日米の金利政策と製品価格の値上げ
日銀が昨日政策金利の据え置きを決定し、あわせて展望リポートで今年のGDP成長率を2.1%から1.8%へ下方修正し、物価指数も+0.1%から0.0%へと引き下げました。一方で米国では昨晩FOMCで政策金利を0.25%下げて4.5%としました。また7-9月期GDP速報値を年率換算で3.9%とし、輸出と個人消費が高い伸びによる米国景気の底堅さを示しています。
米国ではバーナンキ・プットが市場を支えているといわれますが、今はFRBがネガティブサプライズを出せば米国は売り叩かれる、そのためFRBは市場期待を裏切れないだろう、その思惑の方が強く現れています。市場が利下げ期待を膨らませれば、FRBがその期待を覆すだけの力はなく、弱腰を見透かしたかのような市場の動きです。こうなると12月も継続利下げにならざるを得ず、米国の政策金利は更に下がる方向でしょう。先行きは不透明といいながら、足元は強かったのに、です。
ゴールドマンサックス証券が先日、原油相場は来年1-3月期に80ドル台で落ち着く、との見通しを出し、一時下落したWTIも今日は予想以上の在庫の下落と、大手石油会社のCEOによる「生産能力はそれほど高くない」との発言から、今日は一気に90ドル台後半に突入する勢いを見せています。
先のGS証券によるリポートはFRBにインフレ懸念は高めない、というメッセージに近いものですが、世界はドル安とそれに伴うインフレが襲っています。そんな中、豪州では干ばつによる小麦相場の高騰に伴うインフレで、政策金利の引き上げに踏み切っており、これを見ても世界は利下げと利上げの両睨みで進んでいることがわかります。
日本でも素材価格の上昇で値上げラッシュが起きています。この値上げで問題なのは、大手量販店は数量効果の圧力で卸値を低く抑え、価格上昇を抑えることが出来ますが、個人営業の店は価格に反映せざるを得ず、安い物を求める消費者が大手量販店に流れるという、小売の中の勝ち組、負け組の差がはっきりと出てしまうことです。
更にコンビニは個人が出資して店舗を出す場合も多いのですが、コンビニは卸値をそのまま価格に反映させるため、今回の製造メーカーの値上げの影響を受けることになります。シャッター街のように、個人経営の店は厳しい環境であり、更にコンビニ経営まで今回の製造メーカーの値上げの影響を受けるとなると、日本で自営が成立しなくなります。
原料高を緩和するためには、円高に誘導することもまた必要な政策です。世界はドル建て決済の原料の価格高騰は自国の通貨高で抑えられていますが、投機資金の流入はそれ以上の、想定を超えた高騰を目指しています。日本は円安とのダブルパンチを受け、個人消費にも波及する段階であるのに、政府が無策というのが残念な限りです。これでも政府はデフレと言い続け、国民を欺き続けるのでしょうね。
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/